RTのドライブシャフトの構造

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

春分の日の三連休に、パラレバーピボットのニードルベアリングの交換を行ないました。
今回も初めてのことでしたが、作業を進めるうちに構造が理解でき、何がどんなふうに機能しているのかがわかって、一抹の不安を感じながらも楽しみながら作業を進めることができました。

ミッションとファイナルをつなぐドライブシャフトは、下図のようにパラレバー(スイングアーム)内を通るドライブシャフト(1)と、ピボット部で回転を伝えるユニバーサルジョイント(2)、それと図には書いてありませんが、ミッション側のスプラインにつながるところにもユニバーサルジョイントがあり、都合三つのパーツで構成されています。
20140401_01

(1)のドライブシャフトは前方でミッションから生えているスプラインにはまっていますが、このスプラインには、シャフトのメス側の途中にクリップが装着されていて、これがミッション側のスプラインの溝にはまってシャフトが位置決め(固定)されます。

シャフトの後端はメスのスプラインが刻まれており、これがユニバーサルジョイントの雄のスプラインと組み合わされますが、ここは上記のようなクリップは介在せず、サスペンションがストロークしてシャフトの有効長が伸び縮みする動きをスプラインがスライドすることによって吸収しています。

シャフトの回転はユニバーサルジョイントを介してファイナルから生えているスプラインに伝えられて後輪を回しますが、ここのスプラインもドライブシャフトのミッション側の接合部分と同じようにクリップで固定されています。

このような構造を取ることで、スイングアームの搖動によるシャフトの有効長の変化を上手に吸収しながら動力をファイナルまで伝えるようになっています。

今回交換したピボット部のベアリングですが、スイングアームの両側に2個一組備わっています。
このベアリングは、アウターレース、ニードル(ローラー)ベアリング、インナーレースという三つの部品で構成されており、アウターレースの内側とインナーレースは、車体に取り付けるときに内側になる側が外側よりも小さい円で構成される、円錐の一部を切り取ったような形状をしています。
20140401_02

ユニバーサルジョイントに打ち込まれたこの一組のベアリングをスイングアームの両方の外側から挟み込みますが、車体右側のスタッドボルトは単純に160N・mのトルクでしめるのみで、一定の位置で右側のベアリングのインナーレースを車体内側に向かって支持します。
一方、車体左側のアジャストボルトも同様にベアリングのインナーレースを車体内側に向かって押しますが、ここでアジャストボルトを7N・mのトルクでしめることで、ベアリングをどれくらいのトルクで支持するかが決まります。
ロックナットはそのアジャストボルトのベアリング締め付け具合を維持するためのもので、これも右側のスタッドボルトと同じように160N・mのトルクでしめることでしっかり固定されます。
このようにしてベアリングを適切なトルクで締め上げることにでベアリングがスムーズに動いて、かつ、リアタイヤが路面から受ける力をトルクロッドとともにしっかり受け止め、スイングアームにマウントされたショックユニットでショックをいなすようになっています。
ベアリングの構造を観ればわかりますが、口径の大きいほうの穴からアジャストボルトを挿入してインナーレースをベアリングに押しつけ、その時の締め付けトルクが、インナーレースがベアリングをアウターレースに押し付ける力を決めるので、ここのトルク管理をきちんとしないとベアリングやアウター/インナーレースの消耗が早まるということです。
20140401_03

ところで、今回のベアリング交換ではっきり体感できる予想外の変化があったので、ご報告しておこうと思います。
それは細かいギャップがある路面での乗り心地です。
以前にも書いたことがありますが、私のRTは、例えば路面を横切る細い溝の上を走った時など、それを乗り越えた時のリアタイヤが拾った細かい角のあるショックを正直にお尻に伝える、と書いたことがあります。
ヘタったショックをHAGONの新しいショックに交換したことによってかなり緩和されたのですが、タイヤの摩耗が進むにつれてまたぞろその角のあるショックが伝わってくるようになりました。
それが、ベアリングを交換した後、ほとんどその細かい角のあるショックが鳴りをひそめました。
考えられる原因は、やはりスプラインのグリスが切れていたのをグリスアップしたことくらいです。
減速時や加速時はドライブシャフトとユニバーサルジョイントのスプラインは強くかみ合った状態なので、ここでギャップを踏んでシャフトの有効長が変化しようと思ってもスムーズにスプラインが摺動せず、ごきっと抵抗を伴ってずれることによってショックが生まれていたのかもしれません。
それが、グリスアップしたことによってスプラインがスムーズに動くようになり、このショックがなくなった、もしくは軽減されたと考えられそうです。
もしそうなら、やはりこのスプラインにはかなり負担がかかっていたことになりそうです。
まあ、スプラインの山が丸くなっている様子はなかったのでこのまま使用を続けてもたぶん大丈夫だと思いますが、グリスも半永久的にその場にとどまっているとは考えづらいので、2万キロごと程度は開けてスプラインのグリスアップをしたほうがいいかもしれません。

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ここの

私もGSの時代に4万kmでここのベアリングを交換しました。
ディーラー曰くこのベアリングは1150の欠点だそうです。
片持ちの大きなトルク特に横~斜めを受けるのには小さいんじゃないかと。
特にGSでは厳しかったかもしれません。

チェーンとスプロケの交換と同じ頻度とコストで交換するしかないようでした。
小さなガタが出るとすぐに逝きますね。

でもご自分で交換なさるのはさすがです。
私は面倒になってしまい丸投げしました。(笑)

Re: ここの

ガンバさん、こんばんは。

> 私もGSの時代に4万kmでここのベアリングを交換しました。

そうでしたよね、覚えています。
ああ、ここって傷むんだな、ってガンバさんの記事で教えていただきました(^^)

> ディーラー曰くこのベアリングは1150の欠点だそうです。
> 片持ちの大きなトルク特に横~斜めを受けるのには小さいんじゃないかと。
> 特にGSでは厳しかったかもしれません。

そうそう、GSの時の記事でそう書かれていましたよね。
確かにあのベアリングにあの重量の車体ですから、文字通り荷は重いですよね。
おっしゃる通り片持ちですし。
このベアリングに限らず、このころのR15はあちこちに弱点がちりばめられていますね。
あと壊れそうなところは、クラッチレリーズかな、って思っています(^^;

> チェーンとスプロケの交換と同じ頻度とコストで交換するしかないようでした。
> 小さなガタが出るとすぐに逝きますね。

やっぱりガタが出ると一気に症状が進むんですね。
私のRTは84,000キロであの状態だったら、まあもった方だと思っていのかもしれませんね。
ベアリング自体は両方で6,000円くらいでしたが、やっぱり交換は重労働でした。
でも、自分でやるのも楽しいので、次回も換えるときは自分でやっちゃうかもしれませんね。

> でもご自分で交換なさるのはさすがです。
> 私は面倒になってしまい丸投げしました。(笑)

いえいえ、さすがなんて言っていただけるような腕は持ち合わせていないんですよ(^^;
この作業も成功したかどうかは1,000キロくらい走って異常が出なかった時に初めて『成功』って言おうと思っています(笑)
私はいつもガンバさんの記事を拝見していて、ここまで手をかけてもらったらバイクも喜ぶだろうな、って思っています。
これからもいろいろ勉強させていただければと思います(^^)

Kachi//

No title

このベアリングの構造だと整備時のちょっとした締め付けで
後々の寿命も大きく違ってきそうですね
私の少ない経験ではロックナットと一緒に中のネジも回ってしまいそうですw
やはり一つ一つの部品がきちんと動くと乗り心地に大きく影響するんですね~

Re: No title

TREKさん、こんばんは。

> このベアリングの構造だと整備時のちょっとした締め付けで
> 後々の寿命も大きく違ってきそうですね

そうでしょう?
私もマニュアルを読んだときに、アジャストナットを7N・mでしめると書かれているのを見て、本当にこんなトルクでいいの? なんて思いましたが、構造を知ると、ああなるほどな、って思いました(^^)

> 私の少ない経験ではロックナットと一緒に中のネジも回ってしまいそうですw

このあたりは気を遣いました(^^;
共回りしてしまいそうな気はしていたので、ためしにアジャストを支持せずに回したらやっぱりしまって行ったのです。
マニュアルにアジャストナットの位置をマークしておくように書かれていたのがヒントでした(^^)

> やはり一つ一つの部品がきちんと動くと乗り心地に大きく影響するんですね~

それは実感しました(^^)
やっぱりちゃんと手を入れてやらないと本来の性能が出ないんですね。
車両が古くなればなるほどこういうところをきちんとしないといけなさそうです。
手はかかりますけど、愛着もわきますね(^^)

Kachi//
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Kachi

Author:Kachi
大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
肩の力を抜いていきましょう。

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