映画 『黒部の太陽』

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

先日、何の気なしに黒四ダムのことを思い出し、ネットをうろうろしていました。
黒四ダムは1963年に完成した日本最大のダムで、その大きさはいまもって日本一の地位をキープしています。

私が小学校1年生の時、父親の勤務する会社の保養所が長野県の白馬村にあり、そこに泊まって黒四ダムを訪れたことを思い出したのがそもそものきっかけでしたが、たまたま関連する項目で映画『黒部の太陽』のリンクが見つかって、これをたどっていくと、石原プロモーションのサイトに行きつき、なんと、3月8日の18:00からBS日テレで『黒部の太陽』放映されるとのこと。
20140310_01

この映画、昔から観たい観たいと思っていたのですが、故 石原裕次郎さんが『この映画は大きなスクリーンで、映画館で観てほしい』という言葉にしたがって、ずうっとDVDなどのソフトとして焼かれませんでした。
一方で、近年では映画館でも上映もされるということを聞いたことがなく、半ば忘れかけていたのでした。
ところが、この放映情報を発見したのはその放映当日の14:00過ぎ。
しかも完全ノーカットだそうで、すぐさまケーブルテレビ受信機のハードディスクに録画予約!

で、ゆっくり鑑賞することができました。

製作は独立したばかりの石原裕次郎さんのプロダクションと、三船敏郎さんのプロダクションです。お二人とも主役として出演されています。
20140310_02

黒部の険しい山岳地帯の空撮のあと、大きく『黒部の太陽』とタイトルが出ます。
20140310_03

白状してしまいますと、本当に震えるような興奮を覚えました。

物語は、黒部第四発電所の建設を決めた関西電力の北川次長(三船敏郎さん)が建設現場である黒部渓谷の視察をするところから始まります。
展開としては、関電トンネルを掘る熊谷組のトンネル掘削の苦闘を中心に描かれますが、見どころはそのほかにも、人間ドラマもちりばめられていて、3時間を超える上映時間も飽きることなく、切なくなる人間臭さも必見です。

熊谷組のトンネル掘削の下請けをする土方の父親と設計技師の息子(石原裕次郎さん)の確執。
息子は父親のことを自分の金儲けのためなら人を道具としてとっかえひっかえ過酷な現場に追い込み、実の息子(裕二郎の兄である与一)までをも黒部川第三ダムの高熱トンネル(後述)の掘削現場で、発破をしかけるために死に追いやった人でなしとののしり、父親は不器用にもそのような息子に対して反論することもせず、ただ暴言を吐き暴れまわるため、会えば喧嘩になってとうとう最後までお互いに親子として接することができません。
しかし、関電トンネル工事中の怪我が悪化していよいよ父親が死にそうになったとき、枕元でいまわの際に父親がうなされて、息子が爆死したときの夢を見ながら『与一、早く逃げろ! 早う戻ってこんか!』と叫ぶ姿を見て、兄は父親が死に追いやったのではなく、兄自身が自分の意思で発破を最後まで装填し続けて死んでいったことを悟り、いままで父親に対して吐いてきた数々の暴言を深く悔みます。
しかし、そこで裕二郎さんは泣き叫ぶこともせず、目にうっすらと浮かべた涙がその気持ちのすべてを物語っています。

一方、北川次長(三船敏郎さん)は、3人娘の真ん中のまき子が白血病にかかっている中でトンネル掘削の陣頭指揮を執り、まさに最後の発破でトンネルが開通したその時に次女死去の電報を受け取ります。
ひとり感情を押し殺す北川次長のまわりではみんなが喜びに歓声をあげ、労働者の一人が、『次長、なんか一言しゃべってくれ』と頼みます。
それにこたえて北川次長は万感の思いを込めて労働者に対して『ありがとう、おめでとう』と感謝の意を表し、その場で目を伏せてむせび泣きます。
この涙は、もちろん、娘を亡くした悲しみの涙なのですが、周囲からは事業を成し遂げた達成感からくる涙だと受け取られている様子が切なさと、男を感じさせるシーンでした。

舞台となった黒四ダムは、戦後の高度経済成長の中で電力不足が深刻だった中、関西電力の英断と参加したゼネコンの技術と情熱で完成にこぎつけた一大プロジェクト。
このダムは1963年完成ですが、現在の調査でも、まだあと250年はダムとしての機能を保ち続けられるだろうと言われており、日本の土木技術の素晴らしさと、その陰に多くの犠牲があったことに思いをはせると、この映画の深さも一層増す気がします。
映画の技術としても、CGなどない時代にこのスケールとスペクタクルを再現したのはすごいことだったと思います。

久しぶりに骨のある映画を観た思いでした。
同時に、若いころに読んだ吉村昭さん著『高熱隧道』、曽野綾子さん著『湖水誕生』などを思い出しました。

『高熱隧道』は先ほどちらっと書いた黒部川第三発電所建設のためのトンネル工事の物語で、トンネルを掘れば掘るほど岩盤の温度が上がり、発破が自然発火して犠牲者が続出し、さらに冬に泡雪崩(ほうなだれ)で労働者が寝泊まりしている宿舎が吹き飛ばされるなど、様々な困難ののち、トンネルは開通します。
しかし、あまりの犠牲の多さと死と隣り合わせの環境によって、労働者と電力会社側の間にはいつ暴動が起こるかわからないような不穏な空気が流れ、電力会社の技師たちは労働者みんなが寝静まっている間に下山するという物語。

『湖水誕生』は、長野県ににある暴れ川、高瀬川上流に建設された実在するロックフィルダムである高瀬ダムの建設の物語。
登場人物や設定は架空のものですが、その中で繰り広げられる人間ドラマと水力発電の意義を考えさせられる名著です。

『黒部の太陽』は昨年の3月にはBlu-rayとDVDのソフトが出ているようです。

今年の春から夏にかけてのツーリングの行先として第一候補ですね、黒部第四ダム。

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No title

黒四ダムは若い頃から行きたいけどなかなか行けないところですw
大町から往復すればいいのですが、どうせなら日本海側へ通り抜けたいな
とか考えてると行く機会を失ってますw
「黒部の太陽」も見てから行くと感動もひとしおでしょうね
日程が合えばご一緒したいですね~

Re: No title

TREKさん、こんばんは。

> 黒四ダムは若い頃から行きたいけどなかなか行けないところですw

私も小学校1年の時に行ったきりなので、ぜひもう一度行きたいんですよ。
なので、この映画の上映はすごくタイムリーでした^_^

> 大町から往復すればいいのですが、どうせなら日本海側へ通り抜けたいな
> とか考えてると行く機会を失ってますw

アプローチは大町側からと富山側からのふたつのルートですよね。
どちらからも魅力的ですが、やっぱり黒部の太陽を見た後だと関電トンネルを通る大町ルートかな〜と思っています。
大町に戻ってから日本海に抜けて北陸経由で帰るのもいいなと(*^_^*)

> 「黒部の太陽」も見てから行くと感動もひとしおでしょうね
> 日程が合えばご一緒したいですね~

おお! ぜひいっしょに行きましょうよ!
ほかにも地層が見られるところに寄れたらきっとお腹いっぱいになりますよ^ ^
いろいろ下調べしよっと(*^_^*)

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大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
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