スピードメーターのシャフトを潤滑するグリスは何がいい?

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

24日の記事でメーターの暴走(振れ)について考えてみました。
では、この原因を取り除くにはどうしたらいいのでしょうか。
針の振れはスピードメーターケーブルのねじれによって引き起こされ、元をたどればそのケーブルから回転を受け取るメーター側の回転シャフトのフリクションの増大が根本原因のようだと推測されました。

前回はCRCを噴いて、一時的にフリクションはなくなったように思えました。
しかし、よくよく調べてみると、CRCは以下の理由からあまり使うべきではなさそうです。

■CRC
20131026_01

樹脂パーツを溶解してしまう。
実は学生の頃、原付(Racoon)のフロントブレーキレバーの摺動部の動きがシブくなった時にCRCを噴いてみたのですが、処置のあと、ブレーキランプが点灯しなくなりました。
で調べてみると、ブレーキレバーを握った時にレバーが押すスイッチの樹脂製の突起が溶けてなくなっていたのが原因でした。
もしCRCを必要以上に噴きこんで、内部のTRIPやODOメーターを駆動する歯車を溶解させてしまったら取り返しがつかないことになります。
もう一つ、CRCは揮発性があるため、一時的には潤滑を復活させられるかもしれませんが、所詮は一時しのぎでしかないという点。



では何を使えばよいのでしょうか。

いくつか条件があると思うのですが、概ね以下の条件を満たせばよいのではないか、と思います。

■粘度
そこそこ高速に回転する摺動部に使うので、回転で飛散するような低粘度ではないこと。
また、液状のものだと、せっかく塗布しても、メーターの取り付け角度からしてケーブル側に流れてしまって、いずれは潤滑の用をなさなくなると思われます。
そうかといってあまりに粘度が高すぎるとシャフトの回転を妨げてしまうかもしれません。
その限度がどれくらいなのかを見極めるところが難しそうです。

■耐温度変化
エンジンに近い部位ではないので数百度の耐熱性は必要ないでしょうが、メーターそのものが外界に晒された二輪車仕様なので、冬の氷点下から灼熱の真夏までの気温の環境下で正常に仕事をしてくれなければなりません。
低温側は -10度くらい、高温側はメーターが直射日光にさらされて熱がこもることを考えると 80度くらいまでは耐えてもらわないといけません。

■水や埃は気にしなくてよい
基本的にメーターケース内に密封され、ケーブルの取り付けリングでしっかり外界と遮断されているため、走行に伴う水分や埃の付着は心配しなくてよさそうです。

■樹脂への攻撃性がないこと
メーター内は、指針を駆動すためのマグネットと指針側のプレートのほか、TRIPやODOメーターを駆動するための樹脂製の歯車が多く配置されています。
注油位置とメーターの設置角度から考えて潤滑剤がメーター内部に流れ込んで歯車を浸潤することは考えにくいといえますが、先に記した使用温度の環境で潤滑剤から揮発する溶剤のようなものが歯車を侵すことがあってはなりませんので、そのような揮発性の溶剤を含まないものが好ましいと言えそうです。



さて、こう考えるとどのようなものがいいでしょうか。

■ラスペネ(WAKO's)
20131026_02

フッ素樹脂配合の浸透潤滑剤。
まーぼーさんが推してくださった潤滑剤です。
噴射タイプで、使い方はCRCと同じですが、粘度は高く、揮発性はないようです。
塗布するのにひと噴きふた噴きすれば作業を完了させられそうな手軽さが魅力です。

■チェーンルブ(FINISHLINE)
20131026_03

TREKさんにご提案いただいた潤滑剤。
拙宅でMTBのチェーンに塗布しているもので、私のTRANCE 2を購入した7年前に一緒に買ったもの。
余ったルブは流れますが、塗布部分に薄い塗膜を形成して摩擦を低減するのはチェーンで証明済み。
メーター内部ならばチェーンのように外界に晒される環境ではないので耐久性も期待できるかも、といったところです。
ただし、注意書きには『摂氏40度以上になるところ、凍結するところにはおかないでください』とあります。
20131026_04

う~ん、凍結するところとは何度以下のところなのかはっきりしませんが、これだとバイクの環境には苦しいか。
市場には同じチェーンルブでもほかにもっと耐環境性能の高いものがあるかもしれません。

■ウレアグリス
20131026_05

このグリスは、セルモーター作動時の異音を消すために、エンジンの近くにあるセルモーター内でも高温に耐えられるようにと購入した耐熱グリスです。
かなり耐久性が高いようで、使用可能温度範囲はマイナス20度から200度まで。
20131026_06

このグリスのおかげか、セルモーターは機嫌よく、異音も出さずに仕事をしてくれています。
余談ですが、そろそろ冬に入る前に再度セルモーターのグリスアップをしたいところです。

■シリコングリス
20131026_07

これはブレーキメンテナンス時にブレーキキャリパーのピストンのOリング周辺に塗布するために購入したもの。
能書きを見てみると、あれれ、耐熱温度はウレアグリスと同じですが、耐寒温度はウレアグリスよりも低温に強そうですね?


これらの中から、粘度や用途を俯瞰してみると、なんとなくウレアグリスがよいような気がします。

で、実際にどれくらいの耐寒性能があるのかを試してみることにしました。
季節的にこれから冬に向かうので、氷点下の朝にグリスが凍結したり流動性が失われたりしてスピードメーターのシャフトが回らなくなると運行に支障が出るからです。

ペットボトルのキャップにシリコングリス。
20131026_08

ウレアグリス。
20131026_09

チェーンルブ。
20131026_10

これらを適量(^^)サンプルとして取って、これを冷凍庫でひと晩冷やします。
20131026_11

翌日、これらを取り出して、流動性を維持しているかどうかを確かめてみます。
20131026_12

家庭用冷蔵庫内の温度はおよそマイナス20度。耐低温テストをするには十分です。

これは自転車用のチェーンルブ。
20131026_13

こちらはシリコングリス。
20131026_14

そして最後はウレアグリスです。
20131026_15

静止画だとなんとなくわかりにくいですね。

なので、動画を撮ってみました。

最初にチェーンルブ


氷点下20度でも十分流動性はあるように見えますが、冷凍庫から出した直後はもっと粘度が高い状態でした。
もちろん、常温ではもっとシャバシャバです。

つぎ、ウレアグリス


ペットボトルのキャップはセロテープを輪っかにして発泡スチロールのトレーに貼り付けてありますが、爪楊枝でかき回すと、貼り付けてあるトレーまで一緒に動いてしまいました。
ちょっと低温には弱いか?

そして最後にシリコングリスです。


冷凍庫から出した直後でもしっかりと柔らかさも残っているようで、ウレアグリスのような硬さもありません。
さすが、マイナス30度の使用可能温度はだてではありませんでした。

ということで、どうやら手持ちの油脂の中ではシリコングリスが最も理想的のような感じです。
もっとも、いまの日本ではマイナス20度になるのは北海道くらいなので、ウレアグリスでもたぶん大丈夫だとは思います。

台風が通り過ぎたらシリコングリスを入れてみましょうか。

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非公開コメント

Re: No title

るーのぼさん、こんばんは。

> グリスにもいろいろありますね・・・しかし実験までされるとは。(^_^;)

グリスは本当にいろいろ種類がありますね~
今回は手持ちのものと、教えていただいたものだけを候補にしたので何となく選べましたが、実際に自分で一から探していたら、いまだにどれにするか決心できていなかった気がします(^^;
みなさんの情報に感謝です(^^)

> 使用可能温度は書いてあっても、実際にどうなるかまでは使ってみないとわからないですものね~。

そうなんですよ。
まあ、冷凍庫のマイナス20度をクリアするかどうかというのは、ある意味オーバースペックでしょうが、少なくともあの低温で問題なければ京都の冬では大丈夫だと断定していいのではないか、と思っています。

> シリコングリスで症状がおさまるといいですね~。

ありがとうございます。
そうですね。
これで収まるといいのですが、はてさて、どうなりますか(^^)
まずはグリスの塗りこみですね(^^)

Kachi//

Re: タイトルなし

TREKさん、こんばんは。

> Kachiさんらしい実験ですねw

お恥ずかしい、我ながら粘着質だなぁ、とあきれちゃいます(^^;
仕事もこれくらい一生懸命やらないと(笑)

> 非常に参考になりますよ
> 私だったらなんとなくの感覚で決めてたと思いますw
> シリコングリスは樹脂に優しいのは知ってましたが、耐寒耐熱性も強いのは知りませんでした

私も低温側でこんなに粘度を保ってくれるとは思いませんでした。
使用可能温度範囲って、てっきりウレアグリスのほうがずっと広いものだとばかり思っていましたから、チューブに貼られている性能表を見てびっくり、実際に実験してみて二度びっくりでした。

> これで症状が出なくなるといいですね

そう願いたいですね~
ただ実際にベアリングがあると思われる部位がだいぶ奥の方なのでグリスがしっかり届いてくれるかどうかも心配です。
まあ、やってみないことには始まりませんから、がんばってやってみます(^^)
もしあまり効果がないようなら別の潤滑剤を物色することにします。

Kachi//

No title

グリスにもいろいろありますね・・・しかし実験までされるとは。(^_^;)
使用可能温度は書いてあっても、実際にどうなるかまでは使ってみないとわからないですものね~。

シリコングリスで症状がおさまるといいですね~。

Kachiさんらしい実験ですねw
非常に参考になりますよ
私だったらなんとなくの感覚で決めてたと思いますw
シリコングリスは樹脂に優しいのは知ってましたが、耐寒耐熱性も強いのは知りませんでした
これで症状が出なくなるといいですね


Re: No title

まーぼーさん、こんにちは。

> またまた大胆な実験を・・・
> うちで冷凍庫に機械油なんぞ入れたら正座で説教ですよ(爆)。

拙宅もたぶんそうです(^^;
なので、家内も子供も寝静まってからラップを二重まきにして冷凍庫の奥の方に隠匿しました(^^;
匂いうつりすると最悪ですからね~

> それはさておき、シリコングリスが適するのはだいたい分かってましたが、
> ペースト状で狙った隙間にばっちり注入できるか(いきわたるか)が気がかりです。

そこなんですよね。
あのシャフトの狭い狭い隙間に入れようとすると、隙間に少し盛って、先細の歯ブラシで少しずつ押し込むしかないかな、なんて思っています。

> 僕はシリコングリースはスプレータイプ(極細ノズル付)を使っているので、
> 自分で同じ作業をするならまずシリコングリース・スプレーを試してみて、
> 隙間に行きわたらないようだと粘性のある浸透潤滑剤かなと思っています。

なるほど、使い分けも必要ですね~
隙間に行きわたらせるとなると、やっぱりノズルで噴きこんだ方が圧倒的に効率がいいですよね。

> この作業にラスペネを無条件に推薦はしてなかったと思いますが。。。
> (1本持ってると便利ですけどね)

読み返してみたら、粘度は高いよ、と書いてくださっていただけでしたね、いや、思い込み失礼しました(^^;
ラスペネはAstro Productsで見つけたんですが、2,000円くらいしたので、お小遣い支給前だったこともあって、とりあえず手元にあるモノでやってみようかと思い立ちました。

> しかしKachiさん、意外とスプレーの油脂類ってお持ちじゃないんですね。。。

そうなんですよ。
あるのはCRCと、TDM時代に使っていたバイク用のYAMAHAのチェーンルブくらいかな。
おっしゃるように1本あると便利に使えそうですね。
この際、ラスペネ買っておこうかな。

Kachi//

No title

またまた大胆な実験を・・・
うちで冷凍庫に機械油なんぞ入れたら正座で説教ですよ(爆)。

それはさておき、シリコングリスが適するのはだいたい分かってましたが、
ペースト状で狙った隙間にばっちり注入できるか(いきわたるか)が気がかりです。

僕はシリコングリースはスプレータイプ(極細ノズル付)を使っているので、
自分で同じ作業をするならまずシリコングリース・スプレーを試してみて、
隙間に行きわたらないようだと粘性のある浸透潤滑剤かなと思っています。

この作業にラスペネを無条件に推薦はしてなかったと思いますが。。。
(1本持ってると便利ですけどね)

しかしKachiさん、意外とスプレーの油脂類ってお持ちじゃないんですね。。。
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大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
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