R1150RTの印象
RTに乗り換えて少しの間はなかなかロングに出る機会に恵まれませんでしたが、ある日、仕事で京都の西部に行く用事ができました。
そのときに、高速道路だけではなく、わざわざワインディングをつなぐルートを選んで走った印象です。
すでにいろんなところで言われていることも含まれますが、あえて自分の印象として残しておきたいと思います。

■長所
・大型のカウル & スクリーンのおかげで高速道路は走行風から来る疲労を 大きく軽減してくれます。
よく雑誌などで言われているような[無風]とか[雨に降られても濡れない] などということは、たとえ高速走行をしていてもありえませんが、少なくとも頭部を除く上半身はカウルなしに比べてはるかに楽です。
・テレレバーサスペンションは制動時のノーズダイブがほとんどなく、ABSの効果とあいまって急制動でも車体は安定を保っているため、パニックブレーキでも思い切りブレーキをかけられます。
また、コーナリング時でも路面追従がよく、安心してコーナーを抜けることができます。
・ポジションが絶妙で、長距離ライディングでも腰痛、肩のハリ、腕のツッパリとは無縁です。
・エンジンの出力特性がおっとりしているので、予想に反してバイクが暴れることもなく、その安心感による長距離ツーリングの疲労軽減効果が高いと感じます。
・エンジンが温まればアイドリングでクラッチをつないでいってもエンストせずにとことこ走り出すトルクを有しています。
ただし、冷えている間はクラッチミートに少し気を使う必要があります。
・低速トルクが厚いため、上まで回さなくても十分な加速が得られ、歯をむいて走らなくてもシラっと速いです。これも長距離の疲労低減に一役買っているのでしょう。
・塗装が高品質で、すでに8年近くを経過している車両ですが色あせもなく、非常にきれいな状態を保っています。

■短所
・とにかく重いです。300kg近い車重は高速走行時の安定感とトレードオフですが、車庫からの出し入れの際は慣れても緊張します。
・シート座面が前傾しているため、乗っていると着座位置がだんだん前に移動してきます。シートポジション調整機構にスペーサをかませることで[下駄]を履かせて対処しました。
・空冷で、かつエンジンのシリンダの大半がカウルの中に埋没しているため、渋滞に捕まったときは油温に気を遣います。やはり水冷に比べるとオイルの劣化は早いと思います。
・もともとまわすタイプのエンジンではありませんが、高回転の伸びがあまりないため、回してもあまり楽しくありません。
・エンジンが縦置きであるため、低速時にアクセルを少し開けてクランク回転のジャイロ効果で安定を保つことができません。
・大排気量のツインなので仕方ないのかもしれませんが、振動にいささか角があり、新車価格で200万近くもする高額車両にふさわしい高級感は、エンジンの感触に限っていえば感じられません。
ただ、すでに中古で購入してから30,000キロを後にして、ODO40,000km後半に達した今は、だいぶ振動に丸さが出てきたように思います。
・フロントは秀逸なのですが、リアのパラレバーサスペンションは細かい路面の凹凸をコツコツと拾います。タイヤを新品に交換するとだいぶしマシになりますが、磨耗が進み、スリップサインが出るころにはコツコツ感が目立ってきます。どうも乗り心地に関してはタイヤのダンピング特性にかなり依存する性格のようです。
・バンクを深くしていくと、バンクセンサーやスタンドよりも早くアンダーカウルが接地してしまいます。この辺に設計の詰めの甘さを感じます。
・ミッションの5速と6速が大きく離れているため(100km/hで5速から6速に入れると1000rpmくらい回転が下がります)、高速道路走行中にギアの選択を迷う場面がままあります。
個人的には5速までを全体にもう少しワイドにして、5速と6速の間を狭くしたほうが使いやすいように思います。
・見た目からかも想像ができるように、フロントヘビーです。
たとえば、RTのあとにXJRなどのネイキッドに乗ると、その振り回しの軽さ(質量感の小ささ)に感動します。
いかに縦置きエンジンのためにジャイロ効果がなく、倒しこみが軽いとはいえ、ネイキッドの身軽さには到底かないません。
短所に書くのは不適切かもしれませんが、【いま取っているバンク角を保とうとする】安定性重視のような気がします。
・前車から乗り換えた直後は、コーナリングの際に予想よりも外側を旋回していくのでヒヤッとしました。テレレバーはストロークするとフォークが寝る方向に動作するので、荷重が大きくかかったコーナリングの際はアンダーが強く出るのかもしれません。
・コーナリング中にフロントブレーキレバーに強く入力すると(要するにパニックブレーキ)車体が強く起きようとします。
これはブレーキング時にはノーズダイブが少ないとはいってもキャスターが寝る方向にアライメントが変化するためと思われます。
本当は寝たまま回っていきたいところ、こうした挙動は少し恐怖を感じます。
ただ、タイヤがロックする気配はまったくないため、その点の安心感は大きいといえます。
■故障やトラブル
・フューエルポンプ故障による交換が1回。
・ダイレクトイグニッションが折れるトラブルが2回。
1回目は私のプラグチェックの際のミスかと思いましたが、2回目はまったく手を触れていないのに同じように折れていたため、何かほかに原因があるのかもしれません。
・私の車両ではまだ出ていませんが、セルモーターマグネット剥離、クラッチレリーズトラブル、バルブの欠損による圧縮不良(走行不能)、ABSユニット故障、ファイナルギアからのオイル漏れ等の持病が多く報告されており、
いずれも高額の修理代がかかるそうです。
バルブ欠損についてはエンジンクレンザーの定期的な投与である程度予防できるようなので、励行したいところです。
■その他
2003年式を2007年に中古で購入。最初はエンジンの感触が荒く感じましたが、購入してから3万キロ程度を共にすると振動も丸くなってきて、逆にこれが心地よく感じられるようになりました。
長く付き合ったほうがよさがわかるのかもしれません。
通勤にも使っていますが、そればかりでは当然もったいないですね。
とにかく長距離の楽さは特筆に価します。
BMWというとアウトバーンの追い越し車線を超高速でかっとんでいくのが本来の姿なのかと思っていましたが、案に相違して、日本の低中速コーナーから高速コーナーも気持ちよく駆け抜けることができ、高速道路も常識的な速度で走るのに快適なセッティングです。
絶対的な速さでいえば、国産4気筒のほうがはるかに刺激に満ちているでしょうが、そうした刹那的な速さよりも高速・長距離を安楽に走ることにより、連続走行を可能にし、身体への負担が少ないのかもしれません。

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そのときに、高速道路だけではなく、わざわざワインディングをつなぐルートを選んで走った印象です。
すでにいろんなところで言われていることも含まれますが、あえて自分の印象として残しておきたいと思います。

■長所
・大型のカウル & スクリーンのおかげで高速道路は走行風から来る疲労を 大きく軽減してくれます。
よく雑誌などで言われているような[無風]とか[雨に降られても濡れない] などということは、たとえ高速走行をしていてもありえませんが、少なくとも頭部を除く上半身はカウルなしに比べてはるかに楽です。
・テレレバーサスペンションは制動時のノーズダイブがほとんどなく、ABSの効果とあいまって急制動でも車体は安定を保っているため、パニックブレーキでも思い切りブレーキをかけられます。
また、コーナリング時でも路面追従がよく、安心してコーナーを抜けることができます。
・ポジションが絶妙で、長距離ライディングでも腰痛、肩のハリ、腕のツッパリとは無縁です。
・エンジンの出力特性がおっとりしているので、予想に反してバイクが暴れることもなく、その安心感による長距離ツーリングの疲労軽減効果が高いと感じます。
・エンジンが温まればアイドリングでクラッチをつないでいってもエンストせずにとことこ走り出すトルクを有しています。
ただし、冷えている間はクラッチミートに少し気を使う必要があります。
・低速トルクが厚いため、上まで回さなくても十分な加速が得られ、歯をむいて走らなくてもシラっと速いです。これも長距離の疲労低減に一役買っているのでしょう。
・塗装が高品質で、すでに8年近くを経過している車両ですが色あせもなく、非常にきれいな状態を保っています。

■短所
・とにかく重いです。300kg近い車重は高速走行時の安定感とトレードオフですが、車庫からの出し入れの際は慣れても緊張します。
・シート座面が前傾しているため、乗っていると着座位置がだんだん前に移動してきます。シートポジション調整機構にスペーサをかませることで[下駄]を履かせて対処しました。
・空冷で、かつエンジンのシリンダの大半がカウルの中に埋没しているため、渋滞に捕まったときは油温に気を遣います。やはり水冷に比べるとオイルの劣化は早いと思います。
・もともとまわすタイプのエンジンではありませんが、高回転の伸びがあまりないため、回してもあまり楽しくありません。
・エンジンが縦置きであるため、低速時にアクセルを少し開けてクランク回転のジャイロ効果で安定を保つことができません。
・大排気量のツインなので仕方ないのかもしれませんが、振動にいささか角があり、新車価格で200万近くもする高額車両にふさわしい高級感は、エンジンの感触に限っていえば感じられません。
ただ、すでに中古で購入してから30,000キロを後にして、ODO40,000km後半に達した今は、だいぶ振動に丸さが出てきたように思います。
・フロントは秀逸なのですが、リアのパラレバーサスペンションは細かい路面の凹凸をコツコツと拾います。タイヤを新品に交換するとだいぶしマシになりますが、磨耗が進み、スリップサインが出るころにはコツコツ感が目立ってきます。どうも乗り心地に関してはタイヤのダンピング特性にかなり依存する性格のようです。
・バンクを深くしていくと、バンクセンサーやスタンドよりも早くアンダーカウルが接地してしまいます。この辺に設計の詰めの甘さを感じます。
・ミッションの5速と6速が大きく離れているため(100km/hで5速から6速に入れると1000rpmくらい回転が下がります)、高速道路走行中にギアの選択を迷う場面がままあります。
個人的には5速までを全体にもう少しワイドにして、5速と6速の間を狭くしたほうが使いやすいように思います。
・見た目からかも想像ができるように、フロントヘビーです。
たとえば、RTのあとにXJRなどのネイキッドに乗ると、その振り回しの軽さ(質量感の小ささ)に感動します。
いかに縦置きエンジンのためにジャイロ効果がなく、倒しこみが軽いとはいえ、ネイキッドの身軽さには到底かないません。
短所に書くのは不適切かもしれませんが、【いま取っているバンク角を保とうとする】安定性重視のような気がします。
・前車から乗り換えた直後は、コーナリングの際に予想よりも外側を旋回していくのでヒヤッとしました。テレレバーはストロークするとフォークが寝る方向に動作するので、荷重が大きくかかったコーナリングの際はアンダーが強く出るのかもしれません。
・コーナリング中にフロントブレーキレバーに強く入力すると(要するにパニックブレーキ)車体が強く起きようとします。
これはブレーキング時にはノーズダイブが少ないとはいってもキャスターが寝る方向にアライメントが変化するためと思われます。
本当は寝たまま回っていきたいところ、こうした挙動は少し恐怖を感じます。
ただ、タイヤがロックする気配はまったくないため、その点の安心感は大きいといえます。
■故障やトラブル
・フューエルポンプ故障による交換が1回。
・ダイレクトイグニッションが折れるトラブルが2回。
1回目は私のプラグチェックの際のミスかと思いましたが、2回目はまったく手を触れていないのに同じように折れていたため、何かほかに原因があるのかもしれません。
・私の車両ではまだ出ていませんが、セルモーターマグネット剥離、クラッチレリーズトラブル、バルブの欠損による圧縮不良(走行不能)、ABSユニット故障、ファイナルギアからのオイル漏れ等の持病が多く報告されており、
いずれも高額の修理代がかかるそうです。
バルブ欠損についてはエンジンクレンザーの定期的な投与である程度予防できるようなので、励行したいところです。
■その他
2003年式を2007年に中古で購入。最初はエンジンの感触が荒く感じましたが、購入してから3万キロ程度を共にすると振動も丸くなってきて、逆にこれが心地よく感じられるようになりました。
長く付き合ったほうがよさがわかるのかもしれません。
通勤にも使っていますが、そればかりでは当然もったいないですね。
とにかく長距離の楽さは特筆に価します。
BMWというとアウトバーンの追い越し車線を超高速でかっとんでいくのが本来の姿なのかと思っていましたが、案に相違して、日本の低中速コーナーから高速コーナーも気持ちよく駆け抜けることができ、高速道路も常識的な速度で走るのに快適なセッティングです。
絶対的な速さでいえば、国産4気筒のほうがはるかに刺激に満ちているでしょうが、そうした刹那的な速さよりも高速・長距離を安楽に走ることにより、連続走行を可能にし、身体への負担が少ないのかもしれません。

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コメントの投稿
No title
こんばんは~
記事を読んでいて
なるほど~っと感心しましたw
なんとなくは分かっているんだけど
こんなにしっかりと文章にする能力は皆無なんで・・・^^;
勉強になりました。m(__)m
記事を読んでいて
なるほど~っと感心しましたw
なんとなくは分かっているんだけど
こんなにしっかりと文章にする能力は皆無なんで・・・^^;
勉強になりました。m(__)m
こんばんは
天さん今晩は。
過分なお言葉、恐縮です。
でも、読み返すとけっこう自分でもRTが好きなんだか嫌いなんだかわからない文章だな、なんて思ってしまうのです。
まあ、気に入っているからもう3年も乗っているんですけれど、正直、この3年間の変わり方がいい方向に向かってくれているのでうれしかったりします。
これからも新しい発見があるといいなと思っています。
Kachi//
過分なお言葉、恐縮です。
でも、読み返すとけっこう自分でもRTが好きなんだか嫌いなんだかわからない文章だな、なんて思ってしまうのです。
まあ、気に入っているからもう3年も乗っているんですけれど、正直、この3年間の変わり方がいい方向に向かってくれているのでうれしかったりします。
これからも新しい発見があるといいなと思っています。
Kachi//