減圧バルブってどう働くの?

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

前回の記事でブリーザーダクトの働きについて考えてみました。
その中で、減圧バルブの意味があるのかどうかわからなくなってきた、と書きました。
そのことを、昨日の会社の会議中にずうっと考えていました。 f(^。^; ☆\(-_-#)

そして、なんとなくわかったような気になってきました。

以下、文字中心で退屈だったら申し訳ありません。

ポイントはピストンの口径よりもブリーザーダクトのほうがずっと細い点にありそうです。
私が減圧バルブがなくてもいいのではないかと思ったのは、ピストンが動くことで変化するクランクケース内の圧力がブリーザーダクトから何の抵抗もなく外気に逃がされ、逆に負圧が外気から空気を取り入れるから問題ないじゃないか、と思ったからです。
しかし、ブリーザーダクトの直径よりもずっと大きな直径を持つピストンが2本も動いて容積が変動しているクランクケース内の空気を、あの細いブリーザーダクトがピストンの往復運動の時間内でブリーズでききるとは到底思えないと思い至りました。
ピストンが下降する(爆発 又は 吸気行程)ことによって圧縮されたクランクケース内の空気がブリーザーダクトから排出されきる前に、ピストンが反転して上昇(排気 又は 圧縮)行程に入ってしまうためです。

では、減圧バルブはどう働くのか。

■バルブなしでのクランクケース内圧
下の図はバルブを付けずにブリーザーダクトだけでクランクケース内がどんな気圧状態なのかを頭の中で考えてみたものです。
状態は【運転中】です。
20130316_01

ピストンが下降するときはクランクケース内の容積が小さくなる方向に変化し、クランクケース内の空気が圧縮されてブリーザーダクトから排出される方向に動くので圧が上がります。
下死点から上昇に転ずると、今度は容積が大きくなっていきますが、先ほどの下降過程である程度吐き出されて外にガスが出た分、負圧に振れていきます。
上死点から下降工程に入るとまた圧縮がかかって...の繰り返しでクランクケース内の圧力はこんなふうに変化するのかな、と思います。

ではバルブをつけたらどうなるでしょうか。

■バルブ取り付け後のクランクケース内気圧
特にセルを回して始動するとき、エンジン回転数はアイドリングよりも低回転で回っているため、ダクトから排出されるガスは爆発運転(アイドリング)時よりもスムーズに外に排出されるものと思われます。
ちょうど注射器のピストンをゆっくり押すとそんなに抵抗を感じないけれども、強く推すと強い抵抗を感じるのと同じ理屈です。
20130316_02

セルを回す前、クランクケース内は大気圧と等しい状態になっていて、セルモーターのクランキングによってピストンが下降行程に入ると、ブリーザーダクトからガスが排出される方向に気圧が上がります。
ピストンが上昇工程に転ずると、今度はクランクケース内に大気が戻る力が働きます。
しかし、ここで減圧バルブのバルブが閉じるため、ピストン上昇の過程でクランクケース内圧力が大気圧と等しくなった時点以降はクランクケースへの大気の流入が制限されます。
こうしてクランクケース内の気圧は徐々に下降線をたどり、理屈の上では、最終的にピストンの下死点の位置でクランクケース内圧が大気圧と同じになるレベルまでクランクケース内エアボリュームが絞られるということなのでしょう。
これはあくまでブローバイガスを無視した状態での考察なので、実際にはブローバイガスのクランクケース内への流入によって、実際のエア(ガス)ボリュームはもう少し大きいと思われます。

■ブローバイガスのもたらすクランクケース内圧の変化
上記までで減圧バルブが果たす役割は何となくわかったような気がします。
では、実際の走行時のクランクケース内圧はどのようなトレンドなのでしょう。

上記のように、スタート時のセルモーターによるクランキングによって、クランクケース内は負圧に移行していると思われます。
エンジンが点火して爆発が始まると、その瞬間からブローバイガスがクランクケース内に流れ始めます。
基本的にクランキングによって負圧に転じたクランクケース内の気圧は、負圧が維持されるように減圧バルブが働くはずですが、ここにこのブローバイガスが流入することで、少しプラス寄りに振れることが考えられます。
それでも内圧が上がればその分、クランクケース内のガスはブリーザーダクトから排出されるはずなので、恐らく負圧のレベルは若干下がることはあっても、負圧は維持され続けるでしょう。
これは加速や高速走行などの高負荷時でも基本的に同じであると思われ、減圧バルブなしに比べてクランクケース内圧は一定の低い状態に保たれるはずです。
そして、加速 もしくは 高速走行の高負荷状態から減速に転じると、アクセルが戻って、特にFI車の場合は燃料噴射がカットされるでしょうから、シリンダ内の爆発は発生しなくなります。
エンジンの構造上、圧縮行程がなくなることはないので、ブローバイは完全になくなるわけではないでしょうが、爆発圧力がなくなることは、ブローバイガスの劇的な減少につながることは想像できます。したがって、エンジンブレーキがきいているときは、クランクケース内の負圧化が、アクセルOn時よりも促進されると思われます。
これが【エンジンブレーキがマイルドになる】原因の一つと想像できます。
20130316_03

■ブリーザーダクトの口径最適化について
ただし、上記の【■ブローバイガスのもたらすクランクケース内圧の変化】は、その前提として、ブリーザーダクトの口径が、クランクケース内からブローバーガスを外に逃がすスピードが最適化されていることが必須であることが想像できます。
ひとつ確かなのは、ブローバイガスがクランクケース内に流れてくる時間(爆発行程中)に、ブリーザーダクトがクランクケース内に流れてくるブローバイガスの量以上のガスを外に逃がすことができる口径をもっていなければならないだろう、ということです。
ブローバイガスが発生しない状態でピストンが上昇下降をしている場合は、その上昇下降のスパンの中でのクランクケース内のエアボリュームは一定の範囲内に収まっているはずで、これにブローバイガスが流れ込むことによって、エンジンオイルの希釈やエンジン内部が腐食するのを防ぐ目的でクランクケースからブローバイガスを逃がすことが考えられたのがブリーザーダクト設置の動機ですから、そうでなくては目的を達することができませんし、クランクケース内圧は上昇していく一方です。
そう考えると、本来はこのブリーザーダクトから延びるブリーザーパイプの口径を狭めるようなバルブの選択と装着は慎重にしなければならないはずです。
その点、KTMの減圧バルブはネット上を探してみるとR系のエンジンでの装着例があり、劇的とまで行かなくても効果があった実例があるので安心といえそうです(レポートを公開してくださっている方が保証されているのではなく、個人的な判断です)。

■メンテナンスの必要性
この減圧バルブはいろいろな構造があるようですが、概ね弱いスプリングと組み合わされた小さなボールを内蔵していて、圧がかかるとスプリングの力で経路をふさいでいたボールが浮いて圧を逃がす構造のようです。
ブローバイガスのブリーザーパイプの途中に設置するため、当然のことながらオイルミストが浮遊するガスに晒されるので、このバルブ(ボール)も汚れるはずです(オイルミストキャッチタンクの上流に設置しますからなおさら)。
私のように毎日乗っているとオイルミスト付着も顕著でしょうから、マメに掃除したほうがよさそうです。
汚染源のオイルミストは、先日ドレンしたガソリン臭のする粘度の低い液状のものに間違いないでしょうが、水蒸気も混ざっているであろうことを考えあわせると、少なくとも冬に入る前にいちどあけて様子を見て、必要に応じて洗浄すべきでしょう。
固着するとクランクケース内圧が高くなって、エンジンに悪影響が出そうです。

...ということで、16日の土曜日は減圧バルブをKTMのディーラーに発注し、何の脈絡もなくMotorrad Kyotoからきた案内に誘われてNew GSを見に行こうかと思います(^^)v

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やはり実際に取り付けた例があると
安心出来ますね
ボクサーエンジンみたいに容積変化が多いほど効果が有るのでしょうか?
どれくらい違いがあるか楽しみですね

Re: タイトルなし

TREKさん、こんばんは。

> やはり実際に取り付けた例があると
> 安心出来ますね

本当にありがたいことです。
最初にこれを試された方は偉大だと思いますね~
そういう面で見てみると、私はいつも二番煎じの域を脱していません(^^;

> ボクサーエンジンみたいに容積変化が多いほど効果が有るのでしょうか?
> どれくらい違いがあるか楽しみですね

楽しみです(^^)
容積変化といえば、4気筒だと2本が上がっているときは他の2本が下がっているので、容積変化はない、だからあまり意味はない、と考えていいのでしょうか?
そのあたりも興味がありますね~
こういうの考え始めると夜眠れなくなるんですよね(^^;

Kachi//

No title

今回の話とは直接関係無いので恐縮ですが、
私のGXに装着時にオイル漏れが酷くなった事を書きました。
その理由を昨日友人のエンジニアが解説してくださいました。
今回一番上のグラフで書かれているのをそのまま内圧の変化として見ますと、
エンジン内のオイルシールはグラフの触れ幅(プラス)程度の圧力変化に耐えるように設計されています。バルブ装着により触れ幅が下限を超え(グラフ2)シール面が内側に引っ張られる現象が起き、エンジン停止後に正圧に戻るを繰り返し、オイルシール面の移動によりオイル漏れを引き起こすとのこと。
ミクロの世界の話ですが、二度の再現(私の実験)で証明されたと言われました。

さて、BMWですが、各ガスケットやOリングは私のGXとは比較に成らないほどの高性能な設計で十分耐えられるだろうと言うことです。
現に私のGSはオイル漏れが無かったですから、安心ですよ。
装着するバイクの年代も考慮しないと駄目ですね(とほほ)。

KTMのバルブですが、オイルの乳化やオイルの付着は13000kmではほとんど無かったです。気に成るようでしたら季節ごとの掃除で十分かと思います。

Re: No title

ガンバさん、こんばんは。

> 今回の話とは直接関係無いので恐縮ですが、
> 私のGXに装着時にオイル漏れが酷くなった事を書きました。
> その理由を昨日友人のエンジニアが解説してくださいました。
> 今回一番上のグラフで書かれているのをそのまま内圧の変化として見ますと、
> エンジン内のオイルシールはグラフの触れ幅(プラス)程度の圧力変化に耐えるように設計されています。バルブ装着により触れ幅が下限を超え(グラフ2)シール面が内側に引っ張られる現象が起き、エンジン停止後に正圧に戻るを繰り返し、オイルシール面の移動によりオイル漏れを引き起こすとのこと。
> ミクロの世界の話ですが、二度の再現(私の実験)で証明されたと言われました。

ははぁ、なるほど。
負圧がかかっているはずなのに、なんでオイルがにじむんだろうと不思議でしょうがありませんでした。
そういうメカニズムだったのですね~
よく理解できました、情報をありがとうございます。これではまた知識の引き出しがひとつ増えました(^^)
それと、私の書いた不細工なグラフも、まんざらでたらめではなかった、と思っていいんですね(^^)

> さて、BMWですが、各ガスケットやOリングは私のGXとは比較に成らないほどの高性能な設計で十分耐えられるだろうと言うことです。
> 現に私のGSはオイル漏れが無かったですから、安心ですよ。
> 装着するバイクの年代も考慮しないと駄目ですね(とほほ)。

重ねてありがとうございます。
実際に装着されたことのある方からのこういう情報は本当にありがたいです。これで安心して付けられそうです。
GXは残念でしたね。それでもノーマルのほうがガンバさんのお好みに合っているようなので、そんなに気に病まれることはないと思いますが、『とほほ』はやっぱり少し落胆したのでしょうか(^^;
でも、珍しい国産トリプルの車両ですから、永く大事に乗られるといいですよね。

> KTMのバルブですが、オイルの乳化やオイルの付着は13000kmではほとんど無かったです。気に成るようでしたら季節ごとの掃除で十分かと思います。

そうですね。
アイドリングアジャストスクリューの掃除の時にカウルを外しますから、その時に一緒にそうじするようにしようと思います。
そんなに手間が増えることはないでしょう。

いろいろ情報とアドバイス、いつも本当にありがとうございます。
これでエンジンの表情がどんなふうに変わるか、楽しみです(^^)v

Kachi//
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Kachi

Author:Kachi
大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
肩の力を抜いていきましょう。

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