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好きだったカメラ ~ OLYMPUS OM-1 ~

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

先日、カメラの記事を書きました。

私のカメラ好きは中学校1年生のころからですが、それは写真を撮る楽しさもさることながら、機械としてのカメラにたいへんな魅力を感じていたからでもあります。
興味のない方には退屈極まりない記事かもしれませんね、ご容赦ください。

そのカメラ小僧の(だった?)私が、結局買いはしませんでしたが、今でも欲しいと思うカメラ、OLYMPUSのOM-1。中学の同級生が初期ロットを所有していてよく触らせてもらっていました。
20130304_01

このOM-1と、後続の自動露出機OM-2を開発していたころのオリンパス社は本当に元気がよく、そのコンセプトは、一眼レフカメラメーカーとして最後発であるハンディキャップを吹き飛ばそうという気概にあふれたものでした。

私が覚えているこのカメラの特徴は以下の通り。

1. 小型軽量、嵩張らない(コマーシャルのキャッチコピーでした)
2. 音が静か(従来の一眼は撮影時のミラー・シャッター音が大きかった)
3. 宇宙からバクテリアまで(内視鏡・顕微鏡メーカーの強み、他社望遠鏡にも対応)
4. 他社がアクセサリーと呼称するものもあえて【システムの一部】として軽視しない
5. 人間工学に基づいた設計(人間工学という言葉をカタログ上で語ったのはこれが最初?)

といった内容だったと思います。

■小型軽量
確かに小さく軽かった。
他社の一眼レフがボディのみ800グラム、50ミリF1.4クラスのレンズ付きで1,000グラムを優に超える時代に、同じレンズ付きで800グラムを切っていたはずです。
20130304_02

同時に開発されたZUIKOレンズ群もボディに合わせて小型軽量に設計されていて、当時手持ち撮影は不可能とされていた300ミリの望遠レンズも、その軽さから三脚なしで撮影できるといわれていました。
20130304_03

特筆に値するのは、一眼レフでは避けられないペンタプリズムの大きさが極めて小さかったこと。
この小ささを実現するために、通常はプリズムの下に配置されていたコンデンサレンズを、プリズムの下面に大きなRを持たせることによって不要として、プリズム全体の高さを低くするという、既存の発想にとらわれない設計がなされました。
こうした創意工夫はこれだけにとどまらず、このカメラ全体の様々な部位にちりばめられていました。

■音が静か
結婚式や、厳粛な場での一眼レフのシャッター音は、いまでいう『KY』的な存在でしたが、OM-1はこれにも対処していました。
20130304_05

これはOM-1のカットイラストですが、ミラーボックス横に立っている円筒形の部品がダンパーで、これが一眼レフに不可欠なミラーが作動するときに働いて、音とショックを吸収する役割を果たしていました。
小型軽量に設計されたOM-1だけに、クイックリターンミラーの音はともかく、ショックは軽視できない要素だったらしく、さすがに無音にはなりませんでしたが、このダンパーで音とショックが軽減され、ぶれも軽減されました。
ただでさえ小さくスペースがないカメラの中に、このような機能部品を入れるオリンパスの当時の技術陣は、本当にいい仕事をしたと思います。

■宇宙からバクテリアまで
もともとオリンパスは内視鏡や顕微鏡を手掛ける光学メーカーでしたが、それを利して、アダプタをはさむことでそれら内視鏡や、他社の望遠鏡と接続させて撮影することも可能にしていました。
こうした【倍率をあげる】撮影には振動が大敵です。
ミラーの動作ショックを軽減するダンパーがおごられるOM-1でも、こうした高倍率撮影の際は、それでも振動を嫌うため、【ミラーアップ機構】がついていました。
当時の高級一眼レフにしかついていなかった機構であったと思いますが、正面から見てレンズマウント左上部分にあるダイヤルを回すことによって、シャッターボタンの操作に関係なく、ミラーアップができ、その状態でシャッターを切ることでミラーショックを回避できるようになっていました。

■人間工学に基づいた設計
実はここがOM-1の真骨頂だ、と私がいまでも感心するところなのですが、この写真で見ると、OM-1は通常のカメラの操作系と同じようなレイアウトをとっているように見えます。
20130304_04

【シャッタースピードダイヤル】
しかし、通常のカメラがシャッタースピードダイヤルとしているシャッターボタン横のダイヤルはフィルム感度ダイヤルで、シャッタースピードダイヤルはレンズマウント部に設置されています。
このカメラは自動露出ではなく、マニュアル露出機ですが、ファインダー内の露出計の針をある一点に合わせることで適正露出を得られるようになっていました。
基本的に右手でカメラをホールドして、左手でレンズ鏡筒にある絞りを操作して露出を調整するのですが、時に露出調整中にあらかじめセットしていたシャッタースピードも変えたくなることがあります。
その時、従来のカメラはダイヤルがシャッターボタン横にあるために右手を使う必要があり、カメラを持ちかえなければ(右手のホールドを解かなければ)なりませんでしたが、OM-1はそのまま左手で絞りリングと同じ感覚でシャッタースピードを変更することができました。
惜しむらくは、絞りが左に回ると明るく(開く)方向であったのに対して、シャッターは左に回すと暗く(シャッタースピードが速く)なることが気になるくらいでしょうか。

【シャッターボタンの外周リング】
シャッターボタンのまわりに外輪山のようなリング状のカラーが見えます。
この何でもないようなリングが、撮影がテンポよくできるための有効な工夫でした。
シャッターボタンは、押し初めから実際にシャッターが切れるまでにある程度のストロークがありますが、撮影スタンバイ時にシャッターボタンをストロークさせていくと、指の腹がこのカラーにあたったあたりでちょうどいいあんばいにバランスしてとめられる位置があります。この状態からシャッターを押したいと思った時にほんのわずか、指に入力をするだけで、最後の0点何ミリかがストロークしてすとんとシャッターが切れる。この絶妙な操作感がたまらない設計でした。

【巻き戻しクラッチの設置場所】
従来のカメラは、フィルムを使いきったあとに巻き戻しする際、カメラの底についている巻き戻しクラッチボタンを押して巻き上げ機構をフリーにしたのち、巻き戻しクランクを回して巻き戻していました。
このOM-1のウリの一つは、超高級機しか実現していなかった毎秒5コマのモータードライブ撮影が可能である点でしたが、そのモータードライブを装着した状態だと巻き戻しをするたびにカメラ下に装着したドライブユニットを外さないといけなくなります。
そこで、通常はカメラ底面に設定されている巻き戻しクラッチをシャッターボタン下のカメラ前面に移設し、モータードライブユニットを装着したままで巻き戻しができるようにしていました。

ほかにも、被写界深度を確認するための絞込みボタンがレンズ正面から見て左下についていて、絞りを調整しているそのままのホールド状態で、中指もしくは薬指で操作できるとか、使いやすさとかシャッターチャンスを逃さないための工夫など、本当に行き届いた設計でした。

掲載した写真はすべてオリンパス社のホームページから勝手にお借りしてきたものですが、40年以上前、いまのデジタルのメニュー体系などとは全く違う次元で、かくも体の一部のように扱える撮影機械を生み出したオリンパス技術陣・開発陣の技術者魂には頭が下がる思いです。

このOMシリーズの小型軽量化路線は他社一眼レフにも多大な影響を与え、後のNikon FM、PENTAX MXなどもこれに触発されたものだろうと、私は勝手に思っています。

2009年に、このOMシステム全体の開発を統括されていた米谷美久さんがお亡くなりになりました。本当に惜しいことです。
このOM-1の後継の自動露出機であるOM-2も、現代のカメラに採用されるカメラの心臓部である露出制御の基礎を作ったカメラですが、それはまた改めて(^^)

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No title

懐かしや~♪
僕の初の1眼レフがOM-1でした。と言うか、今も持ってます。^^;

Re: No title

蒼海さん、おはようございます。

> 懐かしや~♪
> 僕の初の1眼レフがOM-1でした。と言うか、今も持ってます。^^;

え~、お持ちなんですか、こりゃうらやましい(^^)
OM-1は名機だと思います、大事になさってください。
いまでもちゃんと動きますか?
あのころの100%機械式のカメラって電子制御のカメラと違って、電子部品の劣化で動かなくなるということが少なくていいですね。
電池がなくても撮影できるし。
まあ、いまは何でもコンピュータ制御で、電源がなかったら動かないものばかりで、便利な反面、バッテリが底をついたら手も足も出ないというのは、出先で困っちゃいますね。まあ、デジカメはしゃあないですね。

Kachi//

No title

シャッターを切る時に、動作ショックでぶれたりすることがあったんですね~。

こういうフィルム式のカメラは、撮る楽しさがありそうで面白そうですよ。
そう言えば、フィルムばかりだった時代も随分前になるような気が・・・子供の頃、家の安いカメラでフィルム交換をしていたのを思い出します。
セットするのが何気に楽しかったです。(笑)

No title

kachiさん、こんばんは
オリンパスOM-1知ってますよ~♪
私もほしかったですもの!これは
カタログなめ回していました。。。
その頃から小型軽量、高性能という呪文に踊らされてます( ̄∇ ̄)

Re: No title

るーのぼさん、こんばんは。

> シャッターを切る時に、動作ショックでぶれたりすることがあったんですね~。

倍率の高い撮影の場合はけっこうバカにできなかったようです。
拙宅にあるNikon FEはこのミラーアップ機能がありませんでした。
まあ、私の場合はそんな倍率の高い撮影がなかったので結果的に不要でしたが、機能があるとほしくなるのは人のサガですね(^^;

> こういうフィルム式のカメラは、撮る楽しさがありそうで面白そうですよ。

なんだか金属のボディがずっしりしていてそこが機械の存在感がありました。撮る楽しみも、現像が上がってくるまでどんな仕上がりかわからないあたりがけっこうハラハラドキドキでした。
そのかわり、思い通りの映りだった時はうれしさはいまよりも数倍大きかったですね~

> そう言えば、フィルムばかりだった時代も随分前になるような気が・・・子供の頃、家の安いカメラでフィルム交換をしていたのを思い出します。
> セットするのが何気に楽しかったです。(笑)

フィルムセットは私も好きでした。
高校の時はカメラ小僧で通っていたので、修学旅行の時は女の子がみんな私のところにフィルムのセットをしてくれと言ってきて、けっこううれしかったことを思い出しました。
それももうウン十年前です(^^;

Kachi//

Re: No title

モアさん、こんばんは。

> kachiさん、こんばんは
> オリンパスOM-1知ってますよ~♪
> 私もほしかったですもの!これは

モアさんもほしかったんですね~
このカメラは端正な顔立ちで本当にかっこよかったです。
夢にまで見ましたよ、私も(^^)

> カタログなめ回していました。。。
> その頃から小型軽量、高性能という呪文に踊らされてます( ̄∇ ̄)

私もカタログは5冊くらいいろんなカメラ屋さんでもらってきました。
夜寝るときにベッドで眺めながら寝ていたので、みんなボロボロでした。
そういえば、OLYMPUSに頼んで、【OMシステムの何とか】という小冊子をもらったかかったかした記憶がありますね。それも2冊も。
【小型軽量】はもともと日本のお家芸でしたよね。
いまは携帯オーディオはMacの独壇場みたいですけど(^^;

Kachi//

No title

Kachiさんの真骨頂ですね
こういうお話は大好きですw
昔は各メーカーのカメラのCMをよく見た覚えが有りますね
中学の頃は一眼レフを持っているのはクラスで一人ぐらいじゃなかったかな~
カタログ集めは友達に付き合わされて良くやってましたね~w
その当時は私も写真よりやはりメカとして興味がありました

私が写真に興味を持ったのは成人してからなので
OM-1は「小さくて軽い」くらいの認識が無いですが
こんなに凝った造りだったんですね

Re: No title

TREKさん、こんばんは。

> Kachiさんの真骨頂ですね
> こういうお話は大好きですw

ありがとうございます。
こういう話にお付き合いくださる方がいてくださってうれしいです(^^)
私は小さいころから機械好きで、こんな感じでいろんな機械の構造を調べたり理解したりするのが好きでした(^^;

> 昔は各メーカーのカメラのCMをよく見た覚えが有りますね

1970年前後から80年前の10年前後がカメラ、一眼レフの黄金期でしたね。
あのころはオリンパス、ニコン、キヤノン、ミノルタ、コニカ、ヤシカなどなど、カメラメーカーはみんなコマーシャルしていましたね。
最近はカメラの最大のライバルは携帯電話だそうで、時代も変わったものです(^^;

> 中学の頃は一眼レフを持っているのはクラスで一人ぐらいじゃなかったかな~

私の友人は、なぜか親父さんがカメラ好きが多くて、中学生の分際でお高い一眼を首からぶら下げているのがけっこういましたね~
うらやましかったですよ。
私の家にもNikon S2というレンジファインダーの名機があって、それで写真を覚えましたが、標準レンズのみで交換レンズがなく、望遠なんかの長~いレンズ付けるのが憧れでした。

> カタログ集めは友達に付き合わされて良くやってましたね~w
> その当時は私も写真よりやはりメカとして興味がありました

カタログは私も集めましたよ、粘着質な小僧でした(^^)
いま思うと、あんなカメラ屋さんでタダで置いてあったものも、今日ではオークションでけっこう高値で売れるようですね。おいときゃよかった(^^;
私もTREKさんと同じように、機械としての興味も強かったです。

> 私が写真に興味を持ったのは成人してからなので
> OM-1は「小さくて軽い」くらいの認識が無いですが
> こんなに凝った造りだったんですね

私は、これが出る前だったと思いますが、ASAHI PENTAXのSP-fという、当時としてはNikonやCanonよりも軽かったカメラがほしかったのですが、このOM-1の登場は衝撃的でした。
新聞記者のような人たちはあまり好まなかったようですが、登山家の中には好んで使う方が多かったようです。
私の中で【名機】の筆頭です(^^)

Kachi//
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Author:Kachi
大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
肩の力を抜いていきましょう。

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