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Nikon S2というカメラ

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

このカメラ、Nikon S2というカメラです。
20120320_01

以下、Wikipediaによると、発売は1954年12月で、総生産台数は56715台。
驚いたのは、フィルム巻き戻しに巻き戻しクランクを初採用したのがこのカメラだったそうです。

このカメラは親父が独身の頃に購入したもので、交換レンズは買っていなかったようで、この標準レンズしか手元にはありません。
20120320_02

50mmのF2.0の明るさ。
いまのレンズのように文字は単なるプリントではなく、刻印された中にインクを乗せるというのはこのころは当たり前の造形でした。

このレンズに親父が付けていたレンズ保護用のSkylightフィルタはなんと東芝製。
20120320_03

東芝がフィルタを作っていたなんて、今頃驚いています。

レンズマウント部。
20120320_04

レンズマウントは標準用と望遠系用と思われる二つのバヨネットを備え、標準レンズのマウントはボディ側にピント調節用のヘリコイドがあり、ピント調節を司ります。
ヘリコイドの外側に絞り値が並んでいますが、これは各絞りにおける被写界深度を示します。
例えば、この【無限遠】に合わせた状態で絞りをF4.0に合わせると無限遠から50メートルくらいまで、F16に合わせると無限遠から15メートルくらいまでピントが合う、とわかります。
ちょっとピンぼけのところに赤い字で【R】と刻印されていますが、これは赤外線フィルムを使用するときに、一旦ファインダでピント合わせした後、読み取った距離ダイヤルをこのRに合わせることでピントが合うというもの。
赤外線は可視光線と屈折率が違うための配慮ですが、赤外線フィルムなんて使ったことありませんでした。

この歯車のようなものは先の標準レンズ用ヘリコイドを回すためのギアです。向かって右に見える金属片は、無限遠でロックがかかるヘリコイドのロックを解除するためのもの。
20120320_05

この機構はどうもピントの微調整のためについているようです。

シャッターボタン、巻き上げレバー、フィルムコマ表示板です。
20120320_06

近代のフィルムカメラは裏蓋を開ければ自動的にゼロに戻りましたが、このころはユーザー自らゼロに手動で戻さなければなりませんでした。
シャッターボタンの回りにあるリングは、巻き戻しをするときに右に回して黒丸をボディに刻印されている【R】に合わせて巻き上げギアを解除するためのものです。

シャッターダイアル。
20120320_07

高速側と低速側の二つのダイヤルで構成されていて、1000分の1秒から30分の1秒までは上のダイヤルで、15分の1秒から1秒までは、高速側ダイヤルを【30-1】に合わせた後、下側のダイヤルで希望の低速度を選択するという2アクションが必要でした。
ストロボシンクロは確か60分の1秒以下だったと思います。

アクセサリシューです。
20120320_08

近代の、ストロボをセットすればそれで準備完了といった便利なホットシューではなく、ここにストロボ(フラッシュ)をセットした後、下のシンクロターミナルにシンクロプラグを差し込まないとシャッターを切っても光ってくれません。
これがそのシンクロターミナル。
20120320_09

巻き戻しクランクとシンクロセレクタです。
20120320_10

巻き戻しクランクは先にWikipediaからの引用で書いたように、世界初の採用だったようです。これは知りませんでした。
シンクロセレクタは、説明書(今はマニュアルといいますね^^)を読んで理解ができなかったので、どんな役割をするのかわかっていません。いま読んだらわかるかな?

レンズのバヨネットロック解除レバーです。
20120320_11

レバーをボディ側に押したのち、時計回しに回すと、ボディ側の赤い丸のところでボディから外れます。

レンズをはずして灯りにすかしてみると、カビや曇りは皆無で、大方60年近く前のレンズとしては非常に状態が良いといっていいと思います。
描写は極めてシャープで、これぞニコンの解像度といったカリカリにシャープなものです。
20120320_12

裏ぶたをはずすにはこの蝶々レバーを時計と反対回しに回します。
20120320_13

すると、蝶番がなく、ふたがそっくり外れてフィルムスペースが姿を現します。
20120320_14

いまはデジカメで裏蓋は外れないため、久しぶりに見るととっても新鮮です。

フィルムを光から守るシャッターは布です。
20120320_15

当時のカメラはほとんどこの布製のシャッター幕を使用していたため、説明書には、明るいレンズを装着している時は決してレンズを太陽に向けないこと、という注意書きがありました。

カメラのホールドは、このように人差し指をシャッタボタンの上に置くと、自然に中指がピント調節用のギアにかかるようになっています。
20120320_16

このカメラ、露出計などついていない100%機械式のカメラで、30分の1秒より長いシャッタースピードを切るときは『じ~』というギア音が聞こえます。これも今の電子式シャッターでは聞こえないメカメカしさ。

驚いたことに、このカメラ、いまでも完全に動いてくれます。
ずしりとした金属の冷たい感触は、いまの樹脂でできた軽いカメラにはない圧倒的な存在感があって、手に取るたびにい~な~と頬が緩みます。

この写真で露出を覚え、写真の楽しさを覚えました。
記念すべき私の写真の先生でした。

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No title

すごくコンディションが良いですね、60年前の品とは思えません
お父様から受け継がれて、大切に扱われていたのが良く分かります

実は家にも親父のアサヒフレックスという古い一眼カメラがあるんですが
中学の時に私が見つけたときはシャッターがちゃんと動きませんでした
当時はカメラに興味が無かったのでそのままにしていて
レンズもカビが生えてしまいました

この頃の製品は質感が良いですね、日本人の仕事の細やかさが出てますね




Re: No title

TREKさん、こんばんは。

> すごくコンディションが良いですね、60年前の品とは思えません
> お父様から受け継がれて、大切に扱われていたのが良く分かります

まだ中学の時に写真をやりたいって言ったら、じゃあこれ使え、って渡してくれたんです。
いまにしてみれば、よくもまあ中学の小僧にこんなものを渡してくれたなと思いますが、私がまだ3歳か4歳のころにさして重くもないこのカメラを持ってフラフラになって歩いていたことを思い出だして、すごく大事に思えたのを覚えています。

> 実は家にも親父のアサヒフレックスという古い一眼カメラがあるんですが
> 中学の時に私が見つけたときはシャッターがちゃんと動きませんでした
> 当時はカメラに興味が無かったのでそのままにしていて
> レンズもカビが生えてしまいました

アサヒフレックスとはすごいですね。
私が実機を触った最も古いアサヒペンタックスはSPでしたが、アサヒフレックスはその原型だったと思います。
そのアサヒペンタックスも社名を旭光学からペンタックスと変えて、いまはHOYAの傘下ですね。
日本の明記を多く作った名門ですね。

> この頃の製品は質感が良いですね、日本人の仕事の細やかさが出てますね

まさに日本の職人技の結晶といえそうです。
もちろん、大量生産品で手作りではないはずですが、あの低速のギアが動くじ~という音が、現代のカメラにはない生き物のような感じがするんですよ。
このあとに世に出るNikon Fなどが世界の報道カメラマンに選ばれるのがわかる、本当の意味の精密機械、って気がします。
こんなカメラ、もうでないでしょうね~

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Author:Kachi
大好きなバイクや、最近気になる健康について書いていこうと思います。
肩の力を抜いていきましょう。

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