Micro NIKKOR 55mm F2.8と 85mm F2.0テストショット
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
も少しだけOld NIKKORレンズの記事を続けます。
kub1951さんからカメラとレンズが届いたその日、辛抱できずに撮った写真が2枚。
Micro NIKKOR 55mm F2.8といえば、数あるNIKKORレンズの中でも特に銘玉中の銘玉とも称される素晴らしいレンズです。
このレンズがリリースされたのは1981年。
私もこのレンズの存在はリリース当初から知っておりまして、当時はあまりマクロ撮影には強い関心がなかったことから、名レンズだ、驚異的な解像力を持っているという知識くらいはあったのですが、実際に買おうという思いにまでは至っていませんでした。
しかし、会社の写真部に入部いたしまして、たまたま身近にマクロ撮影が好きな同僚ができたことで、にわかにマクロ撮影に興味が湧き出しまして、いつかはマクロレンズを手に入れたいなぁと思っていた矢先にこのレンズが手元にやってきて、そりゃもう狂喜乱舞したものです。
で、二重に驚いたのが、このレンズのことを調べてみようと思ってネットを検索したところ、なんとこのレンズ、つい2年くらいまで、AF化されもせずにずっと製造・販売が続けられていたらしいということ。
もうカメラがデジタル化されてから20年以上も経過している現在まで変わらず製造されてきたこのレンズ、ただその事実だけでもこのレンズの優秀さが察せられるというもの。
これはたいへんなものをいただいた。
手元にはAi対応の中間リングもあるので、これを組み合わせたらもしかすると等倍くらいの接写もできるんじゃないかと(^^)
そんな興奮もあり、到着してまっさきにD750に装着して試写してみたのがこのレンズでした。
AiなのでD750の露出モードは『A』=絞り優先自動露出(通常も私はこのモードを多用します)。
開放のF2.8で接写です。
『H』のキーにピントを合わせていますが、開放から実にシャープ。
ピントが外れた前景・背景のボケも美しく、単焦点ならではの安定した画質が光ります。

次に一段絞ってF4で撮影。
このショットは『J』にピントを合わせましたが、これも安心して観ていられる解像度。キートップの摩滅具合もよく表現されていますね。

ただ、ここで撮影直後の確認画像でカメラのモニタに映った画の異変に気がついたのです。
露出が明らかに一枚目に比べてオーバーになっています。
自動露出なのになぜ?
撮影データを見てみると、一枚目のF2.8で1/60秒、このショットがF4で1/30秒で、露出としては同じ露出量になっているはずなのに、なぜこんなに明るく写る?
考えられる原因は、設定している絞りまで絞り込まれていないかシャッタースピードが設定よりも遅いかのいずれかしか考えられないということで、最終的に絞りが絞られていないことに気が付きました。
つまり、露出計連動ガイドとレバーによってカメラボディにはレンズが1段絞られている情報が伝わっているため、カメラボディはシャッタースピードを一段分遅くして適正露出を得ようとしたのに、実際には撮影時に絞られずに露出オーバーになってしまった、というからくりです。
こういうトラブルがあっても、もう50年近くも前にOLYMPUSが開発・販売したOM-2のTTLダイレクト測光だったら適正露出が得られていたのにな、と、OLYMPUS OM-2の素晴らしさを再認識したのは余談です。
もうこのMicro NIKKOR 55mm F2.8は修理に出すことを決心しています。
それだけの値打ちのあるレンズだし、マクロの入門レンズとしても最適、もしかすると私のNikon FEの標準レンズとして付いているNIKKOR 50mm F1.4Sよりも、明るさはMicroのほうが2段暗いけど描写自体は断然上だと思います。
さて、この55mmと、前回記事の200mmの他、もう一つ嬉しかったレンズがNIKKOR 85mm F2.0。
ポートレート撮影に最適な明るい中望遠レンズで、そのシャープさと、アウトフォーカスのボケの美しさに定評があるレンズです。
これをつけて朝の散歩に出かけてみました。
1/1600秒 F2.8(1段絞り込み)
ピントは手前の花に合わせてあります。
ズームだと二線ボケになりそうな背景の光るボケもキレイに柔らかいボケとして表現されています。
これが逆光の女性を美しく引き立たせる名レンズたる所以です。
奥さんをこれでキレイに撮ってあげることができたら私の株も上がるだろな(笑)

こっちは開放です。
1/2500秒 F2(開放)
ピントは左側の花に合わせてあります。
背景のボケ、うるさくないですよね。
特に右側の花のピント範囲から外れた部分の様子から被写界深度がかなり浅いことが伺えます。

中距離撮影。
ピントは木の手前の腹筋用のベンチに合わせてあります。
1/1600秒 F2.8(一段絞り込み)
この日の日中はけっこう暑くなりましたが、朝のこの時間(07:00過ぎ)はまだ涼しく、爽やかな朝の空気感が切り取れていると思います。
この距離だとカリカリにシャープという印象ではありませんが、レンズの使用目的、性格を考えるとこれくらいがぴったりなのかもと思います。

1/640秒 F4(二段絞り込み)
やっぱりこのレンズの持ち味は絞りがどの値にあっても柔らかい背景のボケにあると思います。
こういうシチュエーションでは、特に高倍率のズームレンズでは背景のボケがうるさく、時に汚いとさえ思えてしまうくらい硬いボケ味なのですが、やはりこのレンズは違う。

遠景です。
1/4000秒 F4(二段絞り込み)
水の高輝度と低輝度の境目に若干のパープルフリンジが観られますが、私が持っている75-300mmのズームに比べればはるかに軽微、気にするほどのものではないでしょう。
度化すると、Canon Powershot G7X Mark2でもこれくらいのパープルフリンジが観測できることがあるので、1980年代の設計と思われるこのレンズでこの程度のパープルフリンジであるなら御の字です。

こちらも遠景。
1/400秒 F8(四段絞り込み)
朝の空気が割りとすっきり湿気が少なかったこともあるかもしれませんが、ヌケの良いスッキリした遠景が撮れました。
印象としてはやはり少し柔らかめの描写という印象です。
やはりこのレンズは風景よりも人物撮影に向いているのかもなという感じです。

最後は開放での中距離。
1/1000秒 F2(開放)
マンホールの手前側、濡れているところと乾いているところの境目付近にピントをおいています。
上の方のボケに若干の二線ボケが観られますが、アウトフォーカス部は全体的に柔らかい。
この距離だと描写もけっこうシャープなので、やっぱり近〜中距離くらいまでが得意な守備範囲なのかもしれませんね。

ということで、今回もいただいたNIKKORレンズのご紹介でした。
Micro NIKKOR 55mm F2.8が修理完了したら、そちらも描写をテストしたいなと思います。
どれくらいの人が読んでくださるんだろう、でもこういうのは自己満足ですものね、構わずに書きますよん(^^)

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も少しだけOld NIKKORレンズの記事を続けます。
kub1951さんからカメラとレンズが届いたその日、辛抱できずに撮った写真が2枚。
Micro NIKKOR 55mm F2.8といえば、数あるNIKKORレンズの中でも特に銘玉中の銘玉とも称される素晴らしいレンズです。
このレンズがリリースされたのは1981年。
私もこのレンズの存在はリリース当初から知っておりまして、当時はあまりマクロ撮影には強い関心がなかったことから、名レンズだ、驚異的な解像力を持っているという知識くらいはあったのですが、実際に買おうという思いにまでは至っていませんでした。
しかし、会社の写真部に入部いたしまして、たまたま身近にマクロ撮影が好きな同僚ができたことで、にわかにマクロ撮影に興味が湧き出しまして、いつかはマクロレンズを手に入れたいなぁと思っていた矢先にこのレンズが手元にやってきて、そりゃもう狂喜乱舞したものです。
で、二重に驚いたのが、このレンズのことを調べてみようと思ってネットを検索したところ、なんとこのレンズ、つい2年くらいまで、AF化されもせずにずっと製造・販売が続けられていたらしいということ。
もうカメラがデジタル化されてから20年以上も経過している現在まで変わらず製造されてきたこのレンズ、ただその事実だけでもこのレンズの優秀さが察せられるというもの。
これはたいへんなものをいただいた。
手元にはAi対応の中間リングもあるので、これを組み合わせたらもしかすると等倍くらいの接写もできるんじゃないかと(^^)
そんな興奮もあり、到着してまっさきにD750に装着して試写してみたのがこのレンズでした。
AiなのでD750の露出モードは『A』=絞り優先自動露出(通常も私はこのモードを多用します)。
開放のF2.8で接写です。
『H』のキーにピントを合わせていますが、開放から実にシャープ。
ピントが外れた前景・背景のボケも美しく、単焦点ならではの安定した画質が光ります。

次に一段絞ってF4で撮影。
このショットは『J』にピントを合わせましたが、これも安心して観ていられる解像度。キートップの摩滅具合もよく表現されていますね。

ただ、ここで撮影直後の確認画像でカメラのモニタに映った画の異変に気がついたのです。
露出が明らかに一枚目に比べてオーバーになっています。
自動露出なのになぜ?
撮影データを見てみると、一枚目のF2.8で1/60秒、このショットがF4で1/30秒で、露出としては同じ露出量になっているはずなのに、なぜこんなに明るく写る?
考えられる原因は、設定している絞りまで絞り込まれていないかシャッタースピードが設定よりも遅いかのいずれかしか考えられないということで、最終的に絞りが絞られていないことに気が付きました。
つまり、露出計連動ガイドとレバーによってカメラボディにはレンズが1段絞られている情報が伝わっているため、カメラボディはシャッタースピードを一段分遅くして適正露出を得ようとしたのに、実際には撮影時に絞られずに露出オーバーになってしまった、というからくりです。
こういうトラブルがあっても、もう50年近くも前にOLYMPUSが開発・販売したOM-2のTTLダイレクト測光だったら適正露出が得られていたのにな、と、OLYMPUS OM-2の素晴らしさを再認識したのは余談です。
もうこのMicro NIKKOR 55mm F2.8は修理に出すことを決心しています。
それだけの値打ちのあるレンズだし、マクロの入門レンズとしても最適、もしかすると私のNikon FEの標準レンズとして付いているNIKKOR 50mm F1.4Sよりも、明るさはMicroのほうが2段暗いけど描写自体は断然上だと思います。
さて、この55mmと、前回記事の200mmの他、もう一つ嬉しかったレンズがNIKKOR 85mm F2.0。
ポートレート撮影に最適な明るい中望遠レンズで、そのシャープさと、アウトフォーカスのボケの美しさに定評があるレンズです。
これをつけて朝の散歩に出かけてみました。
1/1600秒 F2.8(1段絞り込み)
ピントは手前の花に合わせてあります。
ズームだと二線ボケになりそうな背景の光るボケもキレイに柔らかいボケとして表現されています。
これが逆光の女性を美しく引き立たせる名レンズたる所以です。
奥さんをこれでキレイに撮ってあげることができたら私の株も上がるだろな(笑)

こっちは開放です。
1/2500秒 F2(開放)
ピントは左側の花に合わせてあります。
背景のボケ、うるさくないですよね。
特に右側の花のピント範囲から外れた部分の様子から被写界深度がかなり浅いことが伺えます。

中距離撮影。
ピントは木の手前の腹筋用のベンチに合わせてあります。
1/1600秒 F2.8(一段絞り込み)
この日の日中はけっこう暑くなりましたが、朝のこの時間(07:00過ぎ)はまだ涼しく、爽やかな朝の空気感が切り取れていると思います。
この距離だとカリカリにシャープという印象ではありませんが、レンズの使用目的、性格を考えるとこれくらいがぴったりなのかもと思います。

1/640秒 F4(二段絞り込み)
やっぱりこのレンズの持ち味は絞りがどの値にあっても柔らかい背景のボケにあると思います。
こういうシチュエーションでは、特に高倍率のズームレンズでは背景のボケがうるさく、時に汚いとさえ思えてしまうくらい硬いボケ味なのですが、やはりこのレンズは違う。

遠景です。
1/4000秒 F4(二段絞り込み)
水の高輝度と低輝度の境目に若干のパープルフリンジが観られますが、私が持っている75-300mmのズームに比べればはるかに軽微、気にするほどのものではないでしょう。
度化すると、Canon Powershot G7X Mark2でもこれくらいのパープルフリンジが観測できることがあるので、1980年代の設計と思われるこのレンズでこの程度のパープルフリンジであるなら御の字です。

こちらも遠景。
1/400秒 F8(四段絞り込み)
朝の空気が割りとすっきり湿気が少なかったこともあるかもしれませんが、ヌケの良いスッキリした遠景が撮れました。
印象としてはやはり少し柔らかめの描写という印象です。
やはりこのレンズは風景よりも人物撮影に向いているのかもなという感じです。

最後は開放での中距離。
1/1000秒 F2(開放)
マンホールの手前側、濡れているところと乾いているところの境目付近にピントをおいています。
上の方のボケに若干の二線ボケが観られますが、アウトフォーカス部は全体的に柔らかい。
この距離だと描写もけっこうシャープなので、やっぱり近〜中距離くらいまでが得意な守備範囲なのかもしれませんね。

ということで、今回もいただいたNIKKORレンズのご紹介でした。
Micro NIKKOR 55mm F2.8が修理完了したら、そちらも描写をテストしたいなと思います。
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