【考察】Booster Plug Kitってどんなふうに機能しているんだろう?
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
皆さんよくご存知のように、我らがRのエンジンは4サイクルで、
・吸気
・圧縮
・爆発
・排気
の4つの行程を経て回っています。
通常は一つの燃焼室でこの行程が繰り返されるので、考え方は単純ですが、今回、取り付けたBooster Plug Kitは、点火のときにスパークを飛ばすスパークプラグを、デフォルトでエンジンに付いているスパークプラグのねじ込む頭と同じくらいの容積のカバーの中に入れ、そのカバーにあいた穴から内部のスパークで点火された炎を噴き出させて燃焼室内の高速燃焼を促そうという発想のものです。
しかし、果たしてこのカバーの中に混合気が正常に取り込まれ、燃焼後のガスはちゃんと外に吐き出されて新しい混合気が充填されるものなのでしょうか?
このブースターキットを使う上で、この点はすごく気になるところです。

実際に走ってみると、これらがちゃんとなされているからエンジンは正常に回るのですが、冒頭のそれぞれの工程の中で、混合気・燃焼後のガスがどのように振る舞っているのかを考えてみました。
素人考えなので、たぶん、専門家の方がご覧になったら『そりゃ違うと思うぞ』ということがいくつもあると思います。
もしそうした事がありましたらお知らせいただけるとうれしいです。
※しつこいですが、HONDAのCVCCエンジンになぞらえて、プラグが収められているブースター(ケース)を『副燃焼室』ということにします。
■始動時
始動時は数回のクランキングの際に新しい混合気が吸われては吐き出され、ということが数回のクランキングの間に繰り返されるので、数サイクルの中で副燃焼室の中には新しい混合気が充填されるものと思われます。
だから、通常よりも少ないクランキングで火が入ったのでしょう。
■始動後・吸気行程
吸気行程では吸気バルブが開いた状態でピストンが下がって混合気を吸入するため、副燃焼室内に残っている燃焼済みガスはほとんど滞留しているのではないかと思います。
副燃焼室は排ガスを吸い出そうとしても替わりに新たなエアなどが入ってくるルートがないため、副燃焼室の穴から燃焼済みガスが吸い出されるよりも、シリンダ側の開いたバルブから混合気が吸気されやすいためです。
■圧縮行程~爆発(燃焼)行程
吸排気バルブの両方が閉じ、この状態でピストンが下死点から上死点に向かって動いて燃焼室内の混合気を圧縮していきます。
このとき、圧縮の圧力は副燃焼室にあけられている穴にもかかるので、副燃焼室にも新しい混合気が圧縮されて充填されます。
しかし、中には前回の爆発行程で発生した燃焼済みのガスが残っているはずで、この燃焼済みガスが新しい混合気と一緒に圧縮されるような気がします。
この行程のここからあとがあまり自信がないところなのです。
ブースターキットの副燃焼室には複数の穴があけられていますが、すべて同じ大きさの穴ではなく、小さい穴と大きな穴が併設されていました。ここに混合気充填の秘密があるのではないかと。
例えば、同じ容器の中に空気を注入するとき、太い注射器よりも細い注射器のほうが楽に空気を圧縮できます。
これはピストンの圧縮面の面積が小さくなることによって、圧縮対象の空気の反発する力が小さい面積に対してかかるため、太いピストンよりも小さな力で空気を圧縮できるためです。
もちろん、ストロークは同じなので、楽に圧縮できても圧縮できる空気の量は少ないため、圧縮比は小さくなります。
ひょっとすると、副燃焼室にあけられている穴の大きさの違いから、圧縮行程のときには小さな穴のほうが楽に混合気が充填できるため、小さい穴から新しい混合気が充填され、太い方からは副燃焼室内の混合気、つまりは燃焼済みガスが排出されるんじゃないか?
もしそうだとすると、ここで新しい混合気が副燃焼室内に充填されるため、スパークが飛んだときに正常に着火しそうな気がします。
いやいや、穴のサイズが大きい方は、その穴全体に対してピストンが圧縮している圧力がかかるから、小さい方の穴から圧縮される混合気によって押し出されようとする燃焼済みガスをそれ以上の力で圧縮するから、結局バランスが取れて、大小両方の穴から副燃焼室内に混合気が充填されるのかな?
もしそうなら、副燃焼室内には燃焼済みガスと新しい混合気が混在することになって、点火された爆発の質としてはあんまりいいものじゃない気がする。
ただ、その小さな爆発が副燃焼室にあけられた穴からシリンダ内に噴き出して混合気を燃やし始めるとき、スパークプラグのような『一点』での着火ではなく、副燃焼室にあけられている複数の穴の異なる場所で燃焼が始まるから、爆発による炎の伝播が速く、強い爆発力が発揮されてパワー・トルクがアップする、ということなのでしょうか?
ポイントは、点火時の初爆の品質が、副燃焼室内に充填される混合気がどのくらいの品質(つまりは燃焼済みガスがどれだけ除去されているか)に影響されるような気がします。
■排気行程
爆発が終わると、排気バルブが開いてピストンが再び上昇し、燃焼室内の燃焼済みガスを排出します。
しかしこのとき、副燃焼室は殆どピストンの動きによる圧力を受けないため、副燃焼室内の燃焼済みガスは副燃焼室内のとどまったままになっているものと思われます。
以下、吸気~圧縮~圧縮~燃焼の繰り返しです。

1970年代に開発されたHONDAのCVCCの場合は、副燃焼室の中にも吸気バルブが設置されていて、吸気行程にこのバルブが開いて少しリッチな混合気が副燃焼室内に流れ込むようになっていました。
副燃焼室のシリンダ側には燃焼したときの火炎が主燃焼室(シリンダ)に出ていく穴が開けられているので、主燃焼室に混合気が吸気されると、それに引っ張られる形で前回燃焼時に生じた副燃焼室内の燃焼済みガスがシリンダの方に掃気されます。
主燃焼室の容積に対して副燃焼室の容積は遥かに小さいため、新しい混合気に混ざる燃焼済みガスの容積は、たぶん無視できるくらいの大きさなので運転時のエンジンの回転に影響することはなかったものと思われます。
一方、Booster Plug Kitの方は上の方で書いたように、どうも燃焼済みガスが副燃焼室内に残った状態で、主燃焼室から圧縮によって新しい混合気が充填されるため、CVCCに比べると服燃焼室内の混合気の『純度』は相当に低いと思われます。
これが、副燃焼室の穴から主燃焼室に噴き出す炎の勢いに影響を及ぼし、結果として特にアイドリング時の回転の不安定さにつながっているような気がします。
さて、素人の考察、事の真相はどうなんでしょうねぇ。


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皆さんよくご存知のように、我らがRのエンジンは4サイクルで、
・吸気
・圧縮
・爆発
・排気
の4つの行程を経て回っています。
通常は一つの燃焼室でこの行程が繰り返されるので、考え方は単純ですが、今回、取り付けたBooster Plug Kitは、点火のときにスパークを飛ばすスパークプラグを、デフォルトでエンジンに付いているスパークプラグのねじ込む頭と同じくらいの容積のカバーの中に入れ、そのカバーにあいた穴から内部のスパークで点火された炎を噴き出させて燃焼室内の高速燃焼を促そうという発想のものです。
しかし、果たしてこのカバーの中に混合気が正常に取り込まれ、燃焼後のガスはちゃんと外に吐き出されて新しい混合気が充填されるものなのでしょうか?
このブースターキットを使う上で、この点はすごく気になるところです。

実際に走ってみると、これらがちゃんとなされているからエンジンは正常に回るのですが、冒頭のそれぞれの工程の中で、混合気・燃焼後のガスがどのように振る舞っているのかを考えてみました。
素人考えなので、たぶん、専門家の方がご覧になったら『そりゃ違うと思うぞ』ということがいくつもあると思います。
もしそうした事がありましたらお知らせいただけるとうれしいです。
※しつこいですが、HONDAのCVCCエンジンになぞらえて、プラグが収められているブースター(ケース)を『副燃焼室』ということにします。
■始動時
始動時は数回のクランキングの際に新しい混合気が吸われては吐き出され、ということが数回のクランキングの間に繰り返されるので、数サイクルの中で副燃焼室の中には新しい混合気が充填されるものと思われます。
だから、通常よりも少ないクランキングで火が入ったのでしょう。
■始動後・吸気行程
吸気行程では吸気バルブが開いた状態でピストンが下がって混合気を吸入するため、副燃焼室内に残っている燃焼済みガスはほとんど滞留しているのではないかと思います。
副燃焼室は排ガスを吸い出そうとしても替わりに新たなエアなどが入ってくるルートがないため、副燃焼室の穴から燃焼済みガスが吸い出されるよりも、シリンダ側の開いたバルブから混合気が吸気されやすいためです。
■圧縮行程~爆発(燃焼)行程
吸排気バルブの両方が閉じ、この状態でピストンが下死点から上死点に向かって動いて燃焼室内の混合気を圧縮していきます。
このとき、圧縮の圧力は副燃焼室にあけられている穴にもかかるので、副燃焼室にも新しい混合気が圧縮されて充填されます。
しかし、中には前回の爆発行程で発生した燃焼済みのガスが残っているはずで、この燃焼済みガスが新しい混合気と一緒に圧縮されるような気がします。
この行程のここからあとがあまり自信がないところなのです。
ブースターキットの副燃焼室には複数の穴があけられていますが、すべて同じ大きさの穴ではなく、小さい穴と大きな穴が併設されていました。ここに混合気充填の秘密があるのではないかと。
例えば、同じ容器の中に空気を注入するとき、太い注射器よりも細い注射器のほうが楽に空気を圧縮できます。
これはピストンの圧縮面の面積が小さくなることによって、圧縮対象の空気の反発する力が小さい面積に対してかかるため、太いピストンよりも小さな力で空気を圧縮できるためです。
もちろん、ストロークは同じなので、楽に圧縮できても圧縮できる空気の量は少ないため、圧縮比は小さくなります。
ひょっとすると、副燃焼室にあけられている穴の大きさの違いから、圧縮行程のときには小さな穴のほうが楽に混合気が充填できるため、小さい穴から新しい混合気が充填され、太い方からは副燃焼室内の混合気、つまりは燃焼済みガスが排出されるんじゃないか?
もしそうだとすると、ここで新しい混合気が副燃焼室内に充填されるため、スパークが飛んだときに正常に着火しそうな気がします。
いやいや、穴のサイズが大きい方は、その穴全体に対してピストンが圧縮している圧力がかかるから、小さい方の穴から圧縮される混合気によって押し出されようとする燃焼済みガスをそれ以上の力で圧縮するから、結局バランスが取れて、大小両方の穴から副燃焼室内に混合気が充填されるのかな?
もしそうなら、副燃焼室内には燃焼済みガスと新しい混合気が混在することになって、点火された爆発の質としてはあんまりいいものじゃない気がする。
ただ、その小さな爆発が副燃焼室にあけられた穴からシリンダ内に噴き出して混合気を燃やし始めるとき、スパークプラグのような『一点』での着火ではなく、副燃焼室にあけられている複数の穴の異なる場所で燃焼が始まるから、爆発による炎の伝播が速く、強い爆発力が発揮されてパワー・トルクがアップする、ということなのでしょうか?
ポイントは、点火時の初爆の品質が、副燃焼室内に充填される混合気がどのくらいの品質(つまりは燃焼済みガスがどれだけ除去されているか)に影響されるような気がします。
■排気行程
爆発が終わると、排気バルブが開いてピストンが再び上昇し、燃焼室内の燃焼済みガスを排出します。
しかしこのとき、副燃焼室は殆どピストンの動きによる圧力を受けないため、副燃焼室内の燃焼済みガスは副燃焼室内のとどまったままになっているものと思われます。
以下、吸気~圧縮~圧縮~燃焼の繰り返しです。

1970年代に開発されたHONDAのCVCCの場合は、副燃焼室の中にも吸気バルブが設置されていて、吸気行程にこのバルブが開いて少しリッチな混合気が副燃焼室内に流れ込むようになっていました。
副燃焼室のシリンダ側には燃焼したときの火炎が主燃焼室(シリンダ)に出ていく穴が開けられているので、主燃焼室に混合気が吸気されると、それに引っ張られる形で前回燃焼時に生じた副燃焼室内の燃焼済みガスがシリンダの方に掃気されます。
主燃焼室の容積に対して副燃焼室の容積は遥かに小さいため、新しい混合気に混ざる燃焼済みガスの容積は、たぶん無視できるくらいの大きさなので運転時のエンジンの回転に影響することはなかったものと思われます。
一方、Booster Plug Kitの方は上の方で書いたように、どうも燃焼済みガスが副燃焼室内に残った状態で、主燃焼室から圧縮によって新しい混合気が充填されるため、CVCCに比べると服燃焼室内の混合気の『純度』は相当に低いと思われます。
これが、副燃焼室の穴から主燃焼室に噴き出す炎の勢いに影響を及ぼし、結果として特にアイドリング時の回転の不安定さにつながっているような気がします。
さて、素人の考察、事の真相はどうなんでしょうねぇ。


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