ダイレクトイグニッションの破損
昨年の秋口からだったでしょうか。低速トルクが明らかに細くなってきたことがありました。
RTの場合、寒い冬は当然として、暑い夏でもその日最初のエンジン始動時はチョークレバーを引いてセルを回します。
このチョークレバーは、チョークと名は付いていますが、混合気を濃くする働きは持っていません。スロットルケーブルを【少し引いた状態】に保持するためのもので、混合気の空燃比調整はインジェクションの仕事です。
このチョークを引いた状態でエンジンをかけると、始動直後のエンジン回転数は1500回転くらいで安定しますが、エンジンがまだ冷えた状態であることや、オイルも冷たくまだ硬い状態であることなどから、発進のときはその状態から少しアクセルをあけながらクラッチをつないでいきます。そうすることによってスムーズな発進ができるのは、おそらくどのような燃料供給形式のバイクでも同じでしょう。
私の場合は、エンジンを始動したら、その10秒以内にはギアを1速に入れ、静かに発進します。
自宅前から大通りまで出るのに約200メートルくらいありますが、その間はギア2速くらいでゆっくりとオイルをエンジン各部にいきわたらせ、大通りに出てからもしばらくはゆっくりモードで走ります。
一つ目の信号停止でチョークを戻してエンジン回転を低くしますが、ある日、その直後の発進で違和感を覚えました。
いつものようにクラッチをつないでいくと、まるでキャブレター車で混合気が薄いかのように、一瞬失速、息継ぎしてからドン、と前に出るような症状が出ました。
これは吸気系が汚れてきたか?
次の休みに左右のカウルを取り払い、アイドリング調整のスクリューをチェックします。
これは左右の同調を取るものですから、はずす前と後できちんと位置をそろえておかねばなりません。マーキングをして、一旦締め込み、何回転戻せばよいかをメモっておきます。
はずしてみると、果たしてスクリュー全体が黒く汚れていました。キャブレタクリーナを染ませたウェスできれいに拭き、元に戻します。
本当は、この作業をしたあとに左右の同調を取り直したほうがいいのでしょうが、道具もそろっていないのでとりあえず清掃前の位置に戻して様子を見ます。
もう一箇所、フューエルインジェクタも見てみます。
こちらはきれい。汚れた様子はありません。
すべてを復旧して試走してみますが、状況が好転した様子はありません。
結局、ダイレクトイグニッションの折損が原因でした。
プラグを点検するためにダイレクトイグニッションをはずすと、果たしてイグニッションが途中から折れていました。

図の3番のパーツです。
ちょうど矢印をつけたところからものの見事にポッキリと折れていました。

こんなものが通常の使用で折れるものでしょうか?
不幸中の幸いだったのは、RTがツインスパークだったこと。
RTは2003年式からツインスパーク化されました。
プライマリ側はシリンダの頭の部分、セカンダリ側はシリンダの脇にあたる部分についています。
ツインスパーク化した主な理由は環境性能向上のためだといわれていますが、今回はこれが幸いしました。
プライマリ側で火が飛ばなくなっていたわけですが、セカンダリのみでエンジンは運転できていて、多少の違和感は残すものの、走行不能には陥りませんでした。
ただ、火は飛んではいますが、本来メインで着火を司るプライマリ側が仕事をしていないため、おそらく爆発の火の回りが悪く、本来発生するはずのトルクが出ないために低速で息継ぎをするような症状が出たのでしょう。
エンジン回転が2000回転を超えると違和感が消えたのは、それくらいの回転数になると火炎の勢いが増して健常時と遜色ない燃焼をしていたからだと推測できます。
イグニッションが折れたのは2回目ですが、こうたびたび折れられると困りますね。原因をつかみたいところですが、どうすればよいかわかりかねています。

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RTの場合、寒い冬は当然として、暑い夏でもその日最初のエンジン始動時はチョークレバーを引いてセルを回します。
このチョークレバーは、チョークと名は付いていますが、混合気を濃くする働きは持っていません。スロットルケーブルを【少し引いた状態】に保持するためのもので、混合気の空燃比調整はインジェクションの仕事です。
このチョークを引いた状態でエンジンをかけると、始動直後のエンジン回転数は1500回転くらいで安定しますが、エンジンがまだ冷えた状態であることや、オイルも冷たくまだ硬い状態であることなどから、発進のときはその状態から少しアクセルをあけながらクラッチをつないでいきます。そうすることによってスムーズな発進ができるのは、おそらくどのような燃料供給形式のバイクでも同じでしょう。
私の場合は、エンジンを始動したら、その10秒以内にはギアを1速に入れ、静かに発進します。
自宅前から大通りまで出るのに約200メートルくらいありますが、その間はギア2速くらいでゆっくりとオイルをエンジン各部にいきわたらせ、大通りに出てからもしばらくはゆっくりモードで走ります。
一つ目の信号停止でチョークを戻してエンジン回転を低くしますが、ある日、その直後の発進で違和感を覚えました。
いつものようにクラッチをつないでいくと、まるでキャブレター車で混合気が薄いかのように、一瞬失速、息継ぎしてからドン、と前に出るような症状が出ました。
これは吸気系が汚れてきたか?
次の休みに左右のカウルを取り払い、アイドリング調整のスクリューをチェックします。
これは左右の同調を取るものですから、はずす前と後できちんと位置をそろえておかねばなりません。マーキングをして、一旦締め込み、何回転戻せばよいかをメモっておきます。
はずしてみると、果たしてスクリュー全体が黒く汚れていました。キャブレタクリーナを染ませたウェスできれいに拭き、元に戻します。
本当は、この作業をしたあとに左右の同調を取り直したほうがいいのでしょうが、道具もそろっていないのでとりあえず清掃前の位置に戻して様子を見ます。
もう一箇所、フューエルインジェクタも見てみます。
こちらはきれい。汚れた様子はありません。
すべてを復旧して試走してみますが、状況が好転した様子はありません。
結局、ダイレクトイグニッションの折損が原因でした。
プラグを点検するためにダイレクトイグニッションをはずすと、果たしてイグニッションが途中から折れていました。

図の3番のパーツです。
ちょうど矢印をつけたところからものの見事にポッキリと折れていました。

こんなものが通常の使用で折れるものでしょうか?
不幸中の幸いだったのは、RTがツインスパークだったこと。
RTは2003年式からツインスパーク化されました。
プライマリ側はシリンダの頭の部分、セカンダリ側はシリンダの脇にあたる部分についています。
ツインスパーク化した主な理由は環境性能向上のためだといわれていますが、今回はこれが幸いしました。
プライマリ側で火が飛ばなくなっていたわけですが、セカンダリのみでエンジンは運転できていて、多少の違和感は残すものの、走行不能には陥りませんでした。
ただ、火は飛んではいますが、本来メインで着火を司るプライマリ側が仕事をしていないため、おそらく爆発の火の回りが悪く、本来発生するはずのトルクが出ないために低速で息継ぎをするような症状が出たのでしょう。
エンジン回転が2000回転を超えると違和感が消えたのは、それくらいの回転数になると火炎の勢いが増して健常時と遜色ない燃焼をしていたからだと推測できます。
イグニッションが折れたのは2回目ですが、こうたびたび折れられると困りますね。原因をつかみたいところですが、どうすればよいかわかりかねています。

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