デジタル一眼とコンパクトデジカメ
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
今日はだいぶオタクが入った話なので、あまりカメラの理屈に興味がない方はご覧いただくと眠くなるかもしれません(笑)
先日来、デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの違いについて何回か記事にしましたが、じゃあ、その実態ってどうなの? について、私なりの解釈を書いてみたいと思います。
この図はカメラの基本的な構造を示したものです。
本当は、一眼レフの場合は撮像素子のすぐ前にシャッターがあるのですが、今回の記事では出番がないので省きました。

カメラは前方から見て【レンズ】【絞り】【シャッター】【撮像素子】と並んでいます。
一眼レフの場合は、絞りと撮像素子の間に斜め45度に傾いた鏡(クイックリターンミラー)があって、ファインダーを覗いているときはその鏡がレンズから入った像を90度上に反射させ、すり硝子(フォーカシングスクリーン)に結ばせた像をプリズム(ペンタプリズム)で後ろ向きに方向転換させて眼で見る、という構造ですが、これも省略しています。
また、レンズは通常複数の凸レンズや凹レンズが組合わせられて構成されていますが、これも簡略化しています。
■焦点距離と撮像素子の大きさの関係
レンズから入った像は、カメラの中で180度回転して撮像素子上で像を結びます。
このレンズ中心から撮像素子までの距離を【焦点距離】と呼びます。
この焦点距離は、レンズの画角、つまり、広角系レンズなのか、望遠系レンズなのかを決めます。
図をご覧いただけばお分かりになると思いますが、撮像素子が小さくなれば、レンズが結ばせた像の一部を撮像素子が受け取るため、同じ焦点距離のレンズでも、撮像素子が小さくなれば【望遠レンズ】の性格が強まります。
※コンパクトデジカメの【デジタルズーム】はこのことを利用していて、撮像素子の一部を【トリミング】して取り出しているに過ぎず、だから、倍率を上げるとどんどん画像が粗くなります(画像の画素が減る)。
これが一眼とコンパクトの撮像素子の大きさによって最も顕著に表れる違いです。
■コンパクトにおける露出を決める絞りの限界
次に、露出に影響を与える要素のうちの一つ、【絞り】について。
絞り値はどう計算されるかというと、焦点距離(図中のL)を絞り口径(図中のr)で割った商です。
たとえば 50mmの焦点距離のレンズで絞り口径を 25mmにセットしてやれば、絞り値は F2.0と計算されます。
コンパクトの場合は一眼に比べて撮像素子が小さいので同じ画角を得るにも短い焦点距離のレンズを使います。
ということは、同じ画角で同じ絞り値を得るための絞り口径は一眼よりもコンパクトのほうが小さくなります。
一眼レフでは絞り値が F22などという小径絞りが比較的容易に作れますが(50mmのレンズで絞り口径は2.27mm)、撮像素子の一辺の長さが一眼の1/3しかないハイエンドコンパクトの場合は同じ画角が得られるレンズの焦点距離は 17mmで、F22の絞り値を得るための絞り口径は 0.77mmでしかありません。
これを機械的な絞り機構で正確に調整するのは大変困難であること、加えて光には【回折現象】という厄介な特性があり(後述)、極端に絞り口径を小さくすると像のシャープネスが損なわれるため、最小絞りには撮像素子の大きさによって上限があります。
これを【小絞りぼけ(Wikipediaより出典)】と言ったりします。
ちなみに、一眼における50mmレンズの最小絞り(F22)と同じ口径の絞り口径で、私が持っているCanon G5が同じ画角で得られる焦点距離(17mm)における絞り値は F7.5で、実際に G5が持っている最小絞り(F8)と近似した値です。
■小絞りぼけ
小絞りぼけとは、光の【回折現象(Wikipediaより出典)】に起因する問題です。
光は波の性格を持っていて、波は進行中に障害物に当たると、障害物をすり抜けた時に障害物の裏側に回り込む、という性質があります。
しかも、通り抜ける障害物の隙間が小さければ小さいほど、その回り込む割合が高くなる性質があります(と高校物理で習った記憶があります)。
このことから、撮像素子が小さいコンパクトカメラでは絞り口径を小さくしすぎると画像の鮮鋭度に悪影響が出るため、F8くらいに抑えられていることが多いといえ、一般的に、コンパクトの場合はできるだけ絞りを開けて撮影するよう、プログラミングされています。
回折現象を最も身近にかに確かめられるのは、道に落ちた自分の影です。
自分と地面が近いときははっきりした影が落ちますが、離れれば影がぼんやりしますよね。
これはその回折現象がその原因の一つです。
今日はここまでにします。
ふ~

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今日はだいぶオタクが入った話なので、あまりカメラの理屈に興味がない方はご覧いただくと眠くなるかもしれません(笑)
先日来、デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの違いについて何回か記事にしましたが、じゃあ、その実態ってどうなの? について、私なりの解釈を書いてみたいと思います。
この図はカメラの基本的な構造を示したものです。
本当は、一眼レフの場合は撮像素子のすぐ前にシャッターがあるのですが、今回の記事では出番がないので省きました。

カメラは前方から見て【レンズ】【絞り】【シャッター】【撮像素子】と並んでいます。
一眼レフの場合は、絞りと撮像素子の間に斜め45度に傾いた鏡(クイックリターンミラー)があって、ファインダーを覗いているときはその鏡がレンズから入った像を90度上に反射させ、すり硝子(フォーカシングスクリーン)に結ばせた像をプリズム(ペンタプリズム)で後ろ向きに方向転換させて眼で見る、という構造ですが、これも省略しています。
また、レンズは通常複数の凸レンズや凹レンズが組合わせられて構成されていますが、これも簡略化しています。
■焦点距離と撮像素子の大きさの関係
レンズから入った像は、カメラの中で180度回転して撮像素子上で像を結びます。
このレンズ中心から撮像素子までの距離を【焦点距離】と呼びます。
この焦点距離は、レンズの画角、つまり、広角系レンズなのか、望遠系レンズなのかを決めます。
図をご覧いただけばお分かりになると思いますが、撮像素子が小さくなれば、レンズが結ばせた像の一部を撮像素子が受け取るため、同じ焦点距離のレンズでも、撮像素子が小さくなれば【望遠レンズ】の性格が強まります。
※コンパクトデジカメの【デジタルズーム】はこのことを利用していて、撮像素子の一部を【トリミング】して取り出しているに過ぎず、だから、倍率を上げるとどんどん画像が粗くなります(画像の画素が減る)。
これが一眼とコンパクトの撮像素子の大きさによって最も顕著に表れる違いです。
■コンパクトにおける露出を決める絞りの限界
次に、露出に影響を与える要素のうちの一つ、【絞り】について。
絞り値はどう計算されるかというと、焦点距離(図中のL)を絞り口径(図中のr)で割った商です。
たとえば 50mmの焦点距離のレンズで絞り口径を 25mmにセットしてやれば、絞り値は F2.0と計算されます。
コンパクトの場合は一眼に比べて撮像素子が小さいので同じ画角を得るにも短い焦点距離のレンズを使います。
ということは、同じ画角で同じ絞り値を得るための絞り口径は一眼よりもコンパクトのほうが小さくなります。
一眼レフでは絞り値が F22などという小径絞りが比較的容易に作れますが(50mmのレンズで絞り口径は2.27mm)、撮像素子の一辺の長さが一眼の1/3しかないハイエンドコンパクトの場合は同じ画角が得られるレンズの焦点距離は 17mmで、F22の絞り値を得るための絞り口径は 0.77mmでしかありません。
これを機械的な絞り機構で正確に調整するのは大変困難であること、加えて光には【回折現象】という厄介な特性があり(後述)、極端に絞り口径を小さくすると像のシャープネスが損なわれるため、最小絞りには撮像素子の大きさによって上限があります。
これを【小絞りぼけ(Wikipediaより出典)】と言ったりします。
ちなみに、一眼における50mmレンズの最小絞り(F22)と同じ口径の絞り口径で、私が持っているCanon G5が同じ画角で得られる焦点距離(17mm)における絞り値は F7.5で、実際に G5が持っている最小絞り(F8)と近似した値です。
■小絞りぼけ
小絞りぼけとは、光の【回折現象(Wikipediaより出典)】に起因する問題です。
光は波の性格を持っていて、波は進行中に障害物に当たると、障害物をすり抜けた時に障害物の裏側に回り込む、という性質があります。
しかも、通り抜ける障害物の隙間が小さければ小さいほど、その回り込む割合が高くなる性質があります(と高校物理で習った記憶があります)。
このことから、撮像素子が小さいコンパクトカメラでは絞り口径を小さくしすぎると画像の鮮鋭度に悪影響が出るため、F8くらいに抑えられていることが多いといえ、一般的に、コンパクトの場合はできるだけ絞りを開けて撮影するよう、プログラミングされています。
回折現象を最も身近にかに確かめられるのは、道に落ちた自分の影です。
自分と地面が近いときははっきりした影が落ちますが、離れれば影がぼんやりしますよね。
これはその回折現象がその原因の一つです。
今日はここまでにします。
ふ~

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コメントの投稿
No title
こんばんは~
kachiさん効果でwデジイチを物色中ですが
画像素子の大きさはもろに値段に反映されるんですねw
家庭内仕分けで却下されたので(泣
年末のボーナスまで待つことになりそうです
しばらくはカタログとkachiさんレポートで研究しますw
kachiさん効果でwデジイチを物色中ですが
画像素子の大きさはもろに値段に反映されるんですねw
家庭内仕分けで却下されたので(泣
年末のボーナスまで待つことになりそうです
しばらくはカタログとkachiさんレポートで研究しますw
Re: No title
TREKさん、こんばんは。
> kachiさん効果でwデジイチを物色中ですが
> 画像素子の大きさはもろに値段に反映されるんですねw
撮像素子のウェハーの歩留まりが悪いらしく、大きくなると加速度的に高くなるようですね。
> 家庭内仕分けで却下されたので(泣
> 年末のボーナスまで待つことになりそうです
> しばらくはカタログとkachiさんレポートで研究しますw
ととっ、すみません、火をつけてしまいましたか(笑)
でも、選んでいるときが一番楽しいですよ~。
今はミラーレス一眼やら、いろいろ選択肢が広がったからいいですね。
私も新しいのが欲しいんですけど、とりあえず今の機材を使いこんでみようかと。
まだまだ使いこなしていると言い切れませんから、がんばります!!
TREKさん、早くゲットできるといいですね。
報告記事を楽しみにしていますよ~(^^)v
Kachi//
> kachiさん効果でwデジイチを物色中ですが
> 画像素子の大きさはもろに値段に反映されるんですねw
撮像素子のウェハーの歩留まりが悪いらしく、大きくなると加速度的に高くなるようですね。
> 家庭内仕分けで却下されたので(泣
> 年末のボーナスまで待つことになりそうです
> しばらくはカタログとkachiさんレポートで研究しますw
ととっ、すみません、火をつけてしまいましたか(笑)
でも、選んでいるときが一番楽しいですよ~。
今はミラーレス一眼やら、いろいろ選択肢が広がったからいいですね。
私も新しいのが欲しいんですけど、とりあえず今の機材を使いこんでみようかと。
まだまだ使いこなしていると言い切れませんから、がんばります!!
TREKさん、早くゲットできるといいですね。
報告記事を楽しみにしていますよ~(^^)v
Kachi//