フロントテレレバー ボールジョイントブーツの交換
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
もう2年半以上も前、前後ショックを交換するためにあちこち確認しているときに発見した、フロントテレレバーのAアームに締結されているボールジョイントのブーツの破れ。
もうずいぶん長いことほったらかしで、いくらなんでもそろそろ何んとかしないと、そのうち錆びてガタガタになる。
ちょっと確認してみるとこんなふうにブーツのゴムは風化して雨の日に水が浸入してもおかしくないありさま。


このボールジョイントそのものを交換するのはどうも至難の技のようなので、ぷんとさんのまねをしてブーツだけを交換することにしました。
先日、工具も買ってきているので、たぶんイケると思います。
まずはこのナットをカバーしているキャップを外します。

このナット、21ミリです。これがロックタイトで固定されています。

CLYMERのマニュアルにはここを120度まで熱しろと書かれています。
ヒートガンで熱します。

中のシャフトを7ミリのヘックスで供回りしないように押さえつつ、21ミリのメガネでエイッと渾身の力で緩めてどうにか外れました。
私はセンタースタンドで立ててはずしましたが、それでもひっくり返さないか心配になるくらい固かった。

フロントショックを交換するときにやったのと同じようにガレージの段差のところにリアタイヤが落ちるくらいにバイクを止めて、フロントを持ち上げ気味にします。後ろはクルマのジャッキで押さえます。

フロントショックのロアーマウントを外し、Aアームがボールジョイントのシャフトから抜けるようにします。

フロントを持ち上げ(というか、リアにトップケースを載せてリアを下げ)、フォークを伸ばしてAアームを持ち上げます。

こうして破れたブーツが外せました。

グリスは残っていますが、まあ汚いですね~


そして、こちらがもう2年ほども前に Motorworksから購入しておいたボールジョイント。
ブーツの下端に見えるリングスプリングで止まっているので、これをずらすことで...

ブーツが外れます。

意外や塗りこまれているグリスの量は大したことがありませんでした。
こちらが外したブーツ。こんなふうにスプリングを上側にずらしてはずしました。

こちらが古いボールジョイント。

切れたブーツといっしょにリングスプリングがジョイントの本体に残っていますので、これを外してしまいます。

古く汚れたグリスを掃除してしまいます。


可動範囲全体に動かしてみますが、ガタはありません。
構造的には先日交換したクルマのタイロッドと同じですね。

しかし、ブレーキング時にはここに車体の多くの荷重がかかるし、段差を越えたときはドスンと衝撃がここに伝わるはずですが、こうもガタがないとは大したものですね。10万キロを走っているというのに。
ここに新しいグリス、これはだいぶ前に Astro Productsで購入してきた万能グリスですが、これをたっぷり塗りこんでおきます。


しかる後に新しいボールジョイントから取り外したブーツを通し...

ブーツの下端をはめます。

さて、ここでリングスプリングをブーツがはまっているところにはめて固定してやらなければなりませんが、ここは慎重にしないと、万一破ってしまったりしたら何のための作業かわからなくなります。
どうしようか考えた挙句、古いボールジョイントから外したリングスプリングを広げ、これをブーツと新しいリングスプリングの間に差し込んで下に落としてやりました。

事務用のゼムクリップでもいけそうですね。

こうして交換が完了したら、あとは復旧するだけ。
Aアームにボールジョイントのシャフトを通してナットをしめ、130N・mでしめます。ロックタイトを忘れずに。

しかる後にショックのロワマウントを固定、50N・mです。

キャップをかぶせて完了です。

外れたりめくれたりしていないかな?
大丈夫のようです。


このボールジョイント、たぶんこのブーツが破れたらブーツだけを交換しておけば、ほとんど交換する必要はないのではないかと思います。
私の場合は通勤でほぼ毎日のっていることで可動部分が動いてグリスがいきわたって錆を防げたようですが、数か月乗らなかったり、屋外保管されていてここが破れている場合はけっこう錆びてガタが出るかもしれませんね。
あと、もう一つ思ったのですが、RTの場合はフロントのアウターチューブにロワブリッジが4本のボルトで止まっていて、そこにボールジョイントが付いているため、このブリッジは比較的簡単に外せそう。
これを外して強力な万力に固定して長いスピンナハンドルを使ってやれば案外はずせるかもしれません。
ただ、ボックスを使う場合は作用点が力を入れるところから距離がある上に、ナット部分の厚みが薄くかかりが浅いため、ボックスを上から押さえてくれる人がいたほうが間違いなく確実にゆるめられるでしょう。
しめるときも同様でしょうね。
このフロントサスペンションの構造はやっぱり独特で、ボールジョイントをAアームから外すと、インナーフォークが締結されているトップブリッジが揺動して前後左右に動くため、はずすとふらふらとセンターを外れたり、前後方向に動きます。
これをこのボールジョイントがきちんと位置決めするとともに、ギャップを越えてストロークするとAアームが動いてフォークが寝る方向にディメンションが変わります。
これがこのRシリーズのコーナリングの安定感につながっていますが、同時に一般的なテレスコピックサスペンションに比べてアンダーステアが強めに出ます。
いやあ、久しぶりに『いじった』感じがしますが、無理な姿勢をとったためか、腰が痛くなってしまいました(^^;

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もう2年半以上も前、前後ショックを交換するためにあちこち確認しているときに発見した、フロントテレレバーのAアームに締結されているボールジョイントのブーツの破れ。
もうずいぶん長いことほったらかしで、いくらなんでもそろそろ何んとかしないと、そのうち錆びてガタガタになる。
ちょっと確認してみるとこんなふうにブーツのゴムは風化して雨の日に水が浸入してもおかしくないありさま。


このボールジョイントそのものを交換するのはどうも至難の技のようなので、ぷんとさんのまねをしてブーツだけを交換することにしました。
先日、工具も買ってきているので、たぶんイケると思います。
まずはこのナットをカバーしているキャップを外します。

このナット、21ミリです。これがロックタイトで固定されています。

CLYMERのマニュアルにはここを120度まで熱しろと書かれています。
ヒートガンで熱します。

中のシャフトを7ミリのヘックスで供回りしないように押さえつつ、21ミリのメガネでエイッと渾身の力で緩めてどうにか外れました。
私はセンタースタンドで立ててはずしましたが、それでもひっくり返さないか心配になるくらい固かった。

フロントショックを交換するときにやったのと同じようにガレージの段差のところにリアタイヤが落ちるくらいにバイクを止めて、フロントを持ち上げ気味にします。後ろはクルマのジャッキで押さえます。

フロントショックのロアーマウントを外し、Aアームがボールジョイントのシャフトから抜けるようにします。

フロントを持ち上げ(というか、リアにトップケースを載せてリアを下げ)、フォークを伸ばしてAアームを持ち上げます。

こうして破れたブーツが外せました。

グリスは残っていますが、まあ汚いですね~


そして、こちらがもう2年ほども前に Motorworksから購入しておいたボールジョイント。
ブーツの下端に見えるリングスプリングで止まっているので、これをずらすことで...

ブーツが外れます。

意外や塗りこまれているグリスの量は大したことがありませんでした。
こちらが外したブーツ。こんなふうにスプリングを上側にずらしてはずしました。

こちらが古いボールジョイント。

切れたブーツといっしょにリングスプリングがジョイントの本体に残っていますので、これを外してしまいます。

古く汚れたグリスを掃除してしまいます。


可動範囲全体に動かしてみますが、ガタはありません。
構造的には先日交換したクルマのタイロッドと同じですね。

しかし、ブレーキング時にはここに車体の多くの荷重がかかるし、段差を越えたときはドスンと衝撃がここに伝わるはずですが、こうもガタがないとは大したものですね。10万キロを走っているというのに。
ここに新しいグリス、これはだいぶ前に Astro Productsで購入してきた万能グリスですが、これをたっぷり塗りこんでおきます。


しかる後に新しいボールジョイントから取り外したブーツを通し...

ブーツの下端をはめます。

さて、ここでリングスプリングをブーツがはまっているところにはめて固定してやらなければなりませんが、ここは慎重にしないと、万一破ってしまったりしたら何のための作業かわからなくなります。
どうしようか考えた挙句、古いボールジョイントから外したリングスプリングを広げ、これをブーツと新しいリングスプリングの間に差し込んで下に落としてやりました。

事務用のゼムクリップでもいけそうですね。

こうして交換が完了したら、あとは復旧するだけ。
Aアームにボールジョイントのシャフトを通してナットをしめ、130N・mでしめます。ロックタイトを忘れずに。

しかる後にショックのロワマウントを固定、50N・mです。

キャップをかぶせて完了です。

外れたりめくれたりしていないかな?
大丈夫のようです。


このボールジョイント、たぶんこのブーツが破れたらブーツだけを交換しておけば、ほとんど交換する必要はないのではないかと思います。
私の場合は通勤でほぼ毎日のっていることで可動部分が動いてグリスがいきわたって錆を防げたようですが、数か月乗らなかったり、屋外保管されていてここが破れている場合はけっこう錆びてガタが出るかもしれませんね。
あと、もう一つ思ったのですが、RTの場合はフロントのアウターチューブにロワブリッジが4本のボルトで止まっていて、そこにボールジョイントが付いているため、このブリッジは比較的簡単に外せそう。
これを外して強力な万力に固定して長いスピンナハンドルを使ってやれば案外はずせるかもしれません。
ただ、ボックスを使う場合は作用点が力を入れるところから距離がある上に、ナット部分の厚みが薄くかかりが浅いため、ボックスを上から押さえてくれる人がいたほうが間違いなく確実にゆるめられるでしょう。
しめるときも同様でしょうね。
このフロントサスペンションの構造はやっぱり独特で、ボールジョイントをAアームから外すと、インナーフォークが締結されているトップブリッジが揺動して前後左右に動くため、はずすとふらふらとセンターを外れたり、前後方向に動きます。
これをこのボールジョイントがきちんと位置決めするとともに、ギャップを越えてストロークするとAアームが動いてフォークが寝る方向にディメンションが変わります。
これがこのRシリーズのコーナリングの安定感につながっていますが、同時に一般的なテレスコピックサスペンションに比べてアンダーステアが強めに出ます。
いやあ、久しぶりに『いじった』感じがしますが、無理な姿勢をとったためか、腰が痛くなってしまいました(^^;

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コメントの投稿
No title
いや~~
手に汗握るメンテナンス、お疲れさんでした。(^.^)
せっかくバラしたのにボールジョイント本体は
替えなかったんですね。
手に汗握るメンテナンス、お疲れさんでした。(^.^)
せっかくバラしたのにボールジョイント本体は
替えなかったんですね。
No title
作業ご苦労さまでした。ナット、固かったでしょう。ぼくも渾身の力を込めて回しました。バイクがひっくり返るんじゃないかと気が気じゃなかったですね。
僕はボールジョイントも外そうとしたのですが、このナットの数倍の力を込めて回そうとしたのですが、ダメだった。
おそらく、でっかい万力にガッチリ固定して、全体重をかけて回さないと緩まないんでしょうねえ。
そのうちだれかDIYでボールジョイント交換して、その方法を伝授してほしいものです。
僕はボールジョイントも外そうとしたのですが、このナットの数倍の力を込めて回そうとしたのですが、ダメだった。
おそらく、でっかい万力にガッチリ固定して、全体重をかけて回さないと緩まないんでしょうねえ。
そのうちだれかDIYでボールジョイント交換して、その方法を伝授してほしいものです。
Re: No title
yosiさん、こんばんは。
> いや~~
> 手に汗握るメンテナンス、お疲れさんでした。(^.^)
まあやること自体はそんなに難しいものではないのですが、なにしろ力技でして(^^;
ヘンな姿勢をしていて腰が痛くなってしまいました(^^;
> せっかくバラしたのにボールジョイント本体は
> 替えなかったんですね。
これがですね、230N・mというとんでもないトルクでしめられているんです。
ボディ・フォークにつけたままでは到底緩められないという事前情報をいただき、はなっから白旗あげてしまいました(笑)
まあ、ガタが出ていないので大丈夫なんです(^^)
Kachi//
> いや~~
> 手に汗握るメンテナンス、お疲れさんでした。(^.^)
まあやること自体はそんなに難しいものではないのですが、なにしろ力技でして(^^;
ヘンな姿勢をしていて腰が痛くなってしまいました(^^;
> せっかくバラしたのにボールジョイント本体は
> 替えなかったんですね。
これがですね、230N・mというとんでもないトルクでしめられているんです。
ボディ・フォークにつけたままでは到底緩められないという事前情報をいただき、はなっから白旗あげてしまいました(笑)
まあ、ガタが出ていないので大丈夫なんです(^^)
Kachi//
地味ながら大事な作業、お疲れさまでした。
この季節は特に腰が痛くなりますよね〜。
しかしボールジョイントの締付トルク、230Nですか!
ちょっとインパクトレンチか倍力レンチでもないと辛そうですね。
この季節は特に腰が痛くなりますよね〜。
しかしボールジョイントの締付トルク、230Nですか!
ちょっとインパクトレンチか倍力レンチでもないと辛そうですね。
Re: No title
ぷんとさん、こんばんは。
> 作業ご苦労さまでした。ナット、固かったでしょう。ぼくも渾身の力を込めて回しました。バイクがひっくり返るんじゃないかと気が気じゃなかったですね。
本当に硬かったですねぇ。
緩めるときもしめるときもなかなかにスリリングでしたね。
しかし、ぷんとさんのおかげで道が見えていて本当に助かりました。ありがとうございました(^^)
> 僕はボールジョイントも外そうとしたのですが、このナットの数倍の力を込めて回そうとしたのですが、ダメだった。
> おそらく、でっかい万力にガッチリ固定して、全体重をかけて回さないと緩まないんでしょうねえ。
私もその思いを強くしました。
たぶん、RTはセンタースタンドを立てたままアンダーブリッジ(っていうんでしたっけ)を外せるので、それをホームセンターに持っていけばいいかなと。
長いスピンナハンドルを買って万力借りたらいけるかな、店の一つ構えて手伝ってもらって(笑)
> そのうちだれかDIYでボールジョイント交換して、その方法を伝授してほしいものです。
まったくですねぇ。
こんど一度ホームセンターでやってみましょうかね(^^)
Kachi//
> 作業ご苦労さまでした。ナット、固かったでしょう。ぼくも渾身の力を込めて回しました。バイクがひっくり返るんじゃないかと気が気じゃなかったですね。
本当に硬かったですねぇ。
緩めるときもしめるときもなかなかにスリリングでしたね。
しかし、ぷんとさんのおかげで道が見えていて本当に助かりました。ありがとうございました(^^)
> 僕はボールジョイントも外そうとしたのですが、このナットの数倍の力を込めて回そうとしたのですが、ダメだった。
> おそらく、でっかい万力にガッチリ固定して、全体重をかけて回さないと緩まないんでしょうねえ。
私もその思いを強くしました。
たぶん、RTはセンタースタンドを立てたままアンダーブリッジ(っていうんでしたっけ)を外せるので、それをホームセンターに持っていけばいいかなと。
長いスピンナハンドルを買って万力借りたらいけるかな、店の一つ構えて手伝ってもらって(笑)
> そのうちだれかDIYでボールジョイント交換して、その方法を伝授してほしいものです。
まったくですねぇ。
こんど一度ホームセンターでやってみましょうかね(^^)
Kachi//
Re: タイトルなし
まーぼーさん、こんばんは。
> 地味ながら大事な作業、お疲れさまでした。
> この季節は特に腰が痛くなりますよね〜。
いやはや、このナットは130N・mですが、それでもたいがい硬かったですね~
ここは放置すると、先日のクルマのタイロッドみたいになっちゃうんでしょうね。
そういいつつ2年くらい放置していましたけど(笑)
> しかしボールジョイントの締付トルク、230Nですか!
> ちょっとインパクトレンチか倍力レンチでもないと辛そうですね。
これは家庭では無理でしょうね~
いま持っている万力を家のテーブルに固定してこじってもびくともしないでしょうね(笑)
正直、こんな強大なトルクでしめる必要があるんかいな、という気もします(^^;
体のあちこちがプチっていいそうです(^^;
Kachi//
> 地味ながら大事な作業、お疲れさまでした。
> この季節は特に腰が痛くなりますよね〜。
いやはや、このナットは130N・mですが、それでもたいがい硬かったですね~
ここは放置すると、先日のクルマのタイロッドみたいになっちゃうんでしょうね。
そういいつつ2年くらい放置していましたけど(笑)
> しかしボールジョイントの締付トルク、230Nですか!
> ちょっとインパクトレンチか倍力レンチでもないと辛そうですね。
これは家庭では無理でしょうね~
いま持っている万力を家のテーブルに固定してこじってもびくともしないでしょうね(笑)
正直、こんな強大なトルクでしめる必要があるんかいな、という気もします(^^;
体のあちこちがプチっていいそうです(^^;
Kachi//