新兵器 フルサイズのバズーカ砲
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
2カ月ほど前に Nikon D750というデジタル一眼レフカメラのことを書きました。
ネット上での評判も上々で、特に暗いところでのオートフォーカスの合焦性能、そして高感度撮影時のノイズの少なさが極めて良好という評判。
本当は同じ Nikonの Dfという、ぱっと見アナログカメラかと思われるカメラで約1,600万画素のカメラのほうが画素数の面で扱いやすく、かつ画素ピッチも大きいため、ダイナミックレンジに優れるのでは? と思っていたのですが、D750の画像処理エンジンが Expeed4に進化しているのに対して、少し発売時期が早い Dfは Expeed3で、いまだデジカメは発展途上と思っている私からすると、リリースが遅く、画像処理エンジンがより新しい D750のほうがよろしかろう、と思われました。
そして、とうとうその Nikon D750が手元にやってまいりました。
かなりテンションアップしています。
さて、パッケージです。
レンズキットなので、ボディとレンズが同じ箱に入っています、でかいです。

至福の開梱。
あけてすぐのところにはマニュアル類やおまけのSDカード(8GB)が入っています。

その中蓋を取り払うと、本体たちのお出ましです。

早速中身を全部出し。
上のカメラ本体から時計回りに【カメラ本体】【24~120ズームレンズ】【レンズ用巾着】【レンズマニュアル】【カメラ本体マニュアル】【現像用ソフトCDとクラブ案内パンフ類】【充電器】【USBケーブル】【ストラップ】【アイピースシャッター】【バッテリ】【SDカード】。

これのほかに、液晶保護フィルム(軍幹部のインフォメーションディスプレイ用フィルムつき)とレンズ保護フィルタを買っておきました。

レンズ保護フィルタは、人によっては画質を落とすだけだ、と否定派の方もいらっしゃいますが、私は今まで使ってきたカメラすべてにつけています。外したときと比較しても画質が落ちているとは感じたことはありません。
そのフィルタ、無論、反射低減コーティングが施され、ほぼ無色。

HAKUBA製の Made in Japan。


さてカメラ本体です。
D750のバッジは左肩についています。

場所がわかりにくいですが、マウントの、正面から見て右上のところにAiレンズ用の絞り伝達爪がついています。

モードセレクタ。
何でもかんでもカメラまかせのフルオートと、プログラム、シャッター優先、絞り優先、マニュアルのほかエフェクトなどを選択できます。
外側のリングはシャッターモード。Single、Continuous、Quietなどが選択可能。

カメラ背面。スイッチ類の配置は2006年に購入した D70Sとほぼ同じ。これなら迷うことはなさそうです。
しかし液晶が大きい。

ボディ左側。三つの蓋を開けると...

上からレリーズスイッチソケット、イアフォン・マイクソケット、そして USB・HDMIソケットです。

右側。

SDカードスロットが2基備わります。同じデータをダブルでバックアップとして保存したり、片方がいっぱいになったら他方に記録する連続保存などのモードが選べます。

マウントを外した奥のレフレックスミラー。D70Sに比して明らかに大きい。フルサイズの証です。

レンズ。
Nano Crystal Coatとは乱反射を極限まで抑えたレンズコートのようです。
昔からレンズには多層膜コーティングが施されていましたが、いまはさらにそれを進化させているようです。
SWMというのは Sonic Wave Motorかな? たぶん超音波モーターでフォーカシングに使われているモーターのことでしょう。
VRは Vibration Reduction=手振れ低減。
EDは低分散ガラスのことで、屈折率が違う色の収差を抑えて色にじみを抑えるガラス。昔は高級レンズにしか使われていませんでした。
IFは Internal Focus=レンズ全長を変えずに鏡筒内でレンズを動かしてピント合わせをするので焦点距離の変動が少ない。
Asphericalとは非球面レンズ、これもかつては高級レンズ用のものでした。
こんなハイスペックレンズがキットレンズに使われているなんて。

まあ焦点距離が24ミリから120ミリまでをカバーしている高倍率レンズだからなのでしょう。
銀塩時代はこんな(当時は超がつく)広角から常用の120ミリ望遠までをカバーするようなレンズなんて考えられませんでした。このレンジを実現するための必要スペックなんでしょうかね。

レンズ内にはCPUが埋め込まれていて、そのCPUとボディで信号をやり取りするためのピンです。
後玉の左上に見えているレバーはシャッターを切った瞬間に動かされて設定された絞りまで絞り羽が絞られるレバーです。

装着した全景。こいつは重い(^^;

前方のリングがズーミング環、手前がピント環です。

他のカメラではすでにある装備ですが、Nikonの中~高級機では初めて採用されたチルト式の液晶。

横には向きません。

向かって左が D750、右が D70S。D70Sもたいがい大きいと思いましたが、さらに大きいフルサイズ機。

D70Sについているのは、35ミリフルサイズ換算で27ミリ~105ミリのレンズ。重さもぜんぜん違う。

後ろから比べると大人と子供のようです(^^;
液晶のサイズの違いが時代を感じさせますね。

銀塩の Nikon FEと比べてみます。
こりゃ D750は PENTAX 67のようだ(^^;

このカメラで『このやろ~』と思ったこと。
これは D70Sのレリーズスイッチソケットで...

こちらが D750の。また違うんだ、これが。
たいがいにせえよ、たかがシャッターを押すだけのスイッチなのに、と言いたい。

さて、マニュアルを見てみましょう。
こちらはキットレンズのマニュアル。
なんと日本語を含めて14か国語で書かれている。でも薄いからいい。

問題はこちら。
なんだかすごく分厚いんですが...。

最後のページをめくると 510ページだそうで(^^;
読む気も起りませんが、きっとこれを読んだらいろんなことができるんだろうなぁ。

ということで、しばらく楽しく遊べそうです。
こんどいまメインで使っている COOLPIX P7700と比べてみましょうかね。

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2カ月ほど前に Nikon D750というデジタル一眼レフカメラのことを書きました。
ネット上での評判も上々で、特に暗いところでのオートフォーカスの合焦性能、そして高感度撮影時のノイズの少なさが極めて良好という評判。
本当は同じ Nikonの Dfという、ぱっと見アナログカメラかと思われるカメラで約1,600万画素のカメラのほうが画素数の面で扱いやすく、かつ画素ピッチも大きいため、ダイナミックレンジに優れるのでは? と思っていたのですが、D750の画像処理エンジンが Expeed4に進化しているのに対して、少し発売時期が早い Dfは Expeed3で、いまだデジカメは発展途上と思っている私からすると、リリースが遅く、画像処理エンジンがより新しい D750のほうがよろしかろう、と思われました。
そして、とうとうその Nikon D750が手元にやってまいりました。
かなりテンションアップしています。
さて、パッケージです。
レンズキットなので、ボディとレンズが同じ箱に入っています、でかいです。

至福の開梱。
あけてすぐのところにはマニュアル類やおまけのSDカード(8GB)が入っています。

その中蓋を取り払うと、本体たちのお出ましです。

早速中身を全部出し。
上のカメラ本体から時計回りに【カメラ本体】【24~120ズームレンズ】【レンズ用巾着】【レンズマニュアル】【カメラ本体マニュアル】【現像用ソフトCDとクラブ案内パンフ類】【充電器】【USBケーブル】【ストラップ】【アイピースシャッター】【バッテリ】【SDカード】。

これのほかに、液晶保護フィルム(軍幹部のインフォメーションディスプレイ用フィルムつき)とレンズ保護フィルタを買っておきました。

レンズ保護フィルタは、人によっては画質を落とすだけだ、と否定派の方もいらっしゃいますが、私は今まで使ってきたカメラすべてにつけています。外したときと比較しても画質が落ちているとは感じたことはありません。
そのフィルタ、無論、反射低減コーティングが施され、ほぼ無色。

HAKUBA製の Made in Japan。


さてカメラ本体です。
D750のバッジは左肩についています。

場所がわかりにくいですが、マウントの、正面から見て右上のところにAiレンズ用の絞り伝達爪がついています。

モードセレクタ。
何でもかんでもカメラまかせのフルオートと、プログラム、シャッター優先、絞り優先、マニュアルのほかエフェクトなどを選択できます。
外側のリングはシャッターモード。Single、Continuous、Quietなどが選択可能。

カメラ背面。スイッチ類の配置は2006年に購入した D70Sとほぼ同じ。これなら迷うことはなさそうです。
しかし液晶が大きい。

ボディ左側。三つの蓋を開けると...

上からレリーズスイッチソケット、イアフォン・マイクソケット、そして USB・HDMIソケットです。

右側。

SDカードスロットが2基備わります。同じデータをダブルでバックアップとして保存したり、片方がいっぱいになったら他方に記録する連続保存などのモードが選べます。

マウントを外した奥のレフレックスミラー。D70Sに比して明らかに大きい。フルサイズの証です。

レンズ。
Nano Crystal Coatとは乱反射を極限まで抑えたレンズコートのようです。
昔からレンズには多層膜コーティングが施されていましたが、いまはさらにそれを進化させているようです。
SWMというのは Sonic Wave Motorかな? たぶん超音波モーターでフォーカシングに使われているモーターのことでしょう。
VRは Vibration Reduction=手振れ低減。
EDは低分散ガラスのことで、屈折率が違う色の収差を抑えて色にじみを抑えるガラス。昔は高級レンズにしか使われていませんでした。
IFは Internal Focus=レンズ全長を変えずに鏡筒内でレンズを動かしてピント合わせをするので焦点距離の変動が少ない。
Asphericalとは非球面レンズ、これもかつては高級レンズ用のものでした。
こんなハイスペックレンズがキットレンズに使われているなんて。

まあ焦点距離が24ミリから120ミリまでをカバーしている高倍率レンズだからなのでしょう。
銀塩時代はこんな(当時は超がつく)広角から常用の120ミリ望遠までをカバーするようなレンズなんて考えられませんでした。このレンジを実現するための必要スペックなんでしょうかね。

レンズ内にはCPUが埋め込まれていて、そのCPUとボディで信号をやり取りするためのピンです。
後玉の左上に見えているレバーはシャッターを切った瞬間に動かされて設定された絞りまで絞り羽が絞られるレバーです。

装着した全景。こいつは重い(^^;

前方のリングがズーミング環、手前がピント環です。

他のカメラではすでにある装備ですが、Nikonの中~高級機では初めて採用されたチルト式の液晶。

横には向きません。

向かって左が D750、右が D70S。D70Sもたいがい大きいと思いましたが、さらに大きいフルサイズ機。

D70Sについているのは、35ミリフルサイズ換算で27ミリ~105ミリのレンズ。重さもぜんぜん違う。

後ろから比べると大人と子供のようです(^^;
液晶のサイズの違いが時代を感じさせますね。

銀塩の Nikon FEと比べてみます。
こりゃ D750は PENTAX 67のようだ(^^;

このカメラで『このやろ~』と思ったこと。
これは D70Sのレリーズスイッチソケットで...

こちらが D750の。また違うんだ、これが。
たいがいにせえよ、たかがシャッターを押すだけのスイッチなのに、と言いたい。

さて、マニュアルを見てみましょう。
こちらはキットレンズのマニュアル。
なんと日本語を含めて14か国語で書かれている。でも薄いからいい。

問題はこちら。
なんだかすごく分厚いんですが...。

最後のページをめくると 510ページだそうで(^^;
読む気も起りませんが、きっとこれを読んだらいろんなことができるんだろうなぁ。

ということで、しばらく楽しく遊べそうです。
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現実的な選択 Nikon COOLPIX P7700
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日、新しく発売されるNikon Dfというデジタル一眼レフのことを記事にしました。
あんなカメラが手に入れば、いま手持ちのマニュアルフォーカスレンズも含めて、すべての旧い(デジタル向けではない)Nikonレンズでフルサイズの自動露出撮影ができるのでうれしい限りなのですが、いささか、というかかなりお高い(^^;
バイクツーリングに持っていくにもサイズや重さにちょっと二の足を踏むのも事実。
そうなると、どうしてもより小さくて軽いカメラを物色することになるのですが、いつの間にか仲間になった(^。^;)カメラを紹介したいと思います。
以前、ツーリングに持っていくカメラについてあれこれ書いた記事はこちら
⇒【ツーリングに持っていくカメラは何がいい?】
また、主に家内が使うのに購入したRICOHのCX-6の記事はこちら
⇒【写真の新しい道具 RICOH CX-6】
http://r1150rt2003.blog24.fc2.com/blog-entry-457.html
Nikon Coolpix P7700。
Nikonのハイエンドコンパクトデジカメと位置付けられる機種です。
といっても、このカメラも30,000円をはるかに切る実売価格ですから、Dfの10分の1くらい、ハイエンドといわれる機種も求めやすくなったものです(^^;

すでにほぼ同じスペックに電子ビューファインダーを追加した後継機種が出たため、旧モデルになってしまいましたが、最短焦点(35ミリ版換算28ミリ)側の開放F値が2.0と、普及価格帯のコンパクトデジカメに比べて2段ほど明るいレンズを備えます。
8分の1秒のシャッターしか切れない場面で30分の1秒を切れるのは大きなアドバンテージです。
ズームのカバー範囲は35ミリ換算で 28ミリから200ミリ。

このカメラ、どこが気に入ったかというと、先日のDfでも書いたような、実際の撮影頻繁に触る設定(とりわけ露出補正)を独立したダイヤルで操作できるところです。

左側からモード切替ダイヤル、上がシャッターボタンとズームスイッチ、下がメインスイッチ、右側に露出補正ダイヤルと、カスタムファンクションボタン。
秀逸なのは露出補正がプラスマイナス3.0EV、3分の1ステップの調整幅を持つことで、これが切り替えスイッチやファンクション呼び出しボタンなどを介さずにダイレクトに操作できるところが、実際に使ってみると実に使いやすい。
左側には各種の設定を切り替えるダイヤル。

撮影感度、ホワイトバランス、ブラケット撮影、My設定、カラー設定(主に彩度のコントロール)、撮影ファイルサイズ・クォリティなどを呼び出し、背面のディスプレイを見ながら設定します。
光学ファインダーは備わらないので、液晶を見ながらの撮影ですが、その液晶も十分に大きく、見やすいといえます。

ただ、老眼の私は撮影のたびにメガネをおでこに引っ掛けています(^^;
そういう面では、メガネをかけたままのぞける電子ビューファインダーを持つ後継機種はうらやましい。
このディスプレイは動かすことができ、ローアングル、ハイアングルでもブラインド撮影ではなく、実際の撮影映像を確認しながら撮影できます。
まあ、これは多くのデジカメで大昔から実現されているもので、さして目新しいものでもありません。

このデジカメの撮像素子ですが、1/1.7のCMOSを使用していて、このサイズに約1200万画素を詰め込んでいます。
拙宅のデジタル一眼レフ D70sのCCDサイズの約8分の1の面積にちょうど倍の画素数です(^^;

このカメラはRAWでのファイル出力もできるため、PCに撮影データファイル取り込んで、現像処理でパラメータを大きく動かしても破綻の少ない調整ができます。
カメラからSDカードに吐き出されるJPEGは少し眠い絵(彩度が低め)の傾向であるのが残念ですが、このRAWデータを現像すると、7年前のデジタル一眼レフのD70sと遜色ない絵を得ることができ、1画素あたりの面積の単純比較でD70sの16分の1の画素でこれだけの絵が得られるのは驚きです。

ここ最近の記事の写真はほとんどこのカメラで撮っています。
以前、サーバーショット携帯(W61S)やiPhone5で撮っていた写真に比べて、特に中近接撮影を多用するメンテナンスの写真で前後のボケが大きくなっていることに気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
首から下げていても苦にならないこのカメラ、出番が増えそうです。

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先日、新しく発売されるNikon Dfというデジタル一眼レフのことを記事にしました。
あんなカメラが手に入れば、いま手持ちのマニュアルフォーカスレンズも含めて、すべての旧い(デジタル向けではない)Nikonレンズでフルサイズの自動露出撮影ができるのでうれしい限りなのですが、いささか、というかかなりお高い(^^;
バイクツーリングに持っていくにもサイズや重さにちょっと二の足を踏むのも事実。
そうなると、どうしてもより小さくて軽いカメラを物色することになるのですが、いつの間にか仲間になった(^。^;)カメラを紹介したいと思います。
以前、ツーリングに持っていくカメラについてあれこれ書いた記事はこちら
⇒【ツーリングに持っていくカメラは何がいい?】
また、主に家内が使うのに購入したRICOHのCX-6の記事はこちら
⇒【写真の新しい道具 RICOH CX-6】
http://r1150rt2003.blog24.fc2.com/blog-entry-457.html
Nikon Coolpix P7700。
Nikonのハイエンドコンパクトデジカメと位置付けられる機種です。
といっても、このカメラも30,000円をはるかに切る実売価格ですから、Dfの10分の1くらい、ハイエンドといわれる機種も求めやすくなったものです(^^;

すでにほぼ同じスペックに電子ビューファインダーを追加した後継機種が出たため、旧モデルになってしまいましたが、最短焦点(35ミリ版換算28ミリ)側の開放F値が2.0と、普及価格帯のコンパクトデジカメに比べて2段ほど明るいレンズを備えます。
8分の1秒のシャッターしか切れない場面で30分の1秒を切れるのは大きなアドバンテージです。
ズームのカバー範囲は35ミリ換算で 28ミリから200ミリ。

このカメラ、どこが気に入ったかというと、先日のDfでも書いたような、実際の撮影頻繁に触る設定(とりわけ露出補正)を独立したダイヤルで操作できるところです。

左側からモード切替ダイヤル、上がシャッターボタンとズームスイッチ、下がメインスイッチ、右側に露出補正ダイヤルと、カスタムファンクションボタン。
秀逸なのは露出補正がプラスマイナス3.0EV、3分の1ステップの調整幅を持つことで、これが切り替えスイッチやファンクション呼び出しボタンなどを介さずにダイレクトに操作できるところが、実際に使ってみると実に使いやすい。
左側には各種の設定を切り替えるダイヤル。

撮影感度、ホワイトバランス、ブラケット撮影、My設定、カラー設定(主に彩度のコントロール)、撮影ファイルサイズ・クォリティなどを呼び出し、背面のディスプレイを見ながら設定します。
光学ファインダーは備わらないので、液晶を見ながらの撮影ですが、その液晶も十分に大きく、見やすいといえます。

ただ、老眼の私は撮影のたびにメガネをおでこに引っ掛けています(^^;
そういう面では、メガネをかけたままのぞける電子ビューファインダーを持つ後継機種はうらやましい。
このディスプレイは動かすことができ、ローアングル、ハイアングルでもブラインド撮影ではなく、実際の撮影映像を確認しながら撮影できます。
まあ、これは多くのデジカメで大昔から実現されているもので、さして目新しいものでもありません。

このデジカメの撮像素子ですが、1/1.7のCMOSを使用していて、このサイズに約1200万画素を詰め込んでいます。
拙宅のデジタル一眼レフ D70sのCCDサイズの約8分の1の面積にちょうど倍の画素数です(^^;

このカメラはRAWでのファイル出力もできるため、PCに撮影データファイル取り込んで、現像処理でパラメータを大きく動かしても破綻の少ない調整ができます。
カメラからSDカードに吐き出されるJPEGは少し眠い絵(彩度が低め)の傾向であるのが残念ですが、このRAWデータを現像すると、7年前のデジタル一眼レフのD70sと遜色ない絵を得ることができ、1画素あたりの面積の単純比較でD70sの16分の1の画素でこれだけの絵が得られるのは驚きです。

ここ最近の記事の写真はほとんどこのカメラで撮っています。
以前、サーバーショット携帯(W61S)やiPhone5で撮っていた写真に比べて、特に中近接撮影を多用するメンテナンスの写真で前後のボケが大きくなっていることに気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
首から下げていても苦にならないこのカメラ、出番が増えそうです。

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露出機構に革命を起こした OLYMPUS OM-2
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日、OLYMPUS OM-1のことを書きました。
OM-1は、大きく重いという従来の一眼レフの概念を覆す画期的なカメラでしたが、オリンパスは外観をほとんど変えることなく、これに自動露出という機構を加えたOM-2をリリースします。
※写真はすべてオリンパス社のホームページより壁紙をダウンロードしたものです。

しかもその自動露出機構は、カメラ業界や、カメラを愛好する人たちをあっと驚かせるエポックメーキングなものでした。
OM-1と同じように、モータードライブや...

もう少し安価なワインダーなどが装着できる利便性はそのままに...

露出計(測光方式)に【TTLダイレクト測光】という画期的な方式を採用しました。
従来、一眼レフカメラの自動露出は、ミラーで反射されてプリズムの下部に設置されているフォーカシングスクリーン(像を結ぶすりガラスで、ファインダーから見える画像はこのフォーカシングスクリーン上の像。これは現在のデジタル一眼でも同じ)上に結ばれた像の明るさを測っていました。
シャッターを切ると、このミラーが跳ね上がってフォーカシングスクリーンには像が結べなくなるため、シャッターを切る前に測定した露出量を記憶し、記憶した露出に従ってシャッタースピードなり絞り値なりを調整して適正露出を得ていました。
OM-2ではこの方式を改め、下の図のようにシャッター膜に白黒の、現在の二次元バーコードのようなパターンを付け、ここに結ばれた像をミラーボックスの底面に設置した受光素子で測定して適正露出を得るという方式をとりました。これを【TTLダイレクト測光】(TTL=Through The Lens)と言います。

この図ではほぼ均等なパターンが描かれていますが、実際のパターンは中央部分の方が周辺に比べて白いパターンの密度が高く、いわゆる中央部重点測光がされるようなパターンをとっています。
この方式をとることによって、速いシャッタースピードの時はシャッター膜に描かれたパターンで測光し、暗くなってシャッタースピードが遅くなると、シャッターが開いて露出しているフィルム面を測光することで、実際に映っている像の露出を正確に測定することができるようになりました。
※ちなみにこのTTLダイレクト測光は撮影中の画像をリアルタイムで測光しているため、例えば絞り機構が故障して設定した絞り値まで絞り込まれていない場合でも、事前に測光した露出ではなく、絞られていない実際の光量に対する適正露出が得られるというフェイルセイフの役割も果たせます。
このことは、通常の撮影もさることながら、ストロボの調光に最も大きなアドバンテージをもたらしました。

通常、シャッターが開いて露出がされているときはストロボの光をレンズを通して測ることはできませんから、ストロボ側についているセンサーが被写体の明るさを測定して最適な明るさを調整して発光します。
つまり、ストロボ撮影の露出は、どんな焦点距離のレンズを使っていても、実際の撮影範囲に関係なく、ストロボに設置されている受光素子が感じ取る範囲の光の量で露出が決定されてしまうため、時に露出が大きく外れるということもあったわけです。
しかし、このTTLダイレクト測光では、シャッターが全開になっていままさに光が当たっているフィルム面を測光することで、ストロボの発光量をリアルタイムでボディ側で測定することができるため、実際に撮影している絵全体の適正露出を把握し、ボディ側からストロボを制御することができるようになりました。

これは画期的な方式で、後に他社も同様の方式で追従しました。
TTLダイレクト測光が特許になったのかどうかはわかりませんが、特にストロボ撮影における露出のヒット率向上、壁や天井に光を反射させて行なうバウンス撮影時の適正露出の得やすさは、高度な撮影技術を身近にするのに多大な貢献を果たしたといえます。
現在のデジカメはCCDやCMOSをフィルムの代わりに使っていて、それ自体が適正露出を測定するための受光素子の役割も果たしているのでしょうが、このオリンパスの測光方式は、結像面の露出を測定するという面においてひとつの時代を作ったといえると思います。


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先日、OLYMPUS OM-1のことを書きました。
OM-1は、大きく重いという従来の一眼レフの概念を覆す画期的なカメラでしたが、オリンパスは外観をほとんど変えることなく、これに自動露出という機構を加えたOM-2をリリースします。
※写真はすべてオリンパス社のホームページより壁紙をダウンロードしたものです。

しかもその自動露出機構は、カメラ業界や、カメラを愛好する人たちをあっと驚かせるエポックメーキングなものでした。
OM-1と同じように、モータードライブや...

もう少し安価なワインダーなどが装着できる利便性はそのままに...

露出計(測光方式)に【TTLダイレクト測光】という画期的な方式を採用しました。
従来、一眼レフカメラの自動露出は、ミラーで反射されてプリズムの下部に設置されているフォーカシングスクリーン(像を結ぶすりガラスで、ファインダーから見える画像はこのフォーカシングスクリーン上の像。これは現在のデジタル一眼でも同じ)上に結ばれた像の明るさを測っていました。
シャッターを切ると、このミラーが跳ね上がってフォーカシングスクリーンには像が結べなくなるため、シャッターを切る前に測定した露出量を記憶し、記憶した露出に従ってシャッタースピードなり絞り値なりを調整して適正露出を得ていました。
OM-2ではこの方式を改め、下の図のようにシャッター膜に白黒の、現在の二次元バーコードのようなパターンを付け、ここに結ばれた像をミラーボックスの底面に設置した受光素子で測定して適正露出を得るという方式をとりました。これを【TTLダイレクト測光】(TTL=Through The Lens)と言います。

この図ではほぼ均等なパターンが描かれていますが、実際のパターンは中央部分の方が周辺に比べて白いパターンの密度が高く、いわゆる中央部重点測光がされるようなパターンをとっています。
この方式をとることによって、速いシャッタースピードの時はシャッター膜に描かれたパターンで測光し、暗くなってシャッタースピードが遅くなると、シャッターが開いて露出しているフィルム面を測光することで、実際に映っている像の露出を正確に測定することができるようになりました。
※ちなみにこのTTLダイレクト測光は撮影中の画像をリアルタイムで測光しているため、例えば絞り機構が故障して設定した絞り値まで絞り込まれていない場合でも、事前に測光した露出ではなく、絞られていない実際の光量に対する適正露出が得られるというフェイルセイフの役割も果たせます。
このことは、通常の撮影もさることながら、ストロボの調光に最も大きなアドバンテージをもたらしました。

通常、シャッターが開いて露出がされているときはストロボの光をレンズを通して測ることはできませんから、ストロボ側についているセンサーが被写体の明るさを測定して最適な明るさを調整して発光します。
つまり、ストロボ撮影の露出は、どんな焦点距離のレンズを使っていても、実際の撮影範囲に関係なく、ストロボに設置されている受光素子が感じ取る範囲の光の量で露出が決定されてしまうため、時に露出が大きく外れるということもあったわけです。
しかし、このTTLダイレクト測光では、シャッターが全開になっていままさに光が当たっているフィルム面を測光することで、ストロボの発光量をリアルタイムでボディ側で測定することができるため、実際に撮影している絵全体の適正露出を把握し、ボディ側からストロボを制御することができるようになりました。

これは画期的な方式で、後に他社も同様の方式で追従しました。
TTLダイレクト測光が特許になったのかどうかはわかりませんが、特にストロボ撮影における露出のヒット率向上、壁や天井に光を反射させて行なうバウンス撮影時の適正露出の得やすさは、高度な撮影技術を身近にするのに多大な貢献を果たしたといえます。
現在のデジカメはCCDやCMOSをフィルムの代わりに使っていて、それ自体が適正露出を測定するための受光素子の役割も果たしているのでしょうが、このオリンパスの測光方式は、結像面の露出を測定するという面においてひとつの時代を作ったといえると思います。


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好きだったカメラ ~ OLYMPUS OM-1 ~
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日、カメラの記事を書きました。
私のカメラ好きは中学校1年生のころからですが、それは写真を撮る楽しさもさることながら、機械としてのカメラにたいへんな魅力を感じていたからでもあります。
興味のない方には退屈極まりない記事かもしれませんね、ご容赦ください。
そのカメラ小僧の(だった?)私が、結局買いはしませんでしたが、今でも欲しいと思うカメラ、OLYMPUSのOM-1。中学の同級生が初期ロットを所有していてよく触らせてもらっていました。

このOM-1と、後続の自動露出機OM-2を開発していたころのオリンパス社は本当に元気がよく、そのコンセプトは、一眼レフカメラメーカーとして最後発であるハンディキャップを吹き飛ばそうという気概にあふれたものでした。
私が覚えているこのカメラの特徴は以下の通り。
1. 小型軽量、嵩張らない(コマーシャルのキャッチコピーでした)
2. 音が静か(従来の一眼は撮影時のミラー・シャッター音が大きかった)
3. 宇宙からバクテリアまで(内視鏡・顕微鏡メーカーの強み、他社望遠鏡にも対応)
4. 他社がアクセサリーと呼称するものもあえて【システムの一部】として軽視しない
5. 人間工学に基づいた設計(人間工学という言葉をカタログ上で語ったのはこれが最初?)
といった内容だったと思います。
■小型軽量
確かに小さく軽かった。
他社の一眼レフがボディのみ800グラム、50ミリF1.4クラスのレンズ付きで1,000グラムを優に超える時代に、同じレンズ付きで800グラムを切っていたはずです。

同時に開発されたZUIKOレンズ群もボディに合わせて小型軽量に設計されていて、当時手持ち撮影は不可能とされていた300ミリの望遠レンズも、その軽さから三脚なしで撮影できるといわれていました。

特筆に値するのは、一眼レフでは避けられないペンタプリズムの大きさが極めて小さかったこと。
この小ささを実現するために、通常はプリズムの下に配置されていたコンデンサレンズを、プリズムの下面に大きなRを持たせることによって不要として、プリズム全体の高さを低くするという、既存の発想にとらわれない設計がなされました。
こうした創意工夫はこれだけにとどまらず、このカメラ全体の様々な部位にちりばめられていました。
■音が静か
結婚式や、厳粛な場での一眼レフのシャッター音は、いまでいう『KY』的な存在でしたが、OM-1はこれにも対処していました。

これはOM-1のカットイラストですが、ミラーボックス横に立っている円筒形の部品がダンパーで、これが一眼レフに不可欠なミラーが作動するときに働いて、音とショックを吸収する役割を果たしていました。
小型軽量に設計されたOM-1だけに、クイックリターンミラーの音はともかく、ショックは軽視できない要素だったらしく、さすがに無音にはなりませんでしたが、このダンパーで音とショックが軽減され、ぶれも軽減されました。
ただでさえ小さくスペースがないカメラの中に、このような機能部品を入れるオリンパスの当時の技術陣は、本当にいい仕事をしたと思います。
■宇宙からバクテリアまで
もともとオリンパスは内視鏡や顕微鏡を手掛ける光学メーカーでしたが、それを利して、アダプタをはさむことでそれら内視鏡や、他社の望遠鏡と接続させて撮影することも可能にしていました。
こうした【倍率をあげる】撮影には振動が大敵です。
ミラーの動作ショックを軽減するダンパーがおごられるOM-1でも、こうした高倍率撮影の際は、それでも振動を嫌うため、【ミラーアップ機構】がついていました。
当時の高級一眼レフにしかついていなかった機構であったと思いますが、正面から見てレンズマウント左上部分にあるダイヤルを回すことによって、シャッターボタンの操作に関係なく、ミラーアップができ、その状態でシャッターを切ることでミラーショックを回避できるようになっていました。
■人間工学に基づいた設計
実はここがOM-1の真骨頂だ、と私がいまでも感心するところなのですが、この写真で見ると、OM-1は通常のカメラの操作系と同じようなレイアウトをとっているように見えます。

【シャッタースピードダイヤル】
しかし、通常のカメラがシャッタースピードダイヤルとしているシャッターボタン横のダイヤルはフィルム感度ダイヤルで、シャッタースピードダイヤルはレンズマウント部に設置されています。
このカメラは自動露出ではなく、マニュアル露出機ですが、ファインダー内の露出計の針をある一点に合わせることで適正露出を得られるようになっていました。
基本的に右手でカメラをホールドして、左手でレンズ鏡筒にある絞りを操作して露出を調整するのですが、時に露出調整中にあらかじめセットしていたシャッタースピードも変えたくなることがあります。
その時、従来のカメラはダイヤルがシャッターボタン横にあるために右手を使う必要があり、カメラを持ちかえなければ(右手のホールドを解かなければ)なりませんでしたが、OM-1はそのまま左手で絞りリングと同じ感覚でシャッタースピードを変更することができました。
惜しむらくは、絞りが左に回ると明るく(開く)方向であったのに対して、シャッターは左に回すと暗く(シャッタースピードが速く)なることが気になるくらいでしょうか。
【シャッターボタンの外周リング】
シャッターボタンのまわりに外輪山のようなリング状のカラーが見えます。
この何でもないようなリングが、撮影がテンポよくできるための有効な工夫でした。
シャッターボタンは、押し初めから実際にシャッターが切れるまでにある程度のストロークがありますが、撮影スタンバイ時にシャッターボタンをストロークさせていくと、指の腹がこのカラーにあたったあたりでちょうどいいあんばいにバランスしてとめられる位置があります。この状態からシャッターを押したいと思った時にほんのわずか、指に入力をするだけで、最後の0点何ミリかがストロークしてすとんとシャッターが切れる。この絶妙な操作感がたまらない設計でした。
【巻き戻しクラッチの設置場所】
従来のカメラは、フィルムを使いきったあとに巻き戻しする際、カメラの底についている巻き戻しクラッチボタンを押して巻き上げ機構をフリーにしたのち、巻き戻しクランクを回して巻き戻していました。
このOM-1のウリの一つは、超高級機しか実現していなかった毎秒5コマのモータードライブ撮影が可能である点でしたが、そのモータードライブを装着した状態だと巻き戻しをするたびにカメラ下に装着したドライブユニットを外さないといけなくなります。
そこで、通常はカメラ底面に設定されている巻き戻しクラッチをシャッターボタン下のカメラ前面に移設し、モータードライブユニットを装着したままで巻き戻しができるようにしていました。
ほかにも、被写界深度を確認するための絞込みボタンがレンズ正面から見て左下についていて、絞りを調整しているそのままのホールド状態で、中指もしくは薬指で操作できるとか、使いやすさとかシャッターチャンスを逃さないための工夫など、本当に行き届いた設計でした。
掲載した写真はすべてオリンパス社のホームページから勝手にお借りしてきたものですが、40年以上前、いまのデジタルのメニュー体系などとは全く違う次元で、かくも体の一部のように扱える撮影機械を生み出したオリンパス技術陣・開発陣の技術者魂には頭が下がる思いです。
このOMシリーズの小型軽量化路線は他社一眼レフにも多大な影響を与え、後のNikon FM、PENTAX MXなどもこれに触発されたものだろうと、私は勝手に思っています。
2009年に、このOMシステム全体の開発を統括されていた米谷美久さんがお亡くなりになりました。本当に惜しいことです。
このOM-1の後継の自動露出機であるOM-2も、現代のカメラに採用されるカメラの心臓部である露出制御の基礎を作ったカメラですが、それはまた改めて(^^)

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先日、カメラの記事を書きました。
私のカメラ好きは中学校1年生のころからですが、それは写真を撮る楽しさもさることながら、機械としてのカメラにたいへんな魅力を感じていたからでもあります。
興味のない方には退屈極まりない記事かもしれませんね、ご容赦ください。
そのカメラ小僧の(だった?)私が、結局買いはしませんでしたが、今でも欲しいと思うカメラ、OLYMPUSのOM-1。中学の同級生が初期ロットを所有していてよく触らせてもらっていました。

このOM-1と、後続の自動露出機OM-2を開発していたころのオリンパス社は本当に元気がよく、そのコンセプトは、一眼レフカメラメーカーとして最後発であるハンディキャップを吹き飛ばそうという気概にあふれたものでした。
私が覚えているこのカメラの特徴は以下の通り。
1. 小型軽量、嵩張らない(コマーシャルのキャッチコピーでした)
2. 音が静か(従来の一眼は撮影時のミラー・シャッター音が大きかった)
3. 宇宙からバクテリアまで(内視鏡・顕微鏡メーカーの強み、他社望遠鏡にも対応)
4. 他社がアクセサリーと呼称するものもあえて【システムの一部】として軽視しない
5. 人間工学に基づいた設計(人間工学という言葉をカタログ上で語ったのはこれが最初?)
といった内容だったと思います。
■小型軽量
確かに小さく軽かった。
他社の一眼レフがボディのみ800グラム、50ミリF1.4クラスのレンズ付きで1,000グラムを優に超える時代に、同じレンズ付きで800グラムを切っていたはずです。

同時に開発されたZUIKOレンズ群もボディに合わせて小型軽量に設計されていて、当時手持ち撮影は不可能とされていた300ミリの望遠レンズも、その軽さから三脚なしで撮影できるといわれていました。

特筆に値するのは、一眼レフでは避けられないペンタプリズムの大きさが極めて小さかったこと。
この小ささを実現するために、通常はプリズムの下に配置されていたコンデンサレンズを、プリズムの下面に大きなRを持たせることによって不要として、プリズム全体の高さを低くするという、既存の発想にとらわれない設計がなされました。
こうした創意工夫はこれだけにとどまらず、このカメラ全体の様々な部位にちりばめられていました。
■音が静か
結婚式や、厳粛な場での一眼レフのシャッター音は、いまでいう『KY』的な存在でしたが、OM-1はこれにも対処していました。

これはOM-1のカットイラストですが、ミラーボックス横に立っている円筒形の部品がダンパーで、これが一眼レフに不可欠なミラーが作動するときに働いて、音とショックを吸収する役割を果たしていました。
小型軽量に設計されたOM-1だけに、クイックリターンミラーの音はともかく、ショックは軽視できない要素だったらしく、さすがに無音にはなりませんでしたが、このダンパーで音とショックが軽減され、ぶれも軽減されました。
ただでさえ小さくスペースがないカメラの中に、このような機能部品を入れるオリンパスの当時の技術陣は、本当にいい仕事をしたと思います。
■宇宙からバクテリアまで
もともとオリンパスは内視鏡や顕微鏡を手掛ける光学メーカーでしたが、それを利して、アダプタをはさむことでそれら内視鏡や、他社の望遠鏡と接続させて撮影することも可能にしていました。
こうした【倍率をあげる】撮影には振動が大敵です。
ミラーの動作ショックを軽減するダンパーがおごられるOM-1でも、こうした高倍率撮影の際は、それでも振動を嫌うため、【ミラーアップ機構】がついていました。
当時の高級一眼レフにしかついていなかった機構であったと思いますが、正面から見てレンズマウント左上部分にあるダイヤルを回すことによって、シャッターボタンの操作に関係なく、ミラーアップができ、その状態でシャッターを切ることでミラーショックを回避できるようになっていました。
■人間工学に基づいた設計
実はここがOM-1の真骨頂だ、と私がいまでも感心するところなのですが、この写真で見ると、OM-1は通常のカメラの操作系と同じようなレイアウトをとっているように見えます。

【シャッタースピードダイヤル】
しかし、通常のカメラがシャッタースピードダイヤルとしているシャッターボタン横のダイヤルはフィルム感度ダイヤルで、シャッタースピードダイヤルはレンズマウント部に設置されています。
このカメラは自動露出ではなく、マニュアル露出機ですが、ファインダー内の露出計の針をある一点に合わせることで適正露出を得られるようになっていました。
基本的に右手でカメラをホールドして、左手でレンズ鏡筒にある絞りを操作して露出を調整するのですが、時に露出調整中にあらかじめセットしていたシャッタースピードも変えたくなることがあります。
その時、従来のカメラはダイヤルがシャッターボタン横にあるために右手を使う必要があり、カメラを持ちかえなければ(右手のホールドを解かなければ)なりませんでしたが、OM-1はそのまま左手で絞りリングと同じ感覚でシャッタースピードを変更することができました。
惜しむらくは、絞りが左に回ると明るく(開く)方向であったのに対して、シャッターは左に回すと暗く(シャッタースピードが速く)なることが気になるくらいでしょうか。
【シャッターボタンの外周リング】
シャッターボタンのまわりに外輪山のようなリング状のカラーが見えます。
この何でもないようなリングが、撮影がテンポよくできるための有効な工夫でした。
シャッターボタンは、押し初めから実際にシャッターが切れるまでにある程度のストロークがありますが、撮影スタンバイ時にシャッターボタンをストロークさせていくと、指の腹がこのカラーにあたったあたりでちょうどいいあんばいにバランスしてとめられる位置があります。この状態からシャッターを押したいと思った時にほんのわずか、指に入力をするだけで、最後の0点何ミリかがストロークしてすとんとシャッターが切れる。この絶妙な操作感がたまらない設計でした。
【巻き戻しクラッチの設置場所】
従来のカメラは、フィルムを使いきったあとに巻き戻しする際、カメラの底についている巻き戻しクラッチボタンを押して巻き上げ機構をフリーにしたのち、巻き戻しクランクを回して巻き戻していました。
このOM-1のウリの一つは、超高級機しか実現していなかった毎秒5コマのモータードライブ撮影が可能である点でしたが、そのモータードライブを装着した状態だと巻き戻しをするたびにカメラ下に装着したドライブユニットを外さないといけなくなります。
そこで、通常はカメラ底面に設定されている巻き戻しクラッチをシャッターボタン下のカメラ前面に移設し、モータードライブユニットを装着したままで巻き戻しができるようにしていました。
ほかにも、被写界深度を確認するための絞込みボタンがレンズ正面から見て左下についていて、絞りを調整しているそのままのホールド状態で、中指もしくは薬指で操作できるとか、使いやすさとかシャッターチャンスを逃さないための工夫など、本当に行き届いた設計でした。
掲載した写真はすべてオリンパス社のホームページから勝手にお借りしてきたものですが、40年以上前、いまのデジタルのメニュー体系などとは全く違う次元で、かくも体の一部のように扱える撮影機械を生み出したオリンパス技術陣・開発陣の技術者魂には頭が下がる思いです。
このOMシリーズの小型軽量化路線は他社一眼レフにも多大な影響を与え、後のNikon FM、PENTAX MXなどもこれに触発されたものだろうと、私は勝手に思っています。
2009年に、このOMシステム全体の開発を統括されていた米谷美久さんがお亡くなりになりました。本当に惜しいことです。
このOM-1の後継の自動露出機であるOM-2も、現代のカメラに採用されるカメラの心臓部である露出制御の基礎を作ったカメラですが、それはまた改めて(^^)

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Nikon S2というカメラ
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
このカメラ、Nikon S2というカメラです。

以下、Wikipediaによると、発売は1954年12月で、総生産台数は56715台。
驚いたのは、フィルム巻き戻しに巻き戻しクランクを初採用したのがこのカメラだったそうです。
このカメラは親父が独身の頃に購入したもので、交換レンズは買っていなかったようで、この標準レンズしか手元にはありません。

50mmのF2.0の明るさ。
いまのレンズのように文字は単なるプリントではなく、刻印された中にインクを乗せるというのはこのころは当たり前の造形でした。
このレンズに親父が付けていたレンズ保護用のSkylightフィルタはなんと東芝製。

東芝がフィルタを作っていたなんて、今頃驚いています。
レンズマウント部。

レンズマウントは標準用と望遠系用と思われる二つのバヨネットを備え、標準レンズのマウントはボディ側にピント調節用のヘリコイドがあり、ピント調節を司ります。
ヘリコイドの外側に絞り値が並んでいますが、これは各絞りにおける被写界深度を示します。
例えば、この【無限遠】に合わせた状態で絞りをF4.0に合わせると無限遠から50メートルくらいまで、F16に合わせると無限遠から15メートルくらいまでピントが合う、とわかります。
ちょっとピンぼけのところに赤い字で【R】と刻印されていますが、これは赤外線フィルムを使用するときに、一旦ファインダでピント合わせした後、読み取った距離ダイヤルをこのRに合わせることでピントが合うというもの。
赤外線は可視光線と屈折率が違うための配慮ですが、赤外線フィルムなんて使ったことありませんでした。
この歯車のようなものは先の標準レンズ用ヘリコイドを回すためのギアです。向かって右に見える金属片は、無限遠でロックがかかるヘリコイドのロックを解除するためのもの。

この機構はどうもピントの微調整のためについているようです。
シャッターボタン、巻き上げレバー、フィルムコマ表示板です。

近代のフィルムカメラは裏蓋を開ければ自動的にゼロに戻りましたが、このころはユーザー自らゼロに手動で戻さなければなりませんでした。
シャッターボタンの回りにあるリングは、巻き戻しをするときに右に回して黒丸をボディに刻印されている【R】に合わせて巻き上げギアを解除するためのものです。
シャッターダイアル。

高速側と低速側の二つのダイヤルで構成されていて、1000分の1秒から30分の1秒までは上のダイヤルで、15分の1秒から1秒までは、高速側ダイヤルを【30-1】に合わせた後、下側のダイヤルで希望の低速度を選択するという2アクションが必要でした。
ストロボシンクロは確か60分の1秒以下だったと思います。
アクセサリシューです。

近代の、ストロボをセットすればそれで準備完了といった便利なホットシューではなく、ここにストロボ(フラッシュ)をセットした後、下のシンクロターミナルにシンクロプラグを差し込まないとシャッターを切っても光ってくれません。
これがそのシンクロターミナル。

巻き戻しクランクとシンクロセレクタです。

巻き戻しクランクは先にWikipediaからの引用で書いたように、世界初の採用だったようです。これは知りませんでした。
シンクロセレクタは、説明書(今はマニュアルといいますね^^)を読んで理解ができなかったので、どんな役割をするのかわかっていません。いま読んだらわかるかな?
レンズのバヨネットロック解除レバーです。

レバーをボディ側に押したのち、時計回しに回すと、ボディ側の赤い丸のところでボディから外れます。
レンズをはずして灯りにすかしてみると、カビや曇りは皆無で、大方60年近く前のレンズとしては非常に状態が良いといっていいと思います。
描写は極めてシャープで、これぞニコンの解像度といったカリカリにシャープなものです。

裏ぶたをはずすにはこの蝶々レバーを時計と反対回しに回します。

すると、蝶番がなく、ふたがそっくり外れてフィルムスペースが姿を現します。

いまはデジカメで裏蓋は外れないため、久しぶりに見るととっても新鮮です。
フィルムを光から守るシャッターは布です。

当時のカメラはほとんどこの布製のシャッター幕を使用していたため、説明書には、明るいレンズを装着している時は決してレンズを太陽に向けないこと、という注意書きがありました。
カメラのホールドは、このように人差し指をシャッタボタンの上に置くと、自然に中指がピント調節用のギアにかかるようになっています。

このカメラ、露出計などついていない100%機械式のカメラで、30分の1秒より長いシャッタースピードを切るときは『じ~』というギア音が聞こえます。これも今の電子式シャッターでは聞こえないメカメカしさ。
驚いたことに、このカメラ、いまでも完全に動いてくれます。
ずしりとした金属の冷たい感触は、いまの樹脂でできた軽いカメラにはない圧倒的な存在感があって、手に取るたびにい~な~と頬が緩みます。
この写真で露出を覚え、写真の楽しさを覚えました。
記念すべき私の写真の先生でした。

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このカメラ、Nikon S2というカメラです。

以下、Wikipediaによると、発売は1954年12月で、総生産台数は56715台。
驚いたのは、フィルム巻き戻しに巻き戻しクランクを初採用したのがこのカメラだったそうです。
このカメラは親父が独身の頃に購入したもので、交換レンズは買っていなかったようで、この標準レンズしか手元にはありません。

50mmのF2.0の明るさ。
いまのレンズのように文字は単なるプリントではなく、刻印された中にインクを乗せるというのはこのころは当たり前の造形でした。
このレンズに親父が付けていたレンズ保護用のSkylightフィルタはなんと東芝製。

東芝がフィルタを作っていたなんて、今頃驚いています。
レンズマウント部。

レンズマウントは標準用と望遠系用と思われる二つのバヨネットを備え、標準レンズのマウントはボディ側にピント調節用のヘリコイドがあり、ピント調節を司ります。
ヘリコイドの外側に絞り値が並んでいますが、これは各絞りにおける被写界深度を示します。
例えば、この【無限遠】に合わせた状態で絞りをF4.0に合わせると無限遠から50メートルくらいまで、F16に合わせると無限遠から15メートルくらいまでピントが合う、とわかります。
ちょっとピンぼけのところに赤い字で【R】と刻印されていますが、これは赤外線フィルムを使用するときに、一旦ファインダでピント合わせした後、読み取った距離ダイヤルをこのRに合わせることでピントが合うというもの。
赤外線は可視光線と屈折率が違うための配慮ですが、赤外線フィルムなんて使ったことありませんでした。
この歯車のようなものは先の標準レンズ用ヘリコイドを回すためのギアです。向かって右に見える金属片は、無限遠でロックがかかるヘリコイドのロックを解除するためのもの。

この機構はどうもピントの微調整のためについているようです。
シャッターボタン、巻き上げレバー、フィルムコマ表示板です。

近代のフィルムカメラは裏蓋を開ければ自動的にゼロに戻りましたが、このころはユーザー自らゼロに手動で戻さなければなりませんでした。
シャッターボタンの回りにあるリングは、巻き戻しをするときに右に回して黒丸をボディに刻印されている【R】に合わせて巻き上げギアを解除するためのものです。
シャッターダイアル。

高速側と低速側の二つのダイヤルで構成されていて、1000分の1秒から30分の1秒までは上のダイヤルで、15分の1秒から1秒までは、高速側ダイヤルを【30-1】に合わせた後、下側のダイヤルで希望の低速度を選択するという2アクションが必要でした。
ストロボシンクロは確か60分の1秒以下だったと思います。
アクセサリシューです。

近代の、ストロボをセットすればそれで準備完了といった便利なホットシューではなく、ここにストロボ(フラッシュ)をセットした後、下のシンクロターミナルにシンクロプラグを差し込まないとシャッターを切っても光ってくれません。
これがそのシンクロターミナル。

巻き戻しクランクとシンクロセレクタです。

巻き戻しクランクは先にWikipediaからの引用で書いたように、世界初の採用だったようです。これは知りませんでした。
シンクロセレクタは、説明書(今はマニュアルといいますね^^)を読んで理解ができなかったので、どんな役割をするのかわかっていません。いま読んだらわかるかな?
レンズのバヨネットロック解除レバーです。

レバーをボディ側に押したのち、時計回しに回すと、ボディ側の赤い丸のところでボディから外れます。
レンズをはずして灯りにすかしてみると、カビや曇りは皆無で、大方60年近く前のレンズとしては非常に状態が良いといっていいと思います。
描写は極めてシャープで、これぞニコンの解像度といったカリカリにシャープなものです。

裏ぶたをはずすにはこの蝶々レバーを時計と反対回しに回します。

すると、蝶番がなく、ふたがそっくり外れてフィルムスペースが姿を現します。

いまはデジカメで裏蓋は外れないため、久しぶりに見るととっても新鮮です。
フィルムを光から守るシャッターは布です。

当時のカメラはほとんどこの布製のシャッター幕を使用していたため、説明書には、明るいレンズを装着している時は決してレンズを太陽に向けないこと、という注意書きがありました。
カメラのホールドは、このように人差し指をシャッタボタンの上に置くと、自然に中指がピント調節用のギアにかかるようになっています。

このカメラ、露出計などついていない100%機械式のカメラで、30分の1秒より長いシャッタースピードを切るときは『じ~』というギア音が聞こえます。これも今の電子式シャッターでは聞こえないメカメカしさ。
驚いたことに、このカメラ、いまでも完全に動いてくれます。
ずしりとした金属の冷たい感触は、いまの樹脂でできた軽いカメラにはない圧倒的な存在感があって、手に取るたびにい~な~と頬が緩みます。
この写真で露出を覚え、写真の楽しさを覚えました。
記念すべき私の写真の先生でした。

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