Micro NIKKOR 55mm F2.8Sのテストショット
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日修理から帰ってきたMicro NIKKOR 55mm F2.8S。
最近は春の花もみんな散ってきて、拙者のための被写体があんまり見られなくなってきたのですが、まあそうは言っても、なにか撮れるでしょうと、朝の散歩道のお供に連れ出しました。
ムラサキツメクサ。
1/250秒 F2.8(開放)

1/250秒 F2.8(開放)

1/250秒 F4(開放)

1/160秒 F8

先日修理から帰ってきたMicro NIKKOR 55mm F2.8S。
最近は春の花もみんな散ってきて、拙者のための被写体があんまり見られなくなってきたのですが、まあそうは言っても、なにか撮れるでしょうと、朝の散歩道のお供に連れ出しました。
ムラサキツメクサ。
1/250秒 F2.8(開放)

1/250秒 F2.8(開放)

1/250秒 F4(開放)

1/160秒 F8

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Nikon F2 Photomic A
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
も少しカメラネタ続きます(^^;
詳細を紹介しない訳にはいかない宝物ですよ。
Nikon F2 Photomic A。

このカメラ、Nikonのプロ用カメラとしては2代目のボディにAi絞り連動方式のPhotomic Aファインダーを載せたバージョンです。
1959年に、Nikonは初の一眼レフカメラ、Nikon Fを発売しますが、その12年後の1971年に次号機 F2が発表されます。
外観はとても良くにていますが、中身はほとんど全部新設計/新造と言っていいんじゃないかと思います。
外観上のいちばんの違いは、Nikon FはレンジファインダーカメラのNikon SPボディを流用した設計であったため、シャッターボタンが軍艦部の背面に近い方に配置されていたのに対し、F2はより押しやすい前面に近い方に移動されたこと。
Fのシャッターボタンの配置は、もともとSPでは交換レンズ(たぶん広角から標準系まで)のピント調整をボディのマウント側に作られたヘリコイドを使って行なっており、その操作をちょうど一般的なシャッターボタンの位置に設置されたギアを中指で操作することで自然にシャッターボタンの位置に人差し指が来るような設計になっていたので、そのボディの機構を流用したためだと思います。
Nikon F、F2ともにプロ用機としては群を抜く耐久性を誇っており、様々な逸話が残っています。
特にFでは『海水に水没してしまったけど、真水に浸けて持ち帰り、オーバーホールに出したらちゃんと動作するようになって帰ってきた』とか、『戦場の従軍カメラマンが流れ弾を被弾したが、偶然にもNikon Fに着弾して命拾いした』とか。
Nikon F2においては、その耐久性は『永く(長く じゃない)使える』というのが印象的で、シャッターの耐久性は実に15万ショットと言われています。
私のNikon D750は2015年5月頃から使い始めて現在ちょうどまる8年(!! もうそんなにたつのか)を過ぎたところですが、まだ16,000ショットを超えたところです。
このペースで使ってもざっと75年、D750購入時からF2を使い始めたとしても残り67年はかかるわけで、フルメカニカルで内部はギアやスプリングの類で構成されているシャッターが、これほどの耐久性を有しているというのは驚異的というほかありません。
一方、Nikon F2とほぼ同時期に発売されたCanon F1は露出計をボディ内に配置したことで非常にスマートな外観を持ち、また、Canonの考え方として、広角から望遠に至るまで色のバランスを統一する(要するにレンズ間で色のばらつきを出さない)という思想を持っていたため、Canon F1はカラーを多用する広告分野で強く、耐久性が信条だったNikon F2は報道分野で活躍するというふうに、意図せずに舞台というか、得意分野が別れていたようです。
さて、そんなNikon F2のアウトラインです。
も少しカメラネタ続きます(^^;
詳細を紹介しない訳にはいかない宝物ですよ。
Nikon F2 Photomic A。

このカメラ、Nikonのプロ用カメラとしては2代目のボディにAi絞り連動方式のPhotomic Aファインダーを載せたバージョンです。
1959年に、Nikonは初の一眼レフカメラ、Nikon Fを発売しますが、その12年後の1971年に次号機 F2が発表されます。
外観はとても良くにていますが、中身はほとんど全部新設計/新造と言っていいんじゃないかと思います。
外観上のいちばんの違いは、Nikon FはレンジファインダーカメラのNikon SPボディを流用した設計であったため、シャッターボタンが軍艦部の背面に近い方に配置されていたのに対し、F2はより押しやすい前面に近い方に移動されたこと。
Fのシャッターボタンの配置は、もともとSPでは交換レンズ(たぶん広角から標準系まで)のピント調整をボディのマウント側に作られたヘリコイドを使って行なっており、その操作をちょうど一般的なシャッターボタンの位置に設置されたギアを中指で操作することで自然にシャッターボタンの位置に人差し指が来るような設計になっていたので、そのボディの機構を流用したためだと思います。
Nikon F、F2ともにプロ用機としては群を抜く耐久性を誇っており、様々な逸話が残っています。
特にFでは『海水に水没してしまったけど、真水に浸けて持ち帰り、オーバーホールに出したらちゃんと動作するようになって帰ってきた』とか、『戦場の従軍カメラマンが流れ弾を被弾したが、偶然にもNikon Fに着弾して命拾いした』とか。
Nikon F2においては、その耐久性は『永く(長く じゃない)使える』というのが印象的で、シャッターの耐久性は実に15万ショットと言われています。
私のNikon D750は2015年5月頃から使い始めて現在ちょうどまる8年(!! もうそんなにたつのか)を過ぎたところですが、まだ16,000ショットを超えたところです。
このペースで使ってもざっと75年、D750購入時からF2を使い始めたとしても残り67年はかかるわけで、フルメカニカルで内部はギアやスプリングの類で構成されているシャッターが、これほどの耐久性を有しているというのは驚異的というほかありません。
一方、Nikon F2とほぼ同時期に発売されたCanon F1は露出計をボディ内に配置したことで非常にスマートな外観を持ち、また、Canonの考え方として、広角から望遠に至るまで色のバランスを統一する(要するにレンズ間で色のばらつきを出さない)という思想を持っていたため、Canon F1はカラーを多用する広告分野で強く、耐久性が信条だったNikon F2は報道分野で活躍するというふうに、意図せずに舞台というか、得意分野が別れていたようです。
さて、そんなNikon F2のアウトラインです。
Micro NIKKOR 55mm F2.8Sの修理が完了しました
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
6月にいただいたMicro NIKKOR 55mm F2.8S。
前にも書きましたが、このレンズ、1982年頃にリリースされて、つい1〜2年前までAF化もされずに生産が続けられてとうとうディスコンになったというNIKKORレンズの中でも指折りの名玉です。
レンズのガラスの状態はとても良く、試写してみたところ、シャープネスもバッチリでしたが、絞り羽が動いていないことに気が付きました。
あと、理由はわからないのですが、ピントリングのゴムの滑り止めが欠損していたので、両方合わせて修理、補充をしてもらうことにしました。
私が以前からちょいちょいブログを拝見している愛知県の『カメラ修理工房 ミノハさん』にお願いしようと思っていたのですが、ピントリングのゴム追加を含めると同じくらいの金額だったため、今回はNikonのサービスセンターにお願いをしました。
ピントリングのゴムがなかったらミノハさんにお願いしていたでしょうね(^^;
7月某日、サービスセンターから修理完了の連絡をいただいたので取りに行ってきました。
大阪駅前のNikon Plazaはすでになく、心斎橋のサービスセンターまでやってまいりました。

修理受け取りの受付をしていただいたあと、展示されているレンズを付けて撮ってみたりしました。
こちら、魚眼系のズームレンズ、こんなのあったんだ。
焦点距離レンジを記録するの忘れましたが、これは15mmで撮っている。

呼び出されたので取りに来ました。
D750のボディを持って行っていたので早速装着してみました。
やっぱりMFレンズはコンパクトで軽くていいな(撮影はCanonのPS G7X M2 ^^;)。

納品書です。

6月にいただいたMicro NIKKOR 55mm F2.8S。
前にも書きましたが、このレンズ、1982年頃にリリースされて、つい1〜2年前までAF化もされずに生産が続けられてとうとうディスコンになったというNIKKORレンズの中でも指折りの名玉です。
レンズのガラスの状態はとても良く、試写してみたところ、シャープネスもバッチリでしたが、絞り羽が動いていないことに気が付きました。
あと、理由はわからないのですが、ピントリングのゴムの滑り止めが欠損していたので、両方合わせて修理、補充をしてもらうことにしました。
私が以前からちょいちょいブログを拝見している愛知県の『カメラ修理工房 ミノハさん』にお願いしようと思っていたのですが、ピントリングのゴム追加を含めると同じくらいの金額だったため、今回はNikonのサービスセンターにお願いをしました。
ピントリングのゴムがなかったらミノハさんにお願いしていたでしょうね(^^;
7月某日、サービスセンターから修理完了の連絡をいただいたので取りに行ってきました。
大阪駅前のNikon Plazaはすでになく、心斎橋のサービスセンターまでやってまいりました。

修理受け取りの受付をしていただいたあと、展示されているレンズを付けて撮ってみたりしました。
こちら、魚眼系のズームレンズ、こんなのあったんだ。
焦点距離レンジを記録するの忘れましたが、これは15mmで撮っている。

呼び出されたので取りに来ました。
D750のボディを持って行っていたので早速装着してみました。
やっぱりMFレンズはコンパクトで軽くていいな(撮影はCanonのPS G7X M2 ^^;)。

納品書です。

NIKKOR Auto-Q-C 200mm F4 一本勝負!
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
Nikonのオールドレンズ、NIKKOR 200mm F4。
今日もこの200ミリ単焦点、一本勝負。
■1/640秒 F5.6

■1/800秒 F4.0

■1/250秒 F5.6

■1/500秒 F5.6

■1/200秒 F5.6

■1/800秒 F4.0

■1/640秒 F4.0

■1/640秒 F4.0

■1/500秒 F4.0

■1/320秒 F4.0

■1/250秒 F4.0

■1/800秒 F4.0

このレンズ、もちろん中古ですが、Amazonでも手に入るようです。
これ、本日現在あと一本だけらしい。
早いもん勝ちですよ〜
▶このレンズの記事
▶拙ブログのお客様から宝物が届きました m(_ _)m
▶Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 予習編 カニの爪とAi方式ってナニ? 〜
▶Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 予習後編 Ai化の具体的方法 〜
▶Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 実行編 有意注意しないとドツボにハマるぞ 〜
▶NIKKOR-Q 200mm F4.0 〜Ai改造後のテストショット〜

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Nikonのオールドレンズ、NIKKOR 200mm F4。
今日もこの200ミリ単焦点、一本勝負。
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このレンズ、もちろん中古ですが、Amazonでも手に入るようです。
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カメラの露出 外部測光・絞り込み測光・開放測光
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日のオールドNIKKORレンズのAi方式への改造の記事を読んで、なぜAiではあの削り方をするだけで『レンズを装着しただけで開放F値がボディに伝わるのかわからないので、もう少し教えて!』というブログフォーム経由のメールをいただきました。
件の記事の解説ではかなり駆け足だった嫌いはあるなぁと個人的にも思っていましたので、もうちょっと掘り下げて書こうかな、と思います。
まず基礎知識です。
■適正露出ってナニ?
もちろん、適正露出というのは様々なシーンにおいて千差万別な定義ができるのですが、露出計で計測する露出においては、やはり具体的な定義が必要で、露出計においては【18%の反射率を持つグレーカードを正しくグレーに表現する露出】が適正露出と定義されています。
まあ、これはあまり憶えておかなくてもいい知識ですが、ナニがいいたいかと言うと、適正露出というのは、機械的に言うと【どんなグレースケールでも、みんな同じグレーに写ってしまう露出量】だということです。
そこには暗いものは暗く表現するとか、明るいものは明るく表現するというような恣意的な表現のための加減はありません。
ただ、これから説明する露出の値に関係するので説明をさせていただきました。
■露出量を表現する『EV値』という値
露出量を表す単位に『EV値』というものがあります。
これは『Exposure Value』の略で、日本語で『EV値』と書くと『露出の値の値』という意味になってしまうのですが、まあ一般的にもう『EV値』というのが定着してしまっていますので本稿でも『EV値』と表記します。
このEV値は、『ISO感度=100、シャッタースピード=1秒、絞り値=F1.0 で適正露出が得られる露出量をEV0』と定義しています。

このEV0から、絞りだけを1段絞ってF1.4にして、シャッタースピード1秒で適正露出が得られるのがEV1です。
つまり、露出量が一段分減ったときに適正露出が得られる明るさでEV値が1ずつ上がっていくということですね。
これを、ISO100の感度でのシャッタースピードと絞りの組み合わせで適正露出量が得られるEV値を一覧にしました。
これをご覧いただくとおわかりいただけると思うのですが、『1秒 F1.4』で適正露出が得られるEV値と『1/2秒 F1.0』で適正露出が得られるEV値は、いずれもEV1で同じです。
同様に、『1/125秒 F2.0』と『1/250秒 F1.4』も、両方ともEV9です。
このように、あるシャッタースピードと絞りの組み合わせから、絞りを1段開け、シャッタースピードを1段速くすれば同じ露出量であるわけです。
この辺の露出量の考え方については過去の記事にも書いてありますので、ご興味のある方はご覧ください(そっちのほうがわかりやすいかも)。
▶カメラの露出 ~ シャッタースピードと絞りの関係
■外部露出計(ニコンメーター)の場合
ニコンメーターはNikon Fの軍艦部、ペンタプリズムを囲うように配置されており、その一方にカメラ軍艦部の【シャッタースピードダイヤル】が接続されてシャッタースピードが何分の一秒かを読み取り、【絞りリング】に設置されたカニの爪をニコンメーターのピンが拾って絞り値を読み取っています。
ニコンメーターは外部測光なので、ニコンメーターの受光部が向いている被写体の明るさをEV値として受け取ります(実際にはその明るさに応じて起電流が発生し、その量によってEV値を知るようになっています)。
これでメーターの指針を動かし、撮影者はボディからニコンメーターがカメラボディから受け取ったシャッタースピードと絞り値の組み合わせを動かしてメーターの指針に適正露出が合致するように調整するという仕組みです。
このとき、ニコンメーターは被写体の明るさをそのままEV値として感知しますので、上の表のシャッタースピードと絞りの組み合わせを見つけるためには、シャッタースピードと絞り値の絶対値をボディから受け取らないと、いまボディ側で設定しているシャッタースピードと絞りの組み合わせで適正露出が得られるか否かがわからないのです。
これが、ニコンメーター開発時にNIKKORレンズにカニの爪が採用され、その取り付け位置をすべてのレンズでF5.6の位置に統一した理由です。
要約しますと、外部露出計(外部測光)の場合は、
・露出計による測光はカメラ本体とは切り離された状態で単独で行なわれ、純粋に被写体の明るさ(EV値)を測定します。
・露出計は測定したEV値を元に適正露出になるレベルを指針で表示し、撮影者に見せます。
・露出計はカメラ側からシャッタースピードと絞りの情報を受け取り、その組み合わせによって適正露出が得られるEV値を設定情報として撮影者に見せます。
・撮影者は露出計が示すEV値と、シャッタースピードと絞り値によって得られるEV値が一致するよう、シャッタースピードと絞り値を調整し、適正露出を得ます。
極端なことを言うと、外部測光の場合でも、カメラの外で得られた明るさの被写体は、(仮に⇒のようなレンズがあったとしたら)その露出計が測定している明るさのまま像面に光が届くレンズであれば、その明るさに対して何秒のシャッタースピードを切れば適正露出が得られるかを計算すればすみますが、実際には先に示したように焦点距離と絞りの口径によって絞り値が決まり、その分、光の量は減少してしまうので外部露出計はカメラ側のシャッタースピードと絞り値の情報を入手し、適正露出とのズレがどれくらいあるかを撮影者に示して、適正露出にするためのシャッタースピードと絞り値の組み合わせ決定の参考にしてもらうように露出計メーターで示しているのです。
■TTL(Through The Lens)測光の場合
外部測光と違い、TTL測光(Through The Lens)では、文字通り、撮影するレンズを通ってきた光を測光します。
TTL測光が開発された当時はデジタルカメラはなく、フィルムカメラしかありませんから撮像素子による測光は無理なので、第二の結像面である撮影者がファインダーから覗いて見るフォーカシングスクリーンの明るさを測定します。
(1)絞り込み測光
TTL測光が登場した初期は、現在のような開放測光ではなく、【絞り込測光】からスタートしました。
絞り込み測光とは、レンズにセットされた絞りまで絞り込んだ状態で測光するという方法で、フォーカシングスクリーンに映っている被写体の明るさは、実際に撮影時に絞られた状態の明るさをもっているので、この明るさに対して何秒のシャッタースピードで露光してやれば適正露出が得られるかを計算してあげれば良くなりました。
これが外部露出計による測光との最も大きな違いです。
つまり、実際に露光面に届いた光はすでに絞りが絞り込まれた状態の光であるため、光の量は実際に撮影時に露光面に届く量まで絞られていることになるため、あとはそれをどれくらいの時間、露光面に当ててやるか(シャッタースピードを何秒にするか)を決めてあげればいいだけ、ということです。
では、TTL絞り込み測光の場合、どのようにして露出を決めていたのでしょうか?
これは一眼レフ機のファインダーを覗いた時の状態を模式図にしたものです。

中央の薄いブルーの丸はピントを合わせるためのスプリットプリズム または マイクロプリズムです。
画面右側にあるのが『露出計のゲージ』で、画面からはみ出したような形のところに上下から伸びている濃い色のバーの間の切欠きの部分に針を合わせると適正露出になるという使い方をします。
針がオレンジ色に塗った針の位置にあると露出オーバー、中央の青に塗った針のところなら適正露出、濃い青は露出アンダーという具合に、絞りリングを回して実際に絞りが動くと、画面の明るさが変わると同時に針が無段階に動いてその時点での露出がオーバーなのか、アンダーなのか、適正露出なのかを撮影者に見せてくれる構造です(実際の針は黒一色です)。
あるいは絞りを先に決めておいて、シャッタースピードダイヤルを動かしても、その場合は画面の明るさは変わらないけれどもファインダー内の露出計の針は動いて、やはり適正露出に導いてくれます。
この絞り込み測光の場合は、レンズを通ってきた実際に撮影される光の量の増減を測光するため、レンズとボディの間には絞り値を連携するための伝達機構は不要です。
(2)開放測光
開放測光の場合でも、絞り込み測光のときと同様に、撮影するレンズを通ってきた光を測光します。
違うのは、レンズの絞りリングがどの絞り値にセットされていても、絞りは開放の状態で測光されるという点です。
絞り込み測光のところで書いたように、もしレンズを開放でのみ使うのであれば、レンズとボディの間で絞り値を連携するための伝達機構は不要です。
しかし、実際に絞りを絞り込んでも、開放測光の場合は絞りは開放のままで、実際にシャッターが切られる直前に初めて設定した絞りまで絞り込まれるので、測光のときは絞りリングが開放からどれくらい絞り込まれているかをボディ側に伝えてあげないと、適正露出を導くことができなくなります。
そこで、TTL開放測光ではそのレンズが『開放から何絞り分絞られているかをボディに伝える』必要が出てきました。
このため、NikonのAi方式ではすべてのレンズに開放F値のときに露出計連動ガイドが常にボディ側の露出計連動レバーのスタート位置に来るような位置関係で整形されるようになったのです。
こうすることで、絞りリングがどのF値を示していたとしても、レンズ装着と同時にそのレンズが『開放から何絞り絞り込まれているか』がボディ側に伝わる(大事なのはレンズの開放F値が伝わるのではなく、開放から何絞り絞り込まれているかが伝わるという点)ので、絞り開放状態で測光しておけば、その時のシャッタースピードを、何段絞られたかを加味することで決定することができるというわけです(先に示したEV一覧表の応用)。
NikonのAi方式が登場した当初、また、他社がNikonよりも遥かに先んじて同様の機構を採用していたときはこのようなアナログな絞り伝達機構であったため、ボディ側ではシャッタースピードや、いま装着しているレンズが『何段絞られているか』はわかっても、『実際にセットされている絞り値を知ることはできませんでした。
しかし、1993年頃からだと思いますが、レンズ内にCPU(私はそんな大げさなものではなく、単にROMのチップだと思いますが)が埋め込まれるようになると、実際にセットされている絞り値がマウント部に設けられた電気的な接点を介してボディ側に伝えられ、より精密な情報管理ができるように進化していきます。
こうしたことから、現在のデジタルカメラでは、撮影データとしてExifにシャッタースピードやISO感度だけではなく、その時の絞り値が記録できるようになっています。
■参考記事■
▶デジタル一眼とコンパクトデジカメ
▶カメラの露出 ~ シャッタースピードと絞りの関係
▶カメラの絞り値について
ちょっと私の文章ってくどいので、これがわかりやすいかと自問すると甚だ疑問なのですが、まあこんな感じです(^^;
『わからんわ!』という苦情も歓迎です(^^;
お時間がある方は感想などお寄せくださいませ m(_ _)m

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先日のオールドNIKKORレンズのAi方式への改造の記事を読んで、なぜAiではあの削り方をするだけで『レンズを装着しただけで開放F値がボディに伝わるのかわからないので、もう少し教えて!』というブログフォーム経由のメールをいただきました。
件の記事の解説ではかなり駆け足だった嫌いはあるなぁと個人的にも思っていましたので、もうちょっと掘り下げて書こうかな、と思います。
まず基礎知識です。
■適正露出ってナニ?
もちろん、適正露出というのは様々なシーンにおいて千差万別な定義ができるのですが、露出計で計測する露出においては、やはり具体的な定義が必要で、露出計においては【18%の反射率を持つグレーカードを正しくグレーに表現する露出】が適正露出と定義されています。
まあ、これはあまり憶えておかなくてもいい知識ですが、ナニがいいたいかと言うと、適正露出というのは、機械的に言うと【どんなグレースケールでも、みんな同じグレーに写ってしまう露出量】だということです。
そこには暗いものは暗く表現するとか、明るいものは明るく表現するというような恣意的な表現のための加減はありません。
ただ、これから説明する露出の値に関係するので説明をさせていただきました。
■露出量を表現する『EV値』という値
露出量を表す単位に『EV値』というものがあります。
これは『Exposure Value』の略で、日本語で『EV値』と書くと『露出の値の値』という意味になってしまうのですが、まあ一般的にもう『EV値』というのが定着してしまっていますので本稿でも『EV値』と表記します。
このEV値は、『ISO感度=100、シャッタースピード=1秒、絞り値=F1.0 で適正露出が得られる露出量をEV0』と定義しています。

このEV0から、絞りだけを1段絞ってF1.4にして、シャッタースピード1秒で適正露出が得られるのがEV1です。
つまり、露出量が一段分減ったときに適正露出が得られる明るさでEV値が1ずつ上がっていくということですね。
これを、ISO100の感度でのシャッタースピードと絞りの組み合わせで適正露出量が得られるEV値を一覧にしました。
これをご覧いただくとおわかりいただけると思うのですが、『1秒 F1.4』で適正露出が得られるEV値と『1/2秒 F1.0』で適正露出が得られるEV値は、いずれもEV1で同じです。
同様に、『1/125秒 F2.0』と『1/250秒 F1.4』も、両方ともEV9です。
このように、あるシャッタースピードと絞りの組み合わせから、絞りを1段開け、シャッタースピードを1段速くすれば同じ露出量であるわけです。
この辺の露出量の考え方については過去の記事にも書いてありますので、ご興味のある方はご覧ください(そっちのほうがわかりやすいかも)。
▶カメラの露出 ~ シャッタースピードと絞りの関係
■外部露出計(ニコンメーター)の場合
ニコンメーターはNikon Fの軍艦部、ペンタプリズムを囲うように配置されており、その一方にカメラ軍艦部の【シャッタースピードダイヤル】が接続されてシャッタースピードが何分の一秒かを読み取り、【絞りリング】に設置されたカニの爪をニコンメーターのピンが拾って絞り値を読み取っています。
ニコンメーターは外部測光なので、ニコンメーターの受光部が向いている被写体の明るさをEV値として受け取ります(実際にはその明るさに応じて起電流が発生し、その量によってEV値を知るようになっています)。
これでメーターの指針を動かし、撮影者はボディからニコンメーターがカメラボディから受け取ったシャッタースピードと絞り値の組み合わせを動かしてメーターの指針に適正露出が合致するように調整するという仕組みです。
このとき、ニコンメーターは被写体の明るさをそのままEV値として感知しますので、上の表のシャッタースピードと絞りの組み合わせを見つけるためには、シャッタースピードと絞り値の絶対値をボディから受け取らないと、いまボディ側で設定しているシャッタースピードと絞りの組み合わせで適正露出が得られるか否かがわからないのです。
これが、ニコンメーター開発時にNIKKORレンズにカニの爪が採用され、その取り付け位置をすべてのレンズでF5.6の位置に統一した理由です。
要約しますと、外部露出計(外部測光)の場合は、
・露出計による測光はカメラ本体とは切り離された状態で単独で行なわれ、純粋に被写体の明るさ(EV値)を測定します。
・露出計は測定したEV値を元に適正露出になるレベルを指針で表示し、撮影者に見せます。
・露出計はカメラ側からシャッタースピードと絞りの情報を受け取り、その組み合わせによって適正露出が得られるEV値を設定情報として撮影者に見せます。
・撮影者は露出計が示すEV値と、シャッタースピードと絞り値によって得られるEV値が一致するよう、シャッタースピードと絞り値を調整し、適正露出を得ます。
極端なことを言うと、外部測光の場合でも、カメラの外で得られた明るさの被写体は、(仮に⇒のようなレンズがあったとしたら)その露出計が測定している明るさのまま像面に光が届くレンズであれば、その明るさに対して何秒のシャッタースピードを切れば適正露出が得られるかを計算すればすみますが、実際には先に示したように焦点距離と絞りの口径によって絞り値が決まり、その分、光の量は減少してしまうので外部露出計はカメラ側のシャッタースピードと絞り値の情報を入手し、適正露出とのズレがどれくらいあるかを撮影者に示して、適正露出にするためのシャッタースピードと絞り値の組み合わせ決定の参考にしてもらうように露出計メーターで示しているのです。
■TTL(Through The Lens)測光の場合
外部測光と違い、TTL測光(Through The Lens)では、文字通り、撮影するレンズを通ってきた光を測光します。
TTL測光が開発された当時はデジタルカメラはなく、フィルムカメラしかありませんから撮像素子による測光は無理なので、第二の結像面である撮影者がファインダーから覗いて見るフォーカシングスクリーンの明るさを測定します。
(1)絞り込み測光
TTL測光が登場した初期は、現在のような開放測光ではなく、【絞り込測光】からスタートしました。
絞り込み測光とは、レンズにセットされた絞りまで絞り込んだ状態で測光するという方法で、フォーカシングスクリーンに映っている被写体の明るさは、実際に撮影時に絞られた状態の明るさをもっているので、この明るさに対して何秒のシャッタースピードで露光してやれば適正露出が得られるかを計算してあげれば良くなりました。
これが外部露出計による測光との最も大きな違いです。
つまり、実際に露光面に届いた光はすでに絞りが絞り込まれた状態の光であるため、光の量は実際に撮影時に露光面に届く量まで絞られていることになるため、あとはそれをどれくらいの時間、露光面に当ててやるか(シャッタースピードを何秒にするか)を決めてあげればいいだけ、ということです。
では、TTL絞り込み測光の場合、どのようにして露出を決めていたのでしょうか?
これは一眼レフ機のファインダーを覗いた時の状態を模式図にしたものです。

中央の薄いブルーの丸はピントを合わせるためのスプリットプリズム または マイクロプリズムです。
画面右側にあるのが『露出計のゲージ』で、画面からはみ出したような形のところに上下から伸びている濃い色のバーの間の切欠きの部分に針を合わせると適正露出になるという使い方をします。
針がオレンジ色に塗った針の位置にあると露出オーバー、中央の青に塗った針のところなら適正露出、濃い青は露出アンダーという具合に、絞りリングを回して実際に絞りが動くと、画面の明るさが変わると同時に針が無段階に動いてその時点での露出がオーバーなのか、アンダーなのか、適正露出なのかを撮影者に見せてくれる構造です(実際の針は黒一色です)。
あるいは絞りを先に決めておいて、シャッタースピードダイヤルを動かしても、その場合は画面の明るさは変わらないけれどもファインダー内の露出計の針は動いて、やはり適正露出に導いてくれます。
この絞り込み測光の場合は、レンズを通ってきた実際に撮影される光の量の増減を測光するため、レンズとボディの間には絞り値を連携するための伝達機構は不要です。
(2)開放測光
開放測光の場合でも、絞り込み測光のときと同様に、撮影するレンズを通ってきた光を測光します。
違うのは、レンズの絞りリングがどの絞り値にセットされていても、絞りは開放の状態で測光されるという点です。
絞り込み測光のところで書いたように、もしレンズを開放でのみ使うのであれば、レンズとボディの間で絞り値を連携するための伝達機構は不要です。
しかし、実際に絞りを絞り込んでも、開放測光の場合は絞りは開放のままで、実際にシャッターが切られる直前に初めて設定した絞りまで絞り込まれるので、測光のときは絞りリングが開放からどれくらい絞り込まれているかをボディ側に伝えてあげないと、適正露出を導くことができなくなります。
そこで、TTL開放測光ではそのレンズが『開放から何絞り分絞られているかをボディに伝える』必要が出てきました。
このため、NikonのAi方式ではすべてのレンズに開放F値のときに露出計連動ガイドが常にボディ側の露出計連動レバーのスタート位置に来るような位置関係で整形されるようになったのです。
こうすることで、絞りリングがどのF値を示していたとしても、レンズ装着と同時にそのレンズが『開放から何絞り絞り込まれているか』がボディ側に伝わる(大事なのはレンズの開放F値が伝わるのではなく、開放から何絞り絞り込まれているかが伝わるという点)ので、絞り開放状態で測光しておけば、その時のシャッタースピードを、何段絞られたかを加味することで決定することができるというわけです(先に示したEV一覧表の応用)。
NikonのAi方式が登場した当初、また、他社がNikonよりも遥かに先んじて同様の機構を採用していたときはこのようなアナログな絞り伝達機構であったため、ボディ側ではシャッタースピードや、いま装着しているレンズが『何段絞られているか』はわかっても、『実際にセットされている絞り値を知ることはできませんでした。
しかし、1993年頃からだと思いますが、レンズ内にCPU(私はそんな大げさなものではなく、単にROMのチップだと思いますが)が埋め込まれるようになると、実際にセットされている絞り値がマウント部に設けられた電気的な接点を介してボディ側に伝えられ、より精密な情報管理ができるように進化していきます。
こうしたことから、現在のデジタルカメラでは、撮影データとしてExifにシャッタースピードやISO感度だけではなく、その時の絞り値が記録できるようになっています。
■参考記事■
▶デジタル一眼とコンパクトデジカメ
▶カメラの露出 ~ シャッタースピードと絞りの関係
▶カメラの絞り値について
ちょっと私の文章ってくどいので、これがわかりやすいかと自問すると甚だ疑問なのですが、まあこんな感じです(^^;
『わからんわ!』という苦情も歓迎です(^^;
お時間がある方は感想などお寄せくださいませ m(_ _)m

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Micro NIKKOR 55mm F2.8と 85mm F2.0テストショット
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
も少しだけOld NIKKORレンズの記事を続けます。
kub1951さんからカメラとレンズが届いたその日、辛抱できずに撮った写真が2枚。
Micro NIKKOR 55mm F2.8といえば、数あるNIKKORレンズの中でも特に銘玉中の銘玉とも称される素晴らしいレンズです。
このレンズがリリースされたのは1981年。
私もこのレンズの存在はリリース当初から知っておりまして、当時はあまりマクロ撮影には強い関心がなかったことから、名レンズだ、驚異的な解像力を持っているという知識くらいはあったのですが、実際に買おうという思いにまでは至っていませんでした。
しかし、会社の写真部に入部いたしまして、たまたま身近にマクロ撮影が好きな同僚ができたことで、にわかにマクロ撮影に興味が湧き出しまして、いつかはマクロレンズを手に入れたいなぁと思っていた矢先にこのレンズが手元にやってきて、そりゃもう狂喜乱舞したものです。
で、二重に驚いたのが、このレンズのことを調べてみようと思ってネットを検索したところ、なんとこのレンズ、つい2年くらいまで、AF化されもせずにずっと製造・販売が続けられていたらしいということ。
もうカメラがデジタル化されてから20年以上も経過している現在まで変わらず製造されてきたこのレンズ、ただその事実だけでもこのレンズの優秀さが察せられるというもの。
これはたいへんなものをいただいた。
手元にはAi対応の中間リングもあるので、これを組み合わせたらもしかすると等倍くらいの接写もできるんじゃないかと(^^)
そんな興奮もあり、到着してまっさきにD750に装着して試写してみたのがこのレンズでした。
AiなのでD750の露出モードは『A』=絞り優先自動露出(通常も私はこのモードを多用します)。
開放のF2.8で接写です。
『H』のキーにピントを合わせていますが、開放から実にシャープ。
ピントが外れた前景・背景のボケも美しく、単焦点ならではの安定した画質が光ります。

次に一段絞ってF4で撮影。
このショットは『J』にピントを合わせましたが、これも安心して観ていられる解像度。キートップの摩滅具合もよく表現されていますね。

ただ、ここで撮影直後の確認画像でカメラのモニタに映った画の異変に気がついたのです。
露出が明らかに一枚目に比べてオーバーになっています。
自動露出なのになぜ?
撮影データを見てみると、一枚目のF2.8で1/60秒、このショットがF4で1/30秒で、露出としては同じ露出量になっているはずなのに、なぜこんなに明るく写る?
考えられる原因は、設定している絞りまで絞り込まれていないかシャッタースピードが設定よりも遅いかのいずれかしか考えられないということで、最終的に絞りが絞られていないことに気が付きました。
つまり、露出計連動ガイドとレバーによってカメラボディにはレンズが1段絞られている情報が伝わっているため、カメラボディはシャッタースピードを一段分遅くして適正露出を得ようとしたのに、実際には撮影時に絞られずに露出オーバーになってしまった、というからくりです。
こういうトラブルがあっても、もう50年近くも前にOLYMPUSが開発・販売したOM-2のTTLダイレクト測光だったら適正露出が得られていたのにな、と、OLYMPUS OM-2の素晴らしさを再認識したのは余談です。
もうこのMicro NIKKOR 55mm F2.8は修理に出すことを決心しています。
それだけの値打ちのあるレンズだし、マクロの入門レンズとしても最適、もしかすると私のNikon FEの標準レンズとして付いているNIKKOR 50mm F1.4Sよりも、明るさはMicroのほうが2段暗いけど描写自体は断然上だと思います。
も少しだけOld NIKKORレンズの記事を続けます。
kub1951さんからカメラとレンズが届いたその日、辛抱できずに撮った写真が2枚。
Micro NIKKOR 55mm F2.8といえば、数あるNIKKORレンズの中でも特に銘玉中の銘玉とも称される素晴らしいレンズです。
このレンズがリリースされたのは1981年。
私もこのレンズの存在はリリース当初から知っておりまして、当時はあまりマクロ撮影には強い関心がなかったことから、名レンズだ、驚異的な解像力を持っているという知識くらいはあったのですが、実際に買おうという思いにまでは至っていませんでした。
しかし、会社の写真部に入部いたしまして、たまたま身近にマクロ撮影が好きな同僚ができたことで、にわかにマクロ撮影に興味が湧き出しまして、いつかはマクロレンズを手に入れたいなぁと思っていた矢先にこのレンズが手元にやってきて、そりゃもう狂喜乱舞したものです。
で、二重に驚いたのが、このレンズのことを調べてみようと思ってネットを検索したところ、なんとこのレンズ、つい2年くらいまで、AF化されもせずにずっと製造・販売が続けられていたらしいということ。
もうカメラがデジタル化されてから20年以上も経過している現在まで変わらず製造されてきたこのレンズ、ただその事実だけでもこのレンズの優秀さが察せられるというもの。
これはたいへんなものをいただいた。
手元にはAi対応の中間リングもあるので、これを組み合わせたらもしかすると等倍くらいの接写もできるんじゃないかと(^^)
そんな興奮もあり、到着してまっさきにD750に装着して試写してみたのがこのレンズでした。
AiなのでD750の露出モードは『A』=絞り優先自動露出(通常も私はこのモードを多用します)。
開放のF2.8で接写です。
『H』のキーにピントを合わせていますが、開放から実にシャープ。
ピントが外れた前景・背景のボケも美しく、単焦点ならではの安定した画質が光ります。

次に一段絞ってF4で撮影。
このショットは『J』にピントを合わせましたが、これも安心して観ていられる解像度。キートップの摩滅具合もよく表現されていますね。

ただ、ここで撮影直後の確認画像でカメラのモニタに映った画の異変に気がついたのです。
露出が明らかに一枚目に比べてオーバーになっています。
自動露出なのになぜ?
撮影データを見てみると、一枚目のF2.8で1/60秒、このショットがF4で1/30秒で、露出としては同じ露出量になっているはずなのに、なぜこんなに明るく写る?
考えられる原因は、設定している絞りまで絞り込まれていないかシャッタースピードが設定よりも遅いかのいずれかしか考えられないということで、最終的に絞りが絞られていないことに気が付きました。
つまり、露出計連動ガイドとレバーによってカメラボディにはレンズが1段絞られている情報が伝わっているため、カメラボディはシャッタースピードを一段分遅くして適正露出を得ようとしたのに、実際には撮影時に絞られずに露出オーバーになってしまった、というからくりです。
こういうトラブルがあっても、もう50年近くも前にOLYMPUSが開発・販売したOM-2のTTLダイレクト測光だったら適正露出が得られていたのにな、と、OLYMPUS OM-2の素晴らしさを再認識したのは余談です。
もうこのMicro NIKKOR 55mm F2.8は修理に出すことを決心しています。
それだけの値打ちのあるレンズだし、マクロの入門レンズとしても最適、もしかすると私のNikon FEの標準レンズとして付いているNIKKOR 50mm F1.4Sよりも、明るさはMicroのほうが2段暗いけど描写自体は断然上だと思います。
NIKKOR-Q 200mm F4.0 〜Ai改造後のテストショット〜
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
前回の記事でAi化が成功したNIKKOR−Q 200mmF4.0。
D750に使えることになったら、そりゃ早速テストショットしたいじゃないですか。
ということで、翌日の在宅勤務の朝の散歩のときに装着して行ってきました。
と、ちょっとその前に軽い蘊蓄を。
というほどのものでもないのですが、このレンズのプロフィールみたいなものです。
1959年にNikon(当時の日本光学工業)の最初の一眼レフとして、Nikon Fが登場しました。
それまではNikon SPを代表とする、レンジファインダーカメラがカメラの主流でしたが、一眼レフの登場で、特に望遠レンズ系の使い勝手が飛躍的に向上しました。
レンジファインダーカメラはレンズとは別に、カメラ後方から見てレンズの左上のあたりにファインダー(レンジファインダー)が設置されていて、これを覗いて構図を決定して撮影をしていました。
しかし、レンズとは別の光学系を元に撮影範囲を見ているので、レンズの焦点距離が長くなればなるほど、実際にレンズが切り取る撮影範囲と、ファインダーで観ている撮影範囲にズレが生じます。
このズレをパララクスと呼びますが、このパララクスは望遠撮影のときだけではなく、短い焦点距離のレンズであっても近接距離での撮影時には同じ問題が出ます。
これに比べて、一眼レフでは実際に撮影するレンズを通して撮影範囲を観ているので、基本的にこのパララクスは発生しません。
ただし、一眼レフはレンズからフィルム(現在の撮像素子)面に至る光学系の途中にミラーを介在させて、レンズが捉えた画像を90度上方に反射させてフォーカシングスクリーン(磨りガラス)に投影し、さらにペンタプリズムでその像の上下左右を正方向に整えてからファインダーを通して撮影者に見せているので、その光学系の精度によって実際のフィルムサイズ(24mm×36mm)ピタリの像を得られるわけではなく、普及価格帯のカメラでは、パララクスはないけどフィルム面のサイズに対して若干狭い、視野率92%程度、中級機で95〜97%くらい、そしてNikon Fなどの高級機・プロ機では100%の視野率と、若干の精度差はありました。
Nikon Fの登場でそうしたパララクスの呪縛が解けた一眼レフカメラは、それまでのレンジファインダーカメラの望遠レンズの限界が100mm程度だったものが一気にブレークスルーができて、少しずつ望遠レンズの充実が図られていくのでした。
そんな中でNikonの本格的望遠レンズとして登場したのがNIKKOR-Q 200mm F4.0で、初期型の登場は確か1961年。
NIKKORのあとについている『Q』のアルファベットは内部のレンズの枚数を表していて、その意味は『4枚のレンズ』ということです。とてもシンプルな構成ですね。
それから7〜8年後、主にレンズの色再現性が改善された後期型が登場したのが1968年か1969年で、私がいただいたレンズはその後期型にあたり、つまりは設計年次は1968年ごろ、というレトロレンズです。
先日、このレンズの反射防止対策は単層膜コーティングだろうと書きましたが、後期型なのでたぶん多層膜コーティングでゴーストやフレアはかなり改善されていると思います。
また、最短撮影距離は、初期型が3メートルであったものが、後期型は2メートルに縮められており、それでも前期・後期を見分けることができます。
さて、そんなNikonの望遠レンズの橋頭堡を開いたとも言える200mmレンズです。
もうね、ウキウキして朝も早よから目が覚めましたとも。

前回の記事でAi化が成功したNIKKOR−Q 200mmF4.0。
D750に使えることになったら、そりゃ早速テストショットしたいじゃないですか。
ということで、翌日の在宅勤務の朝の散歩のときに装着して行ってきました。
と、ちょっとその前に軽い蘊蓄を。
というほどのものでもないのですが、このレンズのプロフィールみたいなものです。
1959年にNikon(当時の日本光学工業)の最初の一眼レフとして、Nikon Fが登場しました。
それまではNikon SPを代表とする、レンジファインダーカメラがカメラの主流でしたが、一眼レフの登場で、特に望遠レンズ系の使い勝手が飛躍的に向上しました。
レンジファインダーカメラはレンズとは別に、カメラ後方から見てレンズの左上のあたりにファインダー(レンジファインダー)が設置されていて、これを覗いて構図を決定して撮影をしていました。
しかし、レンズとは別の光学系を元に撮影範囲を見ているので、レンズの焦点距離が長くなればなるほど、実際にレンズが切り取る撮影範囲と、ファインダーで観ている撮影範囲にズレが生じます。
このズレをパララクスと呼びますが、このパララクスは望遠撮影のときだけではなく、短い焦点距離のレンズであっても近接距離での撮影時には同じ問題が出ます。
これに比べて、一眼レフでは実際に撮影するレンズを通して撮影範囲を観ているので、基本的にこのパララクスは発生しません。
ただし、一眼レフはレンズからフィルム(現在の撮像素子)面に至る光学系の途中にミラーを介在させて、レンズが捉えた画像を90度上方に反射させてフォーカシングスクリーン(磨りガラス)に投影し、さらにペンタプリズムでその像の上下左右を正方向に整えてからファインダーを通して撮影者に見せているので、その光学系の精度によって実際のフィルムサイズ(24mm×36mm)ピタリの像を得られるわけではなく、普及価格帯のカメラでは、パララクスはないけどフィルム面のサイズに対して若干狭い、視野率92%程度、中級機で95〜97%くらい、そしてNikon Fなどの高級機・プロ機では100%の視野率と、若干の精度差はありました。
Nikon Fの登場でそうしたパララクスの呪縛が解けた一眼レフカメラは、それまでのレンジファインダーカメラの望遠レンズの限界が100mm程度だったものが一気にブレークスルーができて、少しずつ望遠レンズの充実が図られていくのでした。
そんな中でNikonの本格的望遠レンズとして登場したのがNIKKOR-Q 200mm F4.0で、初期型の登場は確か1961年。
NIKKORのあとについている『Q』のアルファベットは内部のレンズの枚数を表していて、その意味は『4枚のレンズ』ということです。とてもシンプルな構成ですね。
それから7〜8年後、主にレンズの色再現性が改善された後期型が登場したのが1968年か1969年で、私がいただいたレンズはその後期型にあたり、つまりは設計年次は1968年ごろ、というレトロレンズです。
先日、このレンズの反射防止対策は単層膜コーティングだろうと書きましたが、後期型なのでたぶん多層膜コーティングでゴーストやフレアはかなり改善されていると思います。
また、最短撮影距離は、初期型が3メートルであったものが、後期型は2メートルに縮められており、それでも前期・後期を見分けることができます。
さて、そんなNikonの望遠レンズの橋頭堡を開いたとも言える200mmレンズです。
もうね、ウキウキして朝も早よから目が覚めましたとも。

Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 実行編 有意注意しないとドツボにハマるぞ 〜
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
さて、いただいたNIKKORの単焦点200ミリですが、ワタクシ、正確なそのレンズの型番を書いていませんでした。
改めて鏡筒に刻まれた刻印を見てみると『NIKKOR-Q・C Auto 1:4 f=200mm』とあります。
なので、一般的な書き方をすれば『NIKKOR-Q・C Auto 200mm F4.0』と書くのが良さそうですね。

6月22日の木曜日の夜、在宅勤務で仕事が終わったらもうAi化改造をしたくて我慢できなくなりました。
ということで、ツールはこれだけ用意しました。
左から精密ドライバ、ミニリュータ、ビットは粗削り(右)と細目(左)を用意、ダイヤモンドカッタ、そして写真に入れ忘れましたがマスキングテープも幅が狭いもの、中くらいのもの、広いものの3種類です。

こういうことは慎重にも慎重を期した方がいい(なんて言いながら、あとでとんでもない失敗をします ^^;)、まずは再度レンズを装着してどのあたりから削り始めればいいかの見当をつけます。

絞り環を開放(F4.0)にセットして、ボディ(Nikon FE)側の露出計連動レバーを所定の位置にスライドして、その左端にケガキを入れます。
ここから向かって左方向に削っていきます。

念のために別の28mm F2.8も同様に装着して位置関係をチェックしておきます。OK、同じ位置ですね。
これで安心して作業に移れます。

レンズを装着するときにボディ側の露出計連動レバーが干渉しないように反対側のスタート地点にもケガキ。

さて、いただいたNIKKORの単焦点200ミリですが、ワタクシ、正確なそのレンズの型番を書いていませんでした。
改めて鏡筒に刻まれた刻印を見てみると『NIKKOR-Q・C Auto 1:4 f=200mm』とあります。
なので、一般的な書き方をすれば『NIKKOR-Q・C Auto 200mm F4.0』と書くのが良さそうですね。

6月22日の木曜日の夜、在宅勤務で仕事が終わったらもうAi化改造をしたくて我慢できなくなりました。
ということで、ツールはこれだけ用意しました。
左から精密ドライバ、ミニリュータ、ビットは粗削り(右)と細目(左)を用意、ダイヤモンドカッタ、そして写真に入れ忘れましたがマスキングテープも幅が狭いもの、中くらいのもの、広いものの3種類です。

こういうことは慎重にも慎重を期した方がいい(なんて言いながら、あとでとんでもない失敗をします ^^;)、まずは再度レンズを装着してどのあたりから削り始めればいいかの見当をつけます。

絞り環を開放(F4.0)にセットして、ボディ(Nikon FE)側の露出計連動レバーを所定の位置にスライドして、その左端にケガキを入れます。
ここから向かって左方向に削っていきます。

念のために別の28mm F2.8も同様に装着して位置関係をチェックしておきます。OK、同じ位置ですね。
これで安心して作業に移れます。

レンズを装着するときにボディ側の露出計連動レバーが干渉しないように反対側のスタート地点にもケガキ。

Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 予習後編 Ai化の具体的方法 〜
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
さて、Old NIKKOR Lens Ai化の予習後編です。
前回の記事でAi方式の仕組みがわかりました。
では、具体的にレンズのどこをどんなふうに加工してやればいいのでしょうか。
前回見たように、レンズの絞り環を開放位置でボディに装着した場合、レンズの露出計連動ガイドの位置はどんな開放F値のレンズでも同じであることがわかりました。
その位置はボディ側の露出計連動レバーのレンズ非装着時のデフォルトの位置で良いかと言うと、実はそうでもないのであります。
ボディ側の露出計連動レバーは、実際に絞り込みを検出できるスタート位置まで、数ミリの遊びがあります。
これがレンズ非装着時のデフォルトの露出計連動レバーの位置ですが...

手応えのない遊びがこれだけあり、絞り込みを検知できるのはここから先です。
したがって、レンズ側の露出計連動ガイドはその位置までカメラ側の露出計連動レバーを押したところが開放時の定位置だ、ということです。

試しにFEの露出計連動レバーを跳ね上げた状態でレンズを絞り開放で装着してみると、レンズ側の露出計連動ガイドはこの位置で止まり、ちょうど絞り込みを検出できるスタート地点を思しき位置と一致します。
つまり、非AiレンズをAi化するには、この位置で絞り環のスカート部を削ってやればOKということです。

非Aiの200mmを装着してみました。
だいたいどこから削ればいいか見当がつきますよね。

さて、Old NIKKOR Lens Ai化の予習後編です。
前回の記事でAi方式の仕組みがわかりました。
では、具体的にレンズのどこをどんなふうに加工してやればいいのでしょうか。
前回見たように、レンズの絞り環を開放位置でボディに装着した場合、レンズの露出計連動ガイドの位置はどんな開放F値のレンズでも同じであることがわかりました。
その位置はボディ側の露出計連動レバーのレンズ非装着時のデフォルトの位置で良いかと言うと、実はそうでもないのであります。
ボディ側の露出計連動レバーは、実際に絞り込みを検出できるスタート位置まで、数ミリの遊びがあります。
これがレンズ非装着時のデフォルトの露出計連動レバーの位置ですが...

手応えのない遊びがこれだけあり、絞り込みを検知できるのはここから先です。
したがって、レンズ側の露出計連動ガイドはその位置までカメラ側の露出計連動レバーを押したところが開放時の定位置だ、ということです。

試しにFEの露出計連動レバーを跳ね上げた状態でレンズを絞り開放で装着してみると、レンズ側の露出計連動ガイドはこの位置で止まり、ちょうど絞り込みを検出できるスタート地点を思しき位置と一致します。
つまり、非AiレンズをAi化するには、この位置で絞り環のスカート部を削ってやればOKということです。

非Aiの200mmを装着してみました。
だいたいどこから削ればいいか見当がつきますよね。

Nikonの非AiレンズのAi改造 〜 予習編 カニの爪とAi方式ってナニ? 〜
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
先日、kub1951さんから送っていただいたレンズとカメラ。
もう興奮してしまって、毎晩、枕元において寝ています(^^)
今のところ、手を入れないといけないなと思っているレンズは、Micro Nikkor 55mm F2.8とNIKKOR 200mm F4.0の2本。
55mmの方は絞り羽が絞られないので、これを修理します。
ひとまず、愛知県の工房 ミノハさんに見積もり依頼をしたところ、翌日にはすぐに見積もりが返ってきました。
もちろん、開けてみないと確定の金額は出ないので暫定額です。
ただ、修理依頼がけっこうたくさん来ているらしく、あずかってから6週間くらいはかかるだろうとのこと。
まあそれくらいの期間待つのは全く問題ありません。
あと、ピントリングのゴムについては、ミノハさんにはスペアがあるわけではないので、これは別途調達しないといけません。
これを含めてレンズ全体を一括して直すのであればNikonのサービスセンター持ち込みもアリですね。
こんど、大阪に行く用事を作って遊びがてらNikon Plazaに行ってみて修理代金を見積もってもらうことにしましょう。

もう一本、200mmですが、これもかつて憧れだったレンズ。

もちろん、焦点距離としてはすでに手元にあるズームレンズ 75-300mm F4.5-5.6のズーム域に含まれてしまう焦点距離なのですが、やっぱりこれは使ってみたいじゃないですか。
第一、上記ズームだと、200mmの焦点距離だと開放F値が5.3に落ちてしまうのです。
同じ焦点距離でF4.0であることのアドバンテージは侮れません。
ましてズームではなく単焦点レンズ。
200mmという焦点距離に最適化されたレンズ設計は、いくら設計が古いとはいっても、多少新しくても設計思想がさして変わらない時代のズームよりはいいに決まっていると思うわけです。
レンズを前方、そしてマウント側から電灯にかざしてみても多少のホコリの侵入はあるものの、被写界深度が浅いレンズだから問題になるとは思えません。
反射コーティングが比較的新しいレンズの多層膜に比べて、おそらくは単層膜だろうと思われる点はビハイドといえばビハインドですが、オールドレンズですからね、ハローやゴーストも『味』です。
ただ、これをD750に装着するには絞り伝達方式をAi(Automatic maximum aperture Indexing)方式に改造しないといけません。
ところが、当のNikonではすでにAiへの改造サービスは終了済み。
でもね。
長年Nikon機を使ってきた身としては、Aiへの改造ってそんなに難易度高くはないんじゃないの? って常々思っていました。
いや、加工の技術は必要だし、もちろん、器用じゃないとうまく行かないのは当たり前なのですが、考え方としては実に単純じゃないか、ということです。
先日、kub1951さんから送っていただいたレンズとカメラ。
もう興奮してしまって、毎晩、枕元において寝ています(^^)
今のところ、手を入れないといけないなと思っているレンズは、Micro Nikkor 55mm F2.8とNIKKOR 200mm F4.0の2本。
55mmの方は絞り羽が絞られないので、これを修理します。
ひとまず、愛知県の工房 ミノハさんに見積もり依頼をしたところ、翌日にはすぐに見積もりが返ってきました。
もちろん、開けてみないと確定の金額は出ないので暫定額です。
ただ、修理依頼がけっこうたくさん来ているらしく、あずかってから6週間くらいはかかるだろうとのこと。
まあそれくらいの期間待つのは全く問題ありません。
あと、ピントリングのゴムについては、ミノハさんにはスペアがあるわけではないので、これは別途調達しないといけません。
これを含めてレンズ全体を一括して直すのであればNikonのサービスセンター持ち込みもアリですね。
こんど、大阪に行く用事を作って遊びがてらNikon Plazaに行ってみて修理代金を見積もってもらうことにしましょう。

もう一本、200mmですが、これもかつて憧れだったレンズ。

もちろん、焦点距離としてはすでに手元にあるズームレンズ 75-300mm F4.5-5.6のズーム域に含まれてしまう焦点距離なのですが、やっぱりこれは使ってみたいじゃないですか。
第一、上記ズームだと、200mmの焦点距離だと開放F値が5.3に落ちてしまうのです。
同じ焦点距離でF4.0であることのアドバンテージは侮れません。
ましてズームではなく単焦点レンズ。
200mmという焦点距離に最適化されたレンズ設計は、いくら設計が古いとはいっても、多少新しくても設計思想がさして変わらない時代のズームよりはいいに決まっていると思うわけです。
レンズを前方、そしてマウント側から電灯にかざしてみても多少のホコリの侵入はあるものの、被写界深度が浅いレンズだから問題になるとは思えません。
反射コーティングが比較的新しいレンズの多層膜に比べて、おそらくは単層膜だろうと思われる点はビハイドといえばビハインドですが、オールドレンズですからね、ハローやゴーストも『味』です。
ただ、これをD750に装着するには絞り伝達方式をAi(Automatic maximum aperture Indexing)方式に改造しないといけません。
ところが、当のNikonではすでにAiへの改造サービスは終了済み。
でもね。
長年Nikon機を使ってきた身としては、Aiへの改造ってそんなに難易度高くはないんじゃないの? って常々思っていました。
いや、加工の技術は必要だし、もちろん、器用じゃないとうまく行かないのは当たり前なのですが、考え方としては実に単純じゃないか、ということです。